【保存版】超加工食品 ( NOVA4 ) の健康リスクと避ける方法<添加物を減らす食材・レシピ・養生法まとめ>

先日、添加物が身体を害するという意見は、トンデモ医学的な発信をしているドクターのSNSを偶然見てしまいました。
彼が言うには「国が許可している添加物をはじめとする加工食品は、安全であり、健康被害を訴えているのは間違い」ということらしいです。
そして「加工食品ってどこから加工って言えるの?塩も味噌も人の手が入っているから加工だよね~っ」的なことをおっしゃっていました。
私も昔、添加物等々の有害性・健康リスクを高める食品を避けましょうと言う話をすると反論される患者さまもいらっしゃいました。
さすがに今は反論されることが少なくなりましたが。
ということで、あなたは、NOVA分類というものをご存じでしょうか?
「ノバ分類 ( NOVA分類 ) 」とは、食品を加工の度合いに応じて分類するシステムで、特に超加工食品(Ultra-Processed Foods, UPFs ) が健康に与える影響が世界中で注目されています。
ここでは、NOVA分類を4つのグループに分け、生理学的な観点からの健康影響を交えつつ、例を交えて詳しく解説します。
Contents
NOVA分類とは?
NOVA分類はブラジルの栄養学者Carlos Monteiroらが提唱した分類法で、「食品の栄養素」ではなく「加工の度合い」に基づいて食品を4つのグループに分けます。
NOVA分類の4つのカテゴリー
NOVA1:未加工または最小限の加工食品
◼︎説明
天然の状態に近く、洗浄・乾燥・冷凍などの最低限の処理のみ。
◼︎例
- 生の野菜・果物 ( りんご、キャベツ )
- ナッツ類 ( 無塩 )
- 生肉・魚
- 卵、玄米、牛乳 ( 無調整 )
◼︎生理学的な観点
- 栄養素の生体利用率が高い ( 例:野菜のポリフェノールは腸内細菌で代謝され抗酸化作用 )
- 炎症抑制因子が自然含有:食物繊維やビタミンがNF-κBなどの炎症経路を抑制
- **腸内細菌叢 ( マイクロバイオーム ) **との相互作用が豊か
NOVA1:未加工または最小限の加工食品 | |
---|---|
説明 | 天然の状態に近く、洗浄・乾燥・冷凍などの最低限の処理のみ。 |
例 | 生の野菜・果物 ( りんご、キャベツ ) ナッツ類 ( 無塩 ) 生肉・魚 卵、玄米、牛乳 ( 無調整 ) |
生理学的な観点 | 栄養素の生体利用率が高い ( 例:野菜のポリフェノールは腸内細菌で代謝され抗酸化作用 )。 炎症抑制因子が自然含有:食物繊維やビタミンがNF-κBなどの炎症経路を抑制。 **腸内細菌叢 ( マイクロバイオーム ) **との相互作用が豊か。 |
NOVA2:加工された料理用素材 ( 加工食品の材料 )
◼︎説明
NOVA1の食品から抽出・精製されたが、家庭での調理に使われるもの。
◼︎例
- 植物油
- 砂糖、塩
- 精製小麦粉、バター
◼︎生理学的な観点
- 栄養素が一部損なわれる ( 例:精製油→ビタミンEが少ない )
- 高エネルギー密度食品:エネルギー消費より過剰摂取しやすい → 肥満関連遺伝子 ( FTO、LEP ) の発現変化に関与
- 単体での摂取よりも、組み合わせで問題になることが多い
NOVA2:加工された料理用素材 ( 加工食品の材料 ) | |
---|---|
説明 | NOVA1の食品から抽出・精製されたが、家庭での調理に使われるもの。 |
例 | 植物油 砂糖、塩 精製小麦粉、バター |
生理学的な観点 | 栄養素が一部損なわれる ( 例:精製油→ビタミンEが少ない )。 高エネルギー密度食品:エネルギー消費より過剰摂取しやすい → 肥満関連遺伝子 ( FTO、LEP ) の発現変化に関与。 単体での摂取よりも、組み合わせで問題になることが多い。 |
NOVA3:加工食品
◼︎説明
NOVA1の食品にNOVA2を加えて、保存性・風味向上のため加工したもの。
◼︎例
- チーズ、缶詰 ( サバ水煮 )
- 塩漬けの野菜、味噌・醤油などの発酵食品
- パン ( 伝統的製法 )
◼︎ 生理学的な観点
- 発酵食品では**腸内細菌叢を改善する有用菌 ( 乳酸菌など ) **が含まれ、**免疫調節や炎症抑制 ( TLR-4経路の抑制 ) **に貢献
- しかし、塩分が多い食品ではRAAS系 ( レニン・アンジオテンシン系 ) を活性化 → 高血圧・内皮障害に影響
NOVA3:加工食品 | |
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説明 | NOVA1の食品にNOVA2を加えて、保存性・風味向上のため加工したもの。 |
例 | チーズ、缶詰 ( サバ水煮 ) 塩漬けの野菜、味噌・醤油などの発酵食品 パン ( 伝統的製法 ) |
生理学的な観点 | 発酵食品では**腸内細菌叢を改善する有用菌 ( 乳酸菌など ) **が含まれ、**免疫調節や炎症抑制 ( TLR-4経路の抑制 ) **に貢献。 しかし、塩分が多い食品ではRAAS系 ( レニン・アンジオテンシン系 ) を活性化 → 高血圧・内皮障害に影響。 |
NOVA4:超加工食品 ( UPF )
◼︎説明
工業的に加工され、多数の添加物・香料・乳化剤を含む食品。見た目・味は良いが、本来の食材からは遠い。
◼︎例
- 菓子パン、スナック菓子、ソーセージ、加工チーズ
- 清涼飲料水、冷凍ピザ、カップ麺
- プロテインバー、コンビニ弁当、シリアル
◼︎生理学的な観点
- 炎症性経路の活性化:
- 乳化剤や人工甘味料 → 腸内バリア機能を破壊 ( tight junctionタンパク質 occludin, claudinの減少 )
- LPS ( リポ多糖 ) が血中に漏出 → TLR4-NF-κB経路を活性化 → 慢性炎症・インスリン抵抗性
- ミトコンドリア機能の低下:
- 高脂肪・高糖質で酸化ストレス↑ → ミトコンドリアのROS産生↑ → アポトーシス経路活性化 ( Caspase-3経路 )
- 腸内細菌叢の変化 ( ディスバイオーシス ) :
- プレボテラ優位 → フィルミクテス優位へ
- 炎症性サイトカイン ( IL-6, TNF-α ) ↑
NOVA4:超加工食品 ( UPF ) | |
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説明 | 工業的に加工され、多数の添加物・香料・乳化剤を含む食品。見た目・味は良いが、本来の食材からは遠い。 |
例 | 菓子パン、スナック菓子、ソーセージ、加工チーズ 清涼飲料水、冷凍ピザ、カップ麺 プロテインバー、コンビニ弁当、シリアル |
生理学的な観点 | 炎症性経路の活性化 乳化剤や人工甘味料 → 腸内バリア機能を破壊 ( tight junctionタンパク質 occludin, claudinの減少 )。 LPS ( リポ多糖 ) が血中に漏出 → TLR4-NF-κB経路を活性化 → 慢性炎症・インスリン抵抗性。 ミトコンドリア機能の低下 高脂肪・高糖質で酸化ストレス↑ → ミトコンドリアのROS産生↑ → アポトーシス経路活性化 ( Caspase-3経路 )。 腸内細菌叢の変化 ( ディスバイオーシス ) プレボテラ優位 → フィルミクテス優位へ。 炎症性サイトカイン ( IL-6, TNF-α ) ↑。 |
【例題で理解】NOVA分類の影響比較
食品例 | NOVA分類 | 加工度 | 分子生物学的リスク / メリット |
---|---|---|---|
生トマト | NOVA1 | 低 | 抗酸化物質 ( リコピン ) → NF-κB抑制、腸内環境改善 |
トマト缶 ( 無添加 ) | NOVA3 | 中 | リコピンは加熱で吸収↑、ただし缶由来のBPAに注意 |
ケチャップ ( 甘味料入り ) | NOVA4 | 高 | 高糖質 → 炎症↑、AGEs形成、腸内環境悪化 |
まとめ:NOVA分類と健康への影響
分類 | 健康への影響 ( 総合評価 ) |
---|---|
NOVA1 | ✅理想的。 抗酸化・抗炎症・マイクロバイオーム最適化 |
NOVA2 | ⚠️摂りすぎ注意。 単体ではOKだが加工に使われやすい |
NOVA3 | ⚖️バランス型。 発酵食品などはむしろ健康的 |
NOVA4 | ❌慢性炎症・生活習慣病・老化促進の引き金に |
補足:鍼灸医学・東洋医学との視点 ( 応用 )
- NOVA1食品は「気血水」のバランスを整える食材が多い
- NOVA4食品は「湿熱」や「痰飲」を生じやすく、気虚・脾虚を悪化させやすい
- 超加工食品の多食は、脾胃の運化失調により「瘀血」を形成 → 痛みやしこりの原因に
では次に、「NOVA分類に応じた1週間の養生食プラン」と、「超加工食品の影響を減らす栄養戦略 ( 分子生物学的解釈つき ) 」の2本立てでご紹介します。
NOVA分類に応じた1週間の養生食プラン
超加工食品の影響を減らす栄養戦略
避けたいNOVA4食品:人工的加工方法の代表例と実際の食品
避けたいNOVA4食品について、補足をしていきたいと思います。
明日から出来る養生法
明日から出来る養生法をより具体的に考えてみます。
- 「添加物を避けるための安心な食材リスト」
- 「家庭でできる自然な代替レシピ」
- 「NOVA4由来の分子的悪影響を打ち消す養生プラン」 をそれぞれ分かりやすく整理してお届けします。
食品添加物のまとめ記事
2025年1月21日に投稿したまとめ記事です。
6つの記事で構成されています。
参考になれば幸いです。
東洋医学・鍼灸治療の現場からひと言
今回の「【保存版】超加工食品 ( NOVA4 ) の健康リスクと避ける方法<添加物を減らす食材・レシピ・養生法まとめ>」はいかがでしたか?
もう長い長い ( 笑 ) (^▽^;)
いや、ほんとに、最後までお読みいただきありがとうございます。
感謝感謝です。(^▽^)
最後にこれだけは、覚えておいてほしいんです。
それは、健康になりたければ、「やりたいことが出来る身体創り」を目指すならば。
例えば、「これだけすれば、〇〇!!!」や「〇〇にはこれ!」的な、『何かをすればよくなるという追加する健康法・足し算健康法』よりも、【〇〇をしない!という引き算健康法】がおすすめです。
身体は、良くなろうとしています。
その身体が、元気であり続けようとする力を、阻害しないことが、一番大切だと思う今日この頃です。
最後に
お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。
