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[脊髄梗塞] 脊髄梗塞の原因である血栓 ( けっせん ) や塞栓 ( そくせん ) とは

 2025/03/10 特集と症状・病気 症状・病気
この記事は約 5 分で読めます。

血栓 ( けっせん ) や塞栓 ( そくせん ) は、血管内で血液が固まり、血流を阻害する状態です。

これらの状態が、脳・心臓・肺・その他の臓器に深刻な影響を及ぼすことがあります。

以下に、それぞれの症状・原因・機序・治療法・予後について詳しく説明します。

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血栓 ( Thrombosis )

血栓が形成される場所によって症状は異なります。

症状

  1. 深部静脈血栓症 ( DVT )
    • 下肢の腫れ、痛み、発赤、熱感。
    • ふくらはぎや大腿部に特に痛みが集中することがあります。
  2. 冠動脈血栓
    • 胸痛 ( 狭心症や心筋梗塞の症状 ) 。
    • 呼吸困難、発汗、吐き気、心臓発作の症状。
  3. 脳血栓
    • 一側の顔や手足の麻痺。
    • 言語障害、視覚障害、突然の激しい頭痛。
    • 意識混濁、めまい。

原因

  • 動脈硬化:血管壁に脂肪性のプラークが蓄積し、血管が狭くなります。
  • 長時間の安静や不動:手術後や長距離旅行での不動状態。
  • 遺伝的要因:血液が固まりやすい体質 ( 例:ファクターVライデン変異 ) 。
  • 生活習慣:喫煙、肥満、運動不足。
  • 病状:がん、心臓病、糖尿病。

機序

血液の成分である血小板やフィブリンが凝集して固まり、血管内に血栓が形成されます。

動脈血栓は通常、高速で流れる血液の中でプラークが破裂した後に形成され、静脈血栓は血流が遅くなる部位で形成されやすいです。

治療法

  • 抗凝固薬:ワルファリン、ヘパリンなどを使用し、血液の凝固を防ぎます。
  • 血栓溶解療法:血栓を溶かすためにt-PA ) 組織プラスミノーゲンアクチベーター ) などの薬剤を使用します。
  • カテーテル治療:血管内にカテーテルを挿入し、血栓を物理的に取り除きます。
  • 圧迫療法:弾性ストッキングを使用して静脈の血流を改善します。

予後

早期の診断と治療が行われれば、良好な予後が期待できます。

しかし、血栓が大きな臓器に影響を及ぼすと、長期的な後遺症や生命にかかわることがあります。

例えば、心筋梗塞や脳梗塞の場合、早期治療がなければ致命的になる可能性があります。

塞栓 ( Embolism )

症状

塞栓の症状は、どの臓器に塞栓が発生するかによります。

  1. 肺塞栓症
    • 突然の息切れ、胸痛、咳、血痰。
    • 急激な呼吸困難や失神。
  2. 脳塞栓症
    • 突然の麻痺、言語障害、視覚障害、意識障害。
    • 一側の手足の筋力低下やしびれ。
  3. 末梢動脈塞栓症
    • 手足の急激な痛み、しびれ、青白くなる、脈が触れない。

原因

  • 心臓の不整脈:心房細動による血栓が原因となることが多いです。
  • 深部静脈血栓:足の静脈でできた血栓が血流に乗って肺などに運ばれる。
  • 脂肪塞栓:骨折や手術後に脂肪が血流に乗る。
  • 空気塞栓:手術や外傷で空気が血流に入る。

機序

塞栓は血流に乗って移動し、狭い血管に詰まります。

このため、血液供給が遮断される部位に応じて、様々な臓器や組織に急性の虚血 ( 血流不足 ) を引き起こします。

治療法

  • 抗凝固薬:血液の凝固を防ぐために使用されます。
  • 血栓溶解療法:塞栓を溶かすために使用します。
  • 外科手術:場合によっては、物理的に塞栓を除去するための手術が必要です。
  • 支持療法:酸素療法や静脈内投与などで臓器機能をサポートします。

予後

塞栓の予後は、塞栓が発生した臓器や治療の迅速さによって大きく異なります。

例えば、肺塞栓症では早期治療が行われれば回復が期待できますが、治療が遅れると致命的になる可能性があります。

具体例

事例1:65歳の女性

65歳の女性が、長時間の飛行機旅行後に、片脚のふくらはぎに痛みと腫れを感じました。

病院での検査により深部静脈血栓症 ( DVT ) と診断されました。

ヘパリンを投与され、弾性ストッキングを使用して血流を改善しました。

その後、ワルファリンによる抗凝固療法が継続され、症状は改善しました。

例 ) 65歳の女性
長時間の飛行機旅行後に、片脚のふくらはぎに痛みと腫れを感じる。
病院での検査により深部静脈血栓症 ( DVT ) と診断される。
ヘパリンを投与され、弾性ストッキングを使用して血流を改善。
その後、ワルファリンによる抗凝固療法が継続され、症状は改善。

事例2:72歳の男性

72歳の男性が、突然の胸痛と息切れを訴え、救急車で搬送されました。

CTスキャンにより、肺塞栓症が確認されました。

緊急でt-PAが投与され、血栓が溶解されました。

入院中はヘパリンによる抗凝固療法が行われ、リハビリテーションを経て退院しましたが、長期的な抗凝固療法が必要となりました。

例 ) 72歳の男性
突然の胸痛と息切れを訴え、救急車で搬送。
CTスキャンにより、肺塞栓症が確認される。
緊急でt-PAが投与され、血栓が溶解。
入院中はヘパリンによる抗凝固療法が行われ、リハビリテーションを経て退院。
長期的な抗凝固療法が必要。

まとめ

血栓や塞栓は、迅速な診断と治療が重要であり、予防策としては定期的な運動、健康的な生活習慣の維持、必要に応じた抗凝固薬の使用が推奨されます。

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最後に

お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。

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金井 進

金井 進

元気の羅針盤編集長。
ホリス治療院院長、はり師、灸師 ( 国家資格 )。

1994年よりホリス治療院開業。
鍼灸、カイロプラクティック、フィジカルセラピーを融合した独自の治療体系で日夜、患者さんと向き合っています。

30年以上にわたる鍼灸臨床のなかで培った知識と経験をもとに、あなたの困った問題を解決できるような確かな情報をお届けしたいと思っています。

あなたの喜びの声を聞くことほど、私達の仕事に「情熱」と「やりがい」を与えてくれるものはありません。
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