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【質問】睡眠中の食いしばり・歯ぎしりの原因は低血糖?<夜間低血糖セルフチェック付き>

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患者さまからの質問

睡眠時の、歯の食いしばり。

SNSで「食いしばりの多くは【夜間低血糖】を起こしている」というのを見ました。

特徴としては、歯ぎしり、食いしばり、寝違い、悪夢が典型例だとか。

寝ている間に血糖値を維持できなくてアドレナリンが分泌されてしまい、寝ながら過緊張を起こしてることが原因とのこと。

コレってホントですか?

寝ている時の、歯の食いしばりってコントロールできるんですか?

回答

質問ありがとうございます。

睡眠中の歯の食いしばり ( 睡眠時ブラキシズム ) について、「夜間低血糖が原因でアドレナリンが分泌され、過緊張状態になる」という説は一部SNSで言及されていますが、これは現時点では医学的に確立された理論ではありません。

しかし、関連する複数の要素 ( 律神経系、低血糖、ホルモン分泌、筋緊張など ) から、多角的に考察することは可能です。

では、歯の食いしばりの深堀りをしてから、夜間低血糖へと話をすすめていきます。

夜間低血糖チェックリストもありますので、最後までどうぞ。

西洋医学的解釈

■ 定義と症状

  • ブラキシズム ( Bruxism ) :無意識に歯を食いしばったり、こすり合わせたりする現象。
  • 症状:歯の磨耗、顎の疲労や痛み、頭痛、首や肩の緊張、睡眠の質の低下、顎関節症の併発など。

■ 原因

  • ストレスや不安
  • 睡眠障害 ( 例:レム睡眠行動障害、閉塞性睡眠時無呼吸症候群 )
  • 噛み合わせの異常
  • 薬剤 ( SSRIなど一部の抗うつ薬 )

■ 生理学的背景

  • 睡眠中にドパミン・アドレナリンなどの神経伝達物質のバランスが乱れ、運動神経の過活動が生じる。
  • 中枢神経系 ( 大脳基底核や脳幹 ) の活動と筋緊張の関与。
  • 夜間にストレスホルモン ( コルチゾールやカテコールアミン ) が過剰に分泌されると、交感神経優位な状態が続く。

鍼灸医学的解釈

■ 病因・病機

  • 「肝気鬱結」:精神的ストレスにより肝の疏泄機能が低下し、気の巡りが悪くなる。
  • 「肝風内動」:肝血不足により風が内動し、筋肉の異常緊張 ( 食いしばり ) を起こす。
  • 「脾虚湿盛」:脾の弱りにより痰湿が生じ、頭部や顔面部に停滞しやすく、顔面筋緊張へ。
  • 「腎陰虚」:夜間に陰が不足し、陽が亢進して交感神経優位になる。

■ 治療法

  • 肝気を調える:太衝、肝兪
  • 顎や咬筋部の緊張緩和:下関、頬車、合谷
  • 睡眠改善:安眠、神門、三陰交

栄養学的解釈

■ 夜間低血糖説

  • 空腹や夕食の糖質不足により、就寝中に血糖が下がりすぎると、副腎からアドレナリンやコルチゾールが分泌される。
  • これが交感神経系を刺激し、筋緊張が高まり、食いしばりや歯ぎしりに繋がるという仮説。

■ 生理学的補足

  • アドレナリンは血糖を上げるために肝臓のグリコーゲン分解を促進する。
  • しかし、それに伴って心拍数増加・筋緊張など、過緊張を引き起こす。
  • 夜間のインスリン過剰→低血糖→アドレナリン分泌→覚醒・緊張という流れ。

診断と評価

  • 歯科的評価:歯のすり減り、咬筋肥大、歯ぎしり音の確認
  • 睡眠外来:ポリソムノグラフィーによる評価
  • 栄養状態評価:空腹時血糖、HbA1c、インスリン抵抗性 ( HOMA-IR ) 、夜間のグルコースモニタリング
  • 鍼灸医学的体質評価:気滞・血虚・陰虚・肝実など

治療法と対処

アプローチ内容
歯科的ナイトガード ( マウスピース ) 装着、咬合調整
栄養学的就寝前の軽い糖質補給、夜間低血糖予防
( 特にインスリン抵抗性が高い人 )
西洋医学的ストレス対処、抗不安薬の併用 ( 重症例 )
鍼灸自律神経調整、咬筋の緩和、肝気・腎陰の調整
ライフスタイルストレッチ、入浴、就寝ルーチンの確立

予後・予防法

  • 予後:原因の特定とアプローチ次第でかなり改善可能。ただし慢性ストレス・咬合異常などが持続する場合は再発も。
  • 予防法
    • 寝る前のスマホ断ち
    • 適度な糖質+たんぱく質の夕食
    • 睡眠前の副交感神経優位化 ( 例:腹式呼吸、鍼灸 )
    • 顎関節ストレッチ

まとめ

夜間の食いしばりは、「ストレス性」「中枢神経の異常な筋制御」「歯科的要因」に加え、「夜間低血糖によるアドレナリン過剰」も一因になりうる。 西洋医学・鍼灸医学・栄養学の観点を組み合わせることで、予防・改善の可能性は十分あります。

では 夜間低血糖 ( Nocturnal Hypoglycemia ) について、西洋医学、鍼灸医学、栄養学、生理学的観点から詳しく解説します。特に「歯の食いしばり」や「睡眠の質低下」との関係に焦点を当てます。

夜間低血糖とは?

東洋医学・鍼灸治療の現場からひと言

今回の「睡眠中の食いしばり・歯ぎしりの原因は低血糖?<夜間低血糖セルフチェック付き>」はいかがでしたか?

血糖管理、つまり、甘いものなどの食べ過ぎは、ますます大切な要素となると思います。

今までは、糖尿病 ( 高血糖 ) ばかりが問題視されてきましたが、これからは、低血糖も忘れてはいけない視点ですね。

最後までお読みいただきありがとうございます。

最後に

お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。

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金井 進

金井 進

元気の羅針盤編集長。
ホリス治療院院長、はり師、灸師 ( 国家資格 )。

1994年よりホリス治療院開業。
鍼灸、カイロプラクティック、フィジカルセラピーを融合した独自の治療体系で日夜、患者さんと向き合っています。

30年以上にわたる鍼灸臨床のなかで培った知識と経験をもとに、あなたの困った問題を解決できるような確かな情報をお届けしたいと思っています。

あなたの喜びの声を聞くことほど、私達の仕事に「情熱」と「やりがい」を与えてくれるものはありません。
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