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大動脈解離の症状と前兆を見逃すな!<突然死を防ぐためのリスクチェックリスト>

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患者さまからの質問

「大動脈解離」という病気について。

突然死や即死につながる、と聞いて驚きました。

大動脈解離の前兆はありますか?

どんな人がなりやすいですか?

原因、症状、対処法、治療法、予防策などが知りたいです。

■ 大動脈解離とは ( 西洋医学的定義 )

大動脈の内膜に亀裂が入り、血液が壁内に流れ込んで内膜と中膜が剥がれていく状態です。

最悪の場合、血管が破裂して**致死的な出血 ( 突然死 ) **を招きます。

■ 原因・リスク因子

● 西洋医学的要因

  • 高血圧 ( 最も大きな危険因子 )
  • 動脈硬化
  • 遺伝性結合組織疾患 ( 例:マルファン症候群、エーラス・ダンロス症候群 )
  • 大動脈弁疾患
  • 妊娠中 ( 特にマルファン症候群を持つ妊婦 )
  • 極度のストレスや重い運動
西洋医学的要因
高血圧 ( 最も大きな危険因子 )
動脈硬化
遺伝性結合組織疾患 ( 例:マルファン症候群、エーラス・ダンロス症候群 )
大動脈弁疾患
妊娠中 ( 特にマルファン症候群を持つ妊婦 )
極度のストレスや重い運動

● 鍼灸医学的観点

  • 肝陽上亢 ( ストレス過多による気血の上逆 )
  • 腎精虚 ( 老化・体力消耗により血管の潤いと柔軟性が低下 )
  • 痰濁瘀血 ( 脂質異常による血流停滞 )
鍼灸医学的観点
肝陽上亢 ( ストレス過多による気血の上逆 )
腎精虚 ( 老化・体力消耗により血管の潤いと柔軟性が低下 )
痰濁瘀血 ( 脂質異常による血流停滞 )

● 栄養学的視点

  • ビタミンC・E不足 ( 血管内皮の維持ができない )
  • コラーゲン合成に関わる ( Cu ) 不足
  • 高脂肪食・加工食品の摂りすぎ ( 動脈硬化進行 )
  • 飲酒や過剰なカフェイン ( 血圧急上昇 )
栄養学的視点
ビタミンC・E不足 ( 血管内皮の維持ができない )
コラーゲン合成に関わる ( Cu ) 不足
高脂肪食・加工食品の摂りすぎ ( 動脈硬化進行 )
飲酒や過剰なカフェイン ( 血圧急上昇 )

■ 症状 ( 前兆含む )

急性症状 ( 突然現れる )

  • 突然の激烈な胸痛・背部痛 ( 裂けるような痛み )
  • 呼吸困難、吐き気、冷汗
  • 失神、意識消失
  • 脳梗塞症状 ( 片麻痺、言語障害 )
急性症状 ( 突然現れる )
突然の激烈な胸痛・背部痛 ( 裂けるような痛み )
呼吸困難、吐き気、冷汗
失神、意識消失
脳梗塞症状 ( 片麻痺、言語障害 )

前兆的なサイン

  • 高血圧なのに治療せず放置している
  • 首・背中に張りや刺すような痛み ( 鍼灸的には「経絡の緊張」 )
  • 息苦しさや胸部不快感が増える
  • 朝起床時の頭痛や動悸が強い ( 交感神経過剰 )
前兆的なサイン
高血圧なのに治療せず放置している
首・背中に張りや刺すような痛み ( 鍼灸的には「経絡の緊張」 )
息苦しさや胸部不快感が増える
朝起床時の頭痛や動悸が強い ( 交感神経過剰 )

なりやすい時期

大動脈解離は、血圧が高くなるのが悪化要因ですから、冬場や朝が多いです。

■ 診断基準 ( 西洋医学 )

  • CT・MRI・心エコー ( TEE ) での解離の確認
  • 血圧左右差・脈の消失
  • Dダイマー ( 血栓の崩壊産物 ) 上昇
  • 胸部X線での縦隔拡大
診断基準 ( 西洋医学 )
CT・MRI・心エコー ( TEE ) での解離の確認
血圧左右差・脈の消失
Dダイマー ( 血栓の崩壊産物 ) 上昇
胸部X線での縦隔拡大

■ 治療法 ( タイプ別 )

タイプA ( 上行大動脈を含む ) ➡緊急手術

  • 人工血管置換術
  • 弁置換術(必要時 )

タイプB ( 下行大動脈のみ ) ➡保存療法が原則

  • 血圧コントロール ( βブロッカーなど )
  • 入院安静、疼痛管理
治療法 ( タイプ別 )
タイプA ( 上行大動脈を含む ) ➡緊急手術人工血管置換術
弁置換術(必要時 )
タイプB ( 下行大動脈のみ ) ➡保存療法が原則血圧コントロール ( βブロッカーなど )
入院安静、疼痛管理

■ 鍼灸医学的アプローチ ( 補助的 )

※急性期には不可、慢性期・予防目的で使用。

● 使用経穴例

  • 太渓 ( 腎を補う ) +内関 ( 胸の気の巡り ) +風池 ( 交感神経調整 )
  • 肝兪・腎兪 ( 肝腎陰虚の改善 )
  • 三陰交 ( 血圧調整+ホルモンバランス調整 )
使用経穴例
太渓 ( 腎を補う ) +内関 ( 胸の気の巡り ) +風池 ( 交感神経調整 )
肝兪・腎兪 ( 肝腎陰虚の改善 )
三陰交 ( 血圧調整+ホルモンバランス調整 )

● 手法

  • 低刺激の鍼、接触鍼
  • 腹部の温灸で交感神経緊張を抑える
手法
低刺激の鍼、接触鍼
腹部の温灸で交感神経緊張を抑える

■ 分子生物学的視点

● 血管壁の構造破綻に関わる因子

  1. MMPs ( マトリックスメタロプロテアーゼ ) – 血管壁のコラーゲン分解を促進しすぎると解離を招く
  2. TGF-βシグナル異常  - マルファン症候群で異常活性化し、弾性線維構造が破壊されやすくなる
  3. NO ( 一酸化窒素 ) 不足  - 血管拡張・修復機能が低下

■ 栄養学的・生活習慣的予防法

● 食事

  • ビタミンC・E・A ( 血管の抗酸化保護 )
  • コエンザイムQ10・タウリン ( 心筋・血圧安定 )
  • DHA・EPA ( 魚油 ) :血管柔軟性を保つ
  • 銅・亜鉛:コラーゲンの合成維持
  • 食物繊維:LDLコレステロール低下
食事
ビタミンC・E・A ( 血管の抗酸化保護 )
コエンザイムQ10・タウリン ( 心筋・血圧安定 )
DHA・EPA ( 魚油 ) :血管柔軟性を保つ
銅・亜鉛:コラーゲンの合成維持
食物繊維:LDLコレステロール低下

● 生活

  • 高血圧管理 ( 120/80未満を目標 )
  • ストレスコントロール ( 瞑想・腹式呼吸 )
  • 運動 ( 激しい筋トレよりウォーキングやスイミング )
  • 禁煙・節酒
生活
高血圧管理 ( 120/80未満を目標 )
ストレスコントロール ( 瞑想・腹式呼吸 )
運動 ( 激しい筋トレよりウォーキングやスイミング )
禁煙・節酒

■ 予後と注意点

  • タイプAは未治療なら死亡率50%以上
  • 術後も血圧管理を続けないと再解離・再手術リスクあり
  • 5年生存率:約60〜80% ( 適切な管理があれば )
予後と注意点
タイプAは未治療なら死亡率50%以上
術後も血圧管理を続けないと再解離・再手術リスクあり
5年生存率:約60〜80% ( 適切な管理があれば )

■ 具体例 ( 架空 )

1:60代男性

60代男性、高血圧歴10年で薬を自己中断。

朝、ゴミ出し後に突然背部が裂けるように痛み失神。

CTでStanford A型の解離確認。即座に手術し救命。

1:60代男性
高血圧歴10年で薬を自己中断
朝、ゴミ出し後に突然背部が裂けるように痛み失神
CTでStanford A型の解離確認
即座に手術し救命

例2:50代女性

50代女性、マルファン症候群、妊娠後期に胸痛と吐き気、即CTにて解離。

高リスク妊婦だったが、予防的にβブロッカーを使用しており命は助かる。

例2:50代女性
マルファン症候群
妊娠後期に胸痛と吐き気
即CTにて解離
高リスク妊婦だったが、予防的にβブロッカーを使用しており命は助かる

■ 総合的まとめ

項目内容
発症要因高血圧、遺伝、加齢、動脈硬化
前兆胸・背部痛、脈の左右差、違和感
診断法画像診断 ( CT ) 、Dダイマー、脈診
治療タイプAは緊急手術、Bは内科管理
鍼灸的ケア慢性期に肝腎のバランス改善
栄養学的予防抗酸化栄養素、コラーゲン代謝補助
分子的観点MMP活性・TGF-β異常などの構造脆弱化

■大動脈解離リスクチェック表

チェック項目
□ 収縮期血圧が140mmHg以上の高血圧がある
□ 高血圧の治療を中断または未治療
□ 胸や背中に時折ズキッとするような痛みを感じる
□ ストレスが強く、怒りっぽい・不眠・動悸がある
□ 運動中や排便時に強い力を入れることが多い
□ 遺伝性疾患 ( マルファン、エーラス・ダンロス ) あり
□ 喫煙・過剰な飲酒習慣がある
□ コレステロールや中性脂肪が高め
□ 野菜・果物をあまり食べない
□ ビタミンC・E・亜鉛・銅などを意識していない
□ 朝起きたときに頭痛・肩こり・顔のほてりがある
□ 血圧測定を月1回未満しかしていない

■評価の目安

  • 0〜2項目:リスクは低いが生活習慣の改善を意識すると◎
  • 3〜5項目:中程度リスク。血圧測定と生活見直しを強く推奨
  • 6項目以上:高リスク!医療機関での精密検査と栄養・鍼灸的ケアも検討
評価の目安
0〜2項目:リスクは低いが生活習慣の改善を意識すると◎
3〜5項目:中程度リスク。血圧測定と生活見直しを強く推奨
6項目以上:高リスク!医療機関での精密検査と栄養・鍼灸的ケアも検討

東洋医学・鍼灸医学の現場からひと言

今回の「大動脈解離の症状と前兆を見逃すな!<突然死を防ぐためのリスクチェックリスト>」は、いかがでしたか?

大動脈解離は、動脈硬化が背因にある病気と言えると思います。

ですから、動脈硬化にならないような生活習慣が重要です。

最後に

お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。

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金井 進

金井 進

元気の羅針盤編集長。
ホリス治療院院長、はり師、灸師 ( 国家資格 )。

1994年よりホリス治療院開業。
鍼灸、カイロプラクティック、フィジカルセラピーを融合した独自の治療体系で日夜、患者さんと向き合っています。

30年以上にわたる鍼灸臨床のなかで培った知識と経験をもとに、あなたの困った問題を解決できるような確かな情報をお届けしたいと思っています。

あなたの喜びの声を聞くことほど、私達の仕事に「情熱」と「やりがい」を与えてくれるものはありません。
いいこと・悪いこと、どんなことでも結構です。
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