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【質問】ペットボトル症候群・メタボ・フレイル<知らないと危ない!社会と体をむしばむ現代病の真実>

 2025/06/04 ライフスタイル ライフスタイルと健康 患者さまからの質問 特集と東洋医学
この記事は約 7 分で読めます。
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患者さまからの質問

【“がぶ飲み”要注意!「ペットボトル症候群」重症化で意識を失うケースも】

と言う記事を読みました。

詳しく教えてください。

回答

ペットボトル症候群」、懐かしい名前です。

文部省 ( 現文部科学省 ) が、「不登校」と言う用語を正式に使用し始めた1990年代頃、私は高校生でした。

高校生の頃に、不登校のグループワークにボランティアで参加する機会があり、そこで、不登校の子供たちがペットボトルをいつも手にしているのを不思議に思って先生に尋ねて、ペットボトル症候群と言う言葉を耳にしました。

その後、鍼灸の道に進み、ペットボトル症候群や砂糖中毒などを知ることになり、最近また砂糖の害が注目されてきていますし、とても大切なことなので解説していきますね。

ペットボトル症候群とは ( 定義 )

「ペットボトル症候群」は、清涼飲料水 ( 特に糖分の多いもの ) を過剰に摂取することにより急性高血糖状態を引き起こす症候群で、**「清涼飲料水ケトーシス」や「ソフトドリンクケトアシドーシス」**とも呼ばれます。

特に若年者の2型糖尿病患者糖尿病予備軍に多く見られます。

ペットボトル症候群は、糖尿病だけでなく、メタボ・フレイルもリスクを増やします。

私たちの生活の質 ( QOL ) という観点では、むしろメタボ・フレイルの方が直接的に影響しますので、詳しく解説していきます。

※一般的な医療の場で、明確な基準のある症候群名というよりも、概念に近い症候群で使われていると思います。

西洋医学的解釈

◉ 発症メカニズム ( 分子生物学的観点を含む )

  1. 過剰な糖質摂取 ( 特に果糖・ブドウ糖 ) → 消化吸収により血糖が急上昇
  2. インスリン抵抗性 or 相対的インスリン不足 → 細胞内に糖が取り込まれず、高血糖持続
  3. 脂肪分解の促進 ( リポリシス ) → ケトン体 ( アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸 ) 生成増加
  4. 代謝性アシドーシス ( ケトアシドーシス ) 発症 → 意識障害や昏睡に進展する危険あり
過剰な糖質摂取 ( 特に果糖・ブドウ糖 )消化吸収により血糖が急上昇
インスリン抵抗性 or 相対的インスリン不足胞内に糖が取り込まれず、高血糖持続
脂肪分解の促進 ( リポリシス )ケトン体 ( アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸 ) 生成増加
代謝性アシドーシス ( ケトアシドーシス ) 発症意識障害や昏睡に進展する危険あり

症状

軽度重度
口渇・多飲意識障害
頻尿・倦怠感吐き気・腹痛
食欲低下呼気のアセトン臭
体重減少ケトアシドーシスによる呼吸促進 ( Kussmaul呼吸 )

西洋医学的指標

◉ 血液検査による主な指標

  • 高血糖 ( 血糖値:300mg/dL以上が多い )
  • 酸塩基平衡異常 ( pH低下、HCO₃⁻低下 )
  • ケトン体の増加 ( 血中/尿中 )
  • 脱水症状の徴候 ( 電解質異常、血清浸透圧↑ )
血液検査による主な指標
高血糖 ( 血糖値:300mg/dL以上が多い )
酸塩基平衡異常 ( pH低下、HCO₃⁻低下 )
ケトン体の増加 ( 血中/尿中 )
脱水症状の徴候 ( 電解質異常、血清浸透圧↑ )

治療法

1. 急性期 ( 入院 ) 治療

  • 輸液療法:生理食塩水 → 糖・電解質補正
  • インスリン投与:高血糖とケトン体抑制
  • アシドーシス補正:重曹などの投与 ( 重症例 )
治療法急性期 ( 入院 ) 治療
輸液療法:生理食塩水 → 糖・電解質補正
インスリン投与:高血糖とケトン体抑制
アシドーシス補正:重曹などの投与 ( 重症例 )

2. 慢性期管理

  • 栄養指導 ( 糖質制限 )
  • 血糖自己管理
  • インスリンまたは経口血糖降下薬使用 ( 必要に応じて )
治療法慢性期管理
栄養指導 ( 糖質制限 )
血糖自己管理
インスリンまたは経口血糖降下薬使用
( 必要に応じて )

鍼灸医学的解釈

◉ 弁証 ( 東洋医学的診断 )

  • 「脾虚湿盛」「胃熱」「陰虚内熱」など
    • 脾虚:消化機能低下で糖代謝不全
    • 胃熱:甘味の過食により熱邪が胃に停滞
    • 陰虚:体液不足による内熱の亢進
鍼灸医学的解釈弁証 ( 東洋医学的診断 )
「脾虚湿盛」
「胃熱」
「陰虚内熱」など
脾虚:消化機能低下で糖代謝不全
胃熱:甘味の過食により熱邪が胃に停滞
陰虚:体液不足による内熱の亢進

◉ 鍼灸治療例

  • 足三里 ( 脾胃強化 )
  • 内関 ( 胃熱除去 )
  • 三陰交 ( 陰虚改善 )
  • 太白 ( 脾の要穴 )
  • 中脘 ( 胃腸の調整 )
鍼灸治療例
足三里 ( 脾胃強化 )
内関 ( 胃熱除去 )
三陰交 ( 陰虚改善 )
太白 ( 脾の要穴 )
中脘 ( 胃腸の調整 )
目的:糖代謝を補助し、内熱を冷まし、体液の生成を促す

目的:糖代謝を補助し、内熱を冷まし、体液の生成を促す。

栄養学的解釈

◉ 問題点

  • 清涼飲料に含まれる**果糖ブドウ糖液糖 ( HFCS ) **はインスリン非依存で代謝され、肝臓での脂肪生成を促進 → 脂肪肝・インスリン抵抗性を助長。
栄養学的解釈:問題点
清涼飲料に含まれる**果糖ブドウ糖液糖 ( HFCS ) **はインスリン非依存で代謝され、肝臓での脂肪生成を促進

脂肪肝・インスリン抵抗性を助長

◉ 食事指導の要点

  • 甘味飲料の制限・禁止
  • 水分は水またはノンカロリードリンクを選択
  • 低GI食の推奨 ( 例:玄米、全粒粉、豆類 )
  • 良質な脂質とタンパク質の適切摂取
事指導の要点
甘味飲料の制限・禁止
水分は水またはノンカロリードリンクを選択
低GI食の推奨 ( 例:玄米、全粒粉、豆類 )
良質な脂質とタンパク質の適切摂取

予後

状態説明
急性期適切に処置すれば回復可
放置すると昏睡・死に至る
慢性管理糖尿病型に移行する可能性
生活習慣の見直しが必要

予防法

  1. 清涼飲料水の常飲をやめる
  2. 喉が渇いたら「水」で補給
  3. 血糖コントロール意識の啓発
  4. 日常的な運動習慣と食生活の見直し
  5. ペットボトル飲料の代わりに自家製の麦茶やルイボスティーなどを活用
予防法
清涼飲料水の常飲をやめる
喉が渇いたら「水」で補給
血糖コントロール意識の啓発
日常的な運動習慣と食生活の見直し
ペットボトル飲料の代わりに
自家製の麦茶やルイボスティーなどを活用

ペットボトル症候群が引き起こすメタボ・フレイルを詳細解説

まとめ

項目メタボフレイル
主な時期中年期高齢期
原因生活習慣・過栄養加齢・低栄養・活動低下
影響生活習慣病・動脈硬化要介護・転倒・死亡リスク
対策運動・食事・健診多職種介入・筋トレ・社会参加

東洋医学・鍼灸医学の現場からひと言

今回の「ペットボトル症候群・メタボ・フレイル<知らないと危ない!社会と体をむしばむ現代病の真実>」は、いかがだったでしょうか?

最近は、甘い清涼飲料水だけではなく、お茶等々の無加糖のペット飲料や水筒を持ち運び、常に水分補給をしている傾向が見受けられます。

1時間の治療中にも水分補給をするお子様がいらっしゃるのですが、10年以上前では考えられなかったです。

特に夏場は熱中症対策で水分補給は、大切なのですが、汗の量と関係なく、常に水分補給をしているのはどうかと思う今日この頃です。

水分であっても摂取するということは、その代謝に負担がかかることですから、休めることも大切で、メリハリある飲食習慣を考えてみるのもいいかもです。

最後に

お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。

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金井 進

金井 進

元気の羅針盤編集長。
ホリス治療院院長、はり師、灸師 ( 国家資格 )。

1994年よりホリス治療院開業。
鍼灸、カイロプラクティック、フィジカルセラピーを融合した独自の治療体系で日夜、患者さんと向き合っています。

30年以上にわたる鍼灸臨床のなかで培った知識と経験をもとに、あなたの困った問題を解決できるような確かな情報をお届けしたいと思っています。

あなたの喜びの声を聞くことほど、私達の仕事に「情熱」と「やりがい」を与えてくれるものはありません。
いいこと・悪いこと、どんなことでも結構です。
是非、あなたの声をお聞かせ下さい。

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