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【質問】 五月病って何?本当の原因とは?<7つの体質から読み解く心と体のケア>

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患者さまからの質問

ゴールデンウィークの後に続出するのが「五月病」。

仕事や日常生活に支障をきたす、と言われています。

具体的にどんな症状ですか?

病気?それともメンタル? ( 精神的な疾患? )

どんな人がなりやすい?

原因は?

対処法は?

ならないための対策と予防策は?

回答

「五月病」は正式な医学用語ではありませんが、特に日本においては ゴールデンウィーク明けに心身の不調を訴える人が増える現象として広く知られています。

西洋医学・栄養学・鍼灸医学の観点から、それぞれの解釈や対処法を詳しくまとめて解説します。

症状と診断基準

◆ 一般的な症状 ( 共通 )

  • やる気が出ない ( 無気力 )
  • 倦怠感
  • 不眠・過眠
  • 食欲不振または過食
  • 不安感・焦燥感
  • イライラ・集中力低下
  • 頭痛・腹痛・吐き気などの身体症状
一般的な症状 ( 共通 )
やる気が出ない ( 無気力 )
倦怠感
不眠・過眠
食欲不振または過食
不安感・焦燥感
イライラ・集中力低下
頭痛・腹痛・吐き気などの身体症状

◆ 診断基準 ( 西洋医学 )

「五月病」という診断名は存在しませんが、以下の疾患が鑑別に挙げられます。

  • 適応障害 ( Adjustment Disorder )
  • 軽度うつ病 ( Mild Depressive Episode )
  • 自律神経失調症
  • 不安障害
診断基準 ( 西洋医学 )
適応障害 ( Adjustment Disorder )
軽度うつ病 ( Mild Depressive Episode )
自律神経失調症
不安障害

原因

◆ 西洋医学的観点

  • 環境変化によるストレス ( 新社会人・部署異動・入学など )
  • セロトニン・ドーパミン不足:脳内神経伝達物質の乱れ
  • 自律神経の不安定化:交感神経と副交感神経のバランス崩壊
環境変化によるストレス新社会人・部署異動・入学など
セロトニン・ドーパミン不足脳内神経伝達物質の乱れ
自律神経の不安定化交感神経と副交感神経のバランス崩壊

◆ 鍼灸医学的観点

  • 気滞 ( きたい ) 」:気の流れが滞り、情緒が不安定になる
  • 肝気鬱結 ( かんきうっけつ ) 」:春から初夏にかけて起こりやすい
  • 心脾両虚 ( しんぴりょうきょ ) 」:心と脾がともに弱っている状態
気滞 ( きたい )気の流れが滞り、情緒が不安定になる
肝気鬱結 ( かんきうっけつ )春から初夏にかけて起こりやすい
心脾両虚 ( しんぴりょうきょ )心と脾がともに弱っている状態

◆ 栄養学的観点

  • 栄養欠乏性ストレス:特にビタミンB群・鉄・マグネシウムの不足
  • 血糖値の不安定化:糖質過剰や高GI食品によるメンタル不安定化
  • カフェイン・アルコール過多による神経刺激
栄養欠乏性ストレス特にビタミンB群・鉄・マグネシウムの不足
血糖値の不安定化糖質過剰や高GI食品によるメンタル不安定化
カフェイン・アルコール過多カフェイン・アルコールの過剰摂取による神経刺激

どんな人がなりやすいか?

ケース例で解説

Aさん ( 新社会人、23歳・女性 )

  • 真面目で責任感が強い
  • 環境適応に時間がかかる
  • 朝食を抜きがち・パンとコーヒー中心の生活

➡適応障害+鉄欠乏+肝気鬱結の傾向が強い

Aさん ( 新社会人:23歳・女性 )
真面目で責任感が強い
環境適応に時間がかかる
朝食を抜きがち・パンとコーヒー中心の生活
適応障害+鉄欠乏+肝気鬱結の傾向が強い

Bさん ( 異動した中堅社員:35歳・男性 )

  • 上司と合わず、職場で孤立
  • 帰宅後の飲酒が習慣化
  • 最近便秘気味で睡眠の質も低下

軽度うつ+腸脳相関の乱れ+気滞血瘀の傾向が強い

Bさん ( 異動した中堅社員:35歳・男性 )
上司と合わず、職場で孤立
帰宅後の飲酒が習慣化
最近便秘気味で睡眠の質も低下
軽度うつ+腸脳相関の乱れ+気滞血瘀の傾向が強い

治療法

◆ 西洋医学的治療

  • 心理療法 ( 認知行動療法など )
  • 薬物療法 ( 抗うつ薬、抗不安薬 ) ※症状の重さによって
  • 十分な休息と生活リズムの再構築
治療:西洋医学的治療
心理療法 ( 認知行動療法など )
薬物療法 ( 抗うつ薬、抗不安薬 )
※症状の重さによって
十分な休息と生活リズムの再構築

◆ 鍼灸医学的治療

  • 肝の疏泄 ( そせつ ) 機能を高めるツボ刺激
    • 百会 ( ひゃくえ )
    • 太衝 ( たいしょう )
    • 内関 ( ないかん )
  • 心脾両虚タイプには:神門 ( しんもん ) 、脾兪 ( ひゆ )
  • 耳鍼 ( 自律神経安定 ) も有効
治療:鍼灸医学的治療使用するツボ
肝の疏泄 ( そせつ ) 機能を高めるツボ刺激百会 ( ひゃくえ )
太衝 ( たいしょう )
内関 ( ないかん )
心脾両虚タイプには神門 ( しんもん )
脾兪 ( ひゆ )
耳鍼 ( 自律神経安定 ) も有効

◆ 栄養学的治療

  • 鉄・亜鉛・マグネシウム補充
  • ビタミンB群 ( 特にB6・B12・葉酸 ) 強化
  • 腸内環境の改善 ( 発酵食品・プレバイオティクス )
  • 低GI食 ( 玄米・オートミール・豆類 ) 中心に切り替え
治療:栄養学的治療
鉄・亜鉛・マグネシウム補充
ビタミンB群 ( 特にB6・B12・葉酸 ) 強化
腸内環境の改善 ( 発酵食品・プレバイオティクス )
低GI食 ( 玄米・オートミール・豆類 ) 中心に切り替え

五月病の経過

  • 軽症の場合:適切な休養と生活改善で1〜2週間で回復
  • 放置すると:慢性化してうつ病や不安障害に移行する可能性
  • 再発しやすいタイプもあり:季節の変わり目ごとに要注意
軽症の場合適切な休養と生活改善で1〜2週間で回復
放置すると慢性化してうつ病や不安障害に移行する可能性
再発しやすいタイプもあり季節の変わり目ごとに要注意

ならないための対策・予防法

◆ 西洋医学+心理学的対策

  • 朝型生活へのシフト ( 起床・就寝の固定 )
  • スケジュールの可視化と調整
  • 定期的なカウンセリングやセルフモニタリング ( 日記など )
西洋医学+心理学的対策
朝型生活へのシフト ( 起床・就寝の固定 )
スケジュールの可視化と調整
定期的なカウンセリングやセルフモニタリング ( 日記など )

◆ 鍼灸医学的予防法

  • 春先の「肝」の養生がカギ
  • 朝の散歩やストレッチで「気」を巡らせる
  • 季節の食材 ( 酸味:梅・柑橘類 ) で肝を助ける
鍼灸医学的予防法
春先の「肝」の養生がカギ
朝の散歩やストレッチで「気」を巡らせる
季節の食材 ( 酸味:梅・柑橘類 ) で肝を助ける

◆ 栄養学的予防策

  • 脳神経安定栄養素 ( トリプトファン、オメガ3脂肪酸 ) の摂取
    • 例:納豆、豆腐、卵、青魚、アボカド、ナッツ類
  • 朝食にタンパク質+複合糖質 ( 例:味噌汁+玄米+卵 )
  • カフェイン・アルコールの適度な制限
栄養学的予防策
脳神経安定栄養素 ( トリプトファン、オメガ3脂肪酸 ) の摂取
例:納豆、豆腐、卵、青魚、アボカド、ナッツ類
朝食にタンパク質+複合糖質 ( 例:味噌汁+玄米+卵 )
カフェイン・アルコールの適度な制限

まとめ

観点原因主な対処法予防策
西洋医学ストレス・神経伝達物質の乱れ心理療法、薬物療法睡眠・生活リズム調整
鍼灸医学気滞・肝気鬱結・心脾両虚ツボ刺激・鍼灸・季節調整気の巡り、春の養生
栄養学ビタミン・ミネラル不足、血糖不安定食事改善、栄養補充腸内環境改善、低GI食

鍼灸医学的:体質分類とセルフチェック

東洋医学・鍼灸治療の現場からひと言

今回の「五月病って何?本当の原因とは?<7つの体質から読み解く心と体のケア>」いかがでしたか?

鍼灸医学的な体質を活かした健康管理のメリットは、以下のようになると思います。

  • 五月病のリスク軽減
  • 体質に合った食・生活・運動の選択
  • 未病 ( みびょう ) の予防 =「病気未満」を防ぐ

ただ、あくまでも一般論です。

【あなただけの!】、パーソナライズド医療が、鍼灸医学の神髄だと思います。

これは、チェック表だけでは判断が難しく、あなたの身体を対話して導き出す必要があります。

一つの目安として、今回のお話を参考にしていただければ幸いです。

最後に

お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。

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金井 進

金井 進

元気の羅針盤編集長。
ホリス治療院院長、はり師、灸師 ( 国家資格 )。

1994年よりホリス治療院開業。
鍼灸、カイロプラクティック、フィジカルセラピーを融合した独自の治療体系で日夜、患者さんと向き合っています。

30年以上にわたる鍼灸臨床のなかで培った知識と経験をもとに、あなたの困った問題を解決できるような確かな情報をお届けしたいと思っています。

あなたの喜びの声を聞くことほど、私達の仕事に「情熱」と「やりがい」を与えてくれるものはありません。
いいこと・悪いこと、どんなことでも結構です。
是非、あなたの声をお聞かせ下さい。

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