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【質問】EMSで本当に筋肉は鍛えられる?<EMSの効果とmTORを活性化する黄金トレーニング法>

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患者さまからの質問

筋肉を鍛えるマシーン。

低周波治療器みたいに、電気刺激で筋肉を動かす道具。

低周波とは別の、EMSというものらしい。

低周波治療器とEMS、何が違うの?

EMSで筋肉は鍛えられる?

つらく苦しい筋トレと、EMSの筋トレ、何が違う?

どんな方法でも、筋肉が動けば結果的に筋トレになる?

回答

質問ありがとうございます。

以下に、EMSと低周波治療器の違い、EMSによる筋トレの有効性、苦しい筋トレとの違いなどについて、西洋医学的・鍼灸医学的・栄養学的生理学的観点から詳しく解説します。

用語定義と基本原理

【低周波治療器】

  • 目的: 疼痛緩和、血行改善、筋緊張の緩和
  • 周波数: 通常1〜1000Hzの低周波
  • 作用: 皮膚表面や浅層筋を刺激 → 知覚神経をブロック ( ゲートコントロール説 )

【EMS ( Electrical Muscle Stimulation ) = 筋電気刺激装置】

  • 目的: 筋収縮の誘導による筋トレ、リハビリ
  • 周波数: 通常20〜100Hzの中〜高周波 ( 深部まで届く )
  • 作用: 運動神経を通じて筋肉を他動的に収縮させる

EMSと低周波治療器の違い ( 表 )

項目EMS低周波治療器
主目的筋トレ、筋力維持疼痛緩和、筋疲労軽減
刺激対象運動神経 → 筋肉知覚神経 → 痛みの緩和
周波数帯中〜高周波 ( 20〜100Hz ) 低周波 ( 1〜1000Hz )
筋収縮明確な筋収縮を伴う軽度のピクピクとした感覚
医療的使用筋萎縮防止、リハビリ腰痛、肩こり、神経痛など
スレンダートーン、医療用EMSピップエレキバン、低周波治療器

EMSで筋肉は鍛えられるか? ( 西洋医学 + 生理学的解釈 )

● 筋トレのメカニズム ( 自発的トレーニング )

  • 筋肉への過負荷 → 筋線維 ( 特に速筋線維Type II ) に微細損傷
  • 炎症反応 → 衛星細胞 ( 筋幹細胞 ) が活性化
  • 筋タンパク合成 ( mTOR経路 ) ↑ → 筋肥大

● EMSのメカニズム

  • 電気刺激 → 神経を介さず強制的に筋肉を動かす ( 他動的 )
  • Type II線維優位に刺激されるため、筋肥大には有利
  • 特に**不活動状態 ( 例:寝たきり、ケガ、脳梗塞後 ) **で有用

● 限界

  • **エネルギー供給 ( ATP合成 ) や酸素運搬能 ( 毛細血管・ミトコンドリアの増加 ) **は自発運動に劣る
  • 動作の協調性・姿勢制御などの中枢神経系トレーニングにはならない

EMSと「つらい筋トレ」の違い

観点EMS筋トレ自発的筋トレ ( ダンベルなど )
意識不要 ( 受動的 ) 必要 ( 能動的 )
神経系の学習×
エネルギー消費
ホルモン反応
( 例:成長ホルモン )
低い傾向高い
( 負荷・ストレス反応が大)
筋肥大一部可能 ( Type II ) 全面的に可能
リハビリ患者、時間がない人スポーツ選手、一般トレーナー

筋肉が動けば筋トレになるのか?

部分的には「Yes」、しかし以下の点に注意。

● 「筋トレ」には以下の条件が必要

  • 適度な負荷 ( 刺激 )
  • ATP産生筋損傷→回復サイクル
  • 回復のための栄養・睡眠
  • 中枢神経系との協調 ( 運動学習 )

したがって、EMSだけでは**「トレーニングの要素の一部にすぎない」**と考えられます。

鍼灸医学的な視点

● EMS ≒「筋肉刺激型の瀉法」と考えることもできる

  • 鍼灸では経筋 ( けいきん ) ・筋膜へのアプローチで、気血の滞りを解消
  • EMSのように「動かす」ことも**邪気の排出 ( 瀉法 ) **と見なせる
  • 脳卒中後の麻痺気虚による筋力低下では、EMSが気血の活性化に寄与する

▶例:中風 ( 脳卒中後 ) に対し

  • EMSによる筋刺激 = 任脈・督脈の補助
  • 鍼灸 + EMS併用療法は臨床研究でも効果報告あり

栄養学的視点 ( 筋肥大・回復を支える )

EMSでも筋損傷は起こるため、以下の栄養素が重要。

栄養素役割
タンパク質
( ロイシン、BCAA )
筋合成促進、mTOR経路活性化
ビタミンD筋収縮・骨格筋維持に関与
クレアチン短時間高強度の筋収縮サポート
オメガ3脂肪酸炎症抑制、筋合成促進
抗酸化物質
( ビタミンC,E )
筋損傷の修復促進

症状・診断・治療・予後 ( EMS適応例 )

状態EMSの適応例備考
廃用性筋萎縮長期入院、ギプス固定後
脳梗塞後の麻痺自発運動が困難なケースに有効
パーキンソン病動作開始の補助として研究段階
健常人の筋トレ補助的 ( 週2 – 3回の使用が限界 )

予防法と生活習慣アドバイス ( EMS併用を前提 )

● EMS使用時の注意点

  • 水分補給 ( 筋収縮に電解質が関与 )
  • 刺激部位の清潔保持 ( 湿疹・接触性皮膚炎予防 )
  • 低栄養・サルコペニアの人は必ず栄養補給併用

まとめ ( Q & A風 )

QA
EMSと低周波治療器、何が違う?EMSは筋肉を鍛える目的。
低周波は痛み緩和が主目的。
EMSで筋肉は鍛えられる?ある程度は可能。
特にType II筋線維に効く。
EMSと苦しい筋トレ、何が違う?自発性、代謝促進、中枢神経系活性化の面で苦しい筋トレが有利。
動けば筋トレ?筋収縮 + 栄養 + 回復 + 神経学習が揃って初めて「本物の筋トレ」と言える。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

今までの話の補足として、筋トレ・EMSを理解するために欠かせない「筋線維タイプ」と「mTOR経路」を、生理学のレンズを通して覗いてみよう。

ちょっとディープだけど、噛み砕いて説明します。

筋線維タイプ:Type I と Type II

筋肉は、車でいえば「エコカー」と「スポーツカー」に分かれます。

エコカー ( 長持ち型 ) が Type I ( 遅筋 ) 、スポーツカー ( 瞬発型 ) が Type II ( 速筋 ) です。

mTOR経路:筋肥大の“司令塔”

mTOR ( mechanistic Target Of Rapamycin ) 」は、筋肉のボス的存在。

筋トレで筋繊維が損傷すると、「もっと強くしろ!」という命令が出ます。

その命令を翻訳して、筋タンパク質合成をスイッチオンするのがmTORです。

EMS + 栄養 + 軽トレ:黄金セット

ということで「EMS + 栄養 + 軽トレ」の黄金セットを、筋線維タイプ別に最適化して作ってみましょう。

これは「筋肥大」「筋力維持」「回復促進」の3つのゴールを同時に狙える設計です。

東洋医学・鍼灸治療の現場からひと言

今回の「EMSで本当に筋肉は鍛えられる?<EMSの効果とmTORを活性化する黄金トレーニング法>」は、いかがでしたか?

**不活動状態 ( 例:寝たきり、ケガ、脳梗塞後 ) **などの方には、EMSという選択もあるかもしれません、

しかし、文中の限界項目でも書きましたが、

  • **エネルギー供給 ( ATP合成 ) や酸素運搬能 ( 毛細血管・ミトコンドリアの増加 ) **は自発運動に劣る
  • 動作の協調性・姿勢制御などの中枢神経系トレーニングにはならない

という私たちの健康生活には欠かせない要素が培われませんので、私個人としては、あまり推奨しておりません。

これからも様々な健康機器が登場すると思いますが、ご自身の状況や目的に合わせて賢く使いたいですね。

最後までお読みいただきありがとうございます。

最後に

お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。

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金井 進

金井 進

元気の羅針盤編集長。
ホリス治療院院長、はり師、灸師 ( 国家資格 )。

1994年よりホリス治療院開業。
鍼灸、カイロプラクティック、フィジカルセラピーを融合した独自の治療体系で日夜、患者さんと向き合っています。

30年以上にわたる鍼灸臨床のなかで培った知識と経験をもとに、あなたの困った問題を解決できるような確かな情報をお届けしたいと思っています。

あなたの喜びの声を聞くことほど、私達の仕事に「情熱」と「やりがい」を与えてくれるものはありません。
いいこと・悪いこと、どんなことでも結構です。
是非、あなたの声をお聞かせ下さい。

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