【質問】帯状疱疹が顔・目に出た時の危険性と失明予防!<症状別の緊急対応ガイド>


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患者さまからの質問
「北斗晶さん58歳、帯状疱疹で目がボクサーのように。意外すぎた初期症状:頭→眉毛・目→体が熱いと思ってたら……」という記事を読みました。
帯状疱疹ってどんな病気ですか?
身体のどこに、どんな症状が出ますか?
どんな人がなりやすいですか?
完治しますか?
治療・対策・予防法は?
回答
ご質問ありがとうございます。
北斗晶さんのニュースから**帯状疱疹 ( たいじょうほうしん ) **を 掘り下げていきましょう。
西洋医学・鍼灸医学・栄養学の3つの視点に、生理学的メカニズムを加えて詳しく解説します。
また、症状・診断基準・治療法・予後・予防法まで整理していきます。
帯状疱疹とは ( 西洋医学的定義 )
- 原因 小児期にかかる水痘 ( 水ぼうそう ) の原因ウイルス「水痘・帯状疱疹ウイルス ( VZV ) 」が、治癒後も神経節 ( 脊髄後根神経節や三叉神経節 ) に潜伏し、 免疫力が低下したときに再活性化して神経に沿って皮膚に炎症と水疱を作る病気です。
- 特徴的ポイント
- 左右どちらか片側だけに出る ( 神経支配領域に沿うため )
- 痛み+水疱が同時に出る
- 感覚神経に沿って帯状に分布する
主な症状と発症部位
症状の進行
- 前駆期 ( 1〜3日 )
- 発疹が出る前からピリピリ・チクチクする痛み、軽い発熱、倦怠感
- 頭部や顔面では目・耳の違和感が初期に出ることも ( 北斗晶さんは眉毛・眼周囲 )
- 急性期 ( 1〜2週間 )
- 赤い斑点 → 小さな水疱が集まり → 膿をもつ → かさぶた化
- 強い神経痛 ( 夜間や接触で悪化 )
- 回復期 ( 2〜4週間 )
- 皮疹は治っても痛みが残ることあり ( 帯状疱疹後神経痛:PHN )
出やすい部位
- 胸部・背部 ( 最も多い )
- 顔面 ( 三叉神経領域:額・目・頬 )
- 頸部、腰部
- まれに耳 ( ラムゼイ・ハント症候群:顔面神経麻痺 + 耳周囲の発疹 )
どんな人がなりやすい?
- 50歳以上 ( 免疫記憶細胞が減少 )
- 強いストレス、睡眠不足
- 糖尿病、がん、自己免疫疾患、免疫抑制薬使用者
- 栄養不良 ( 特にタンパク質・ビタミン欠乏 )
生理学的背景
- 加齢やストレスで細胞性免疫 ( T細胞・NK細胞 ) が低下すると、潜伏していたVZVが神経節内で再複製を開始。
- そのウイルス粒子が軸索輸送で皮膚へ移動し、局所炎症と水疱を形成。
- 炎症で**サイトカイン ( IL-6、TNF-α ) **が増加 → 神経の興奮性が上がり痛みが増幅。
診断基準 ( 日本皮膚科学会 )
- 主要所見
- 皮疹が単一神経支配領域に限局し、左右どちらか一方
- 発疹は紅斑 → 水疱 → 膿疱 → 痂皮の順
- 発疹部位に一致した自発痛・触痛
- 補助所見
- VZV DNAのPCR検出
- 水疱液からウイルス分離
- 抗体価上昇 ( ペア血清 )
治療法
西洋医学的
- 抗ウイルス薬 ( 発疹出現72時間以内が重要 )
- アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル
- ウイルス増殖を抑え症状期間と後遺症を減らす
- 鎮痛薬
- NSAIDs、アセトアミノフェン
- 神経痛にはプレガバリンやデュロキセチン
- 外用薬
- 水疱部の二次感染防止
- 重症例
- 入院 + 点滴抗ウイルス療法
鍼灸医学的
- 東洋医学では「疱疹」は風・熱・湿毒が経絡に侵入し、肝経・胆経や三焦経に沿って症状を出すと考える
- 治法:清熱解毒、疏風止痛
- 主な経穴例
- 阿是穴 ( 患部周囲 )
- 合谷、曲池 ( 清熱 )
- 太衝 ( 肝経の疏泄調整 )
- 外関、陽陵泉 ( 経絡の通りを良くする )
- 目的:痛みの軽減、免疫調整、皮疹の回復促進
栄養学的
- 免疫細胞の機能維持にはタンパク質+必須アミノ酸
- 抗ウイルス・抗酸化栄養素:
- ビタミンC ( 好中球機能強化 )
- ビタミンB群 ( 特にB1, B6, B12:神経修復 )
- 亜鉛 ( DNA修復、免疫応答 )
- オメガ3脂肪酸 ( 炎症抑制 )
- 高糖質・高脂肪食は炎症性サイトカイン増加 → 悪化要因
予後
- 多くは2〜4週間で皮疹治癒
- しかし15〜20%は**帯状疱疹後神経痛 ( PHN ) **が数カ月〜数年続く
- 眼や耳に出た場合は失明・聴力障害のリスクあり
予防法
- ワクチン
- 弱毒生ワクチン ( 50歳以上推奨 )
- サブユニットワクチン ( シングリックス®:より高い予防効果 )
- 生活習慣
- 睡眠7時間以上、ストレスマネジメント
- 適度な運動 ( NK細胞活性上昇 )
- 栄養管理
- 高タンパク・抗酸化食品
- 発症早期受診
- 発疹・痛みが出たら72時間以内に医療機関へ
以上をふまえて、北斗晶さんのケースのように、帯状疱疹が顔や目 ( 眼周囲 ) に出た場合は、体幹部の発症よりも失明や重い後遺症のリスクが高いため、早期に正しく対応することが非常に重要です。
顔・眼部帯状疱疹の危険性
東洋医学・鍼灸治療の現場からひと言
今回の「帯状疱疹が顔・目に出た時の危険性と失明予防!<症状別の緊急対応ガイド>」は、いかがでしたか?
帯状疱疹は、体力が低下したときに発症しますので、普段から体調管理が大切です。
ですから、帯状疱疹の西洋医学的な治療も大切ですが、やはり、身体を整える治療も並行して行うことが大切だと考えています。
最後までお読みいただきありがとうございます。
最後に
お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。
