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倦怠感と腎虚症・脾虚症の関係性について

特集と東洋医学 症状・病気
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腎虚症とは

東洋医学における腎虚症 ( じんきょしょう ) は「腎」の機能が低下し、体のエネルギーバランスが崩れている状態を指します。

腎は生命力の源とされ、エネルギーの貯蔵、成長や発育、生殖機能、老化過程などに深く関わっています。

腎虚症は、腎の「気」「精」「陰」「陽」の不足によって引き起こされるとされ、症状の現れ方も多岐にわたります。

腎虚症の種類と症状

腎虚症は主に以下のように分類され、それぞれ異なる症状を呈します。

腎陽虚 ( じんようきょ )
症状冷え性、疲労感、腰痛、膝の痛み、下半身のむくみ、性機能低下
特徴体を温める力が不足し、冷えが強くなる
腎陰虚 ( じんいんきょ )
症状口の渇き、ほてり、夜間の発汗、耳鳴り、不眠、骨の痛み
特徴体を冷やす力が不足し、熱感や乾燥感が強くなる
腎気虚 ( じんききょ )
症状疲労感、倦怠感、息切れ、頻尿、尿漏れ、早漏
特徴体のエネルギーが不足し、全体的な活力が低下する
  1. 腎陽虚 ( じんようきょ )
    • 症状:冷え性、疲労感、腰痛、膝の痛み、下半身のむくみ、性機能低下
    • 特徴:体を温める力が不足し、冷えが強くなる
  2. 腎陰虚 ( じんいんきょ )
    • 症状:口の渇き、ほてり、夜間の発汗、耳鳴り、不眠、骨の痛み
    • 特徴:体を冷やす力が不足し、熱感や乾燥感が強くなる
  3. 腎気虚 ( じんききょ )
    • 症状:疲労感、倦怠感、息切れ、頻尿、尿漏れ、早漏
    • 特徴:体のエネルギーが不足し、全体的な活力が低下する

鍼灸治療によるアプローチ

鍼灸治療は、特定のツボ ( 経穴 ) に鍼や灸を施すことで、体の気血の流れを改善し、腎の機能を高めることを目指します。

以下に具体的な治療例を示します。

具体的な治療例:腎陽虚の場合

患者の背景

腎陽虚:患者の背景
50歳の男性最近仕事のストレスが多く、常に疲れている。
特に腰や膝が冷えると痛みが強い。
性欲も減退している。

50歳の男性、最近仕事のストレスが多く、常に疲れている。

特に腰や膝が冷えると痛みが強く、性欲も減退している。

主な症状

腎陽虚:主な症状
50歳の男性冷え性
慢性的な疲労感
腰痛
膝の痛み
性機能低下
  • 冷え性
  • 慢性的な疲労感
  • 腰痛
  • 膝の痛み
  • 性機能低下

治療方針

腎陽虚:治療方針
50歳の男性腎陽を補い、体を温める力を高める。

腎陽を補い、体を温める力を高める。

使用する経穴

腎陽虚:使用する経穴
腎兪 ( じんゆ )腰部に位置し、腎の機能を強化する。
命門 ( めいもん )腰の中央に位置し、生命力を高める。
足三里 ( あしさんり )膝の下に位置し、全身のエネルギーを増強する。
太渓 ( たいけい )足首内側に位置し、腎のエネルギーを補う。
関元 ( かんげん )下腹部に位置し、腎の気を補い温める。
  1. 腎兪 ( じんゆ ) : 腰部に位置し、腎の機能を強化する。
  2. 命門 ( めいもん ) : 腰の中央に位置し、生命力を高める。
  3. 足三里 ( あしさんり ) : 膝の下に位置し、全身のエネルギーを増強する。
  4. 太渓 ( たいけい ) : 足首内側に位置し、腎のエネルギーを補う。
  5. 関元 ( かんげん ) : 下腹部に位置し、腎の気を補い温める。

治療の流れ

腎陽虚:治療の流れ
診断脈診、舌診、問診によって腎陽虚と診断。
鍼治療上記の経穴に鍼を刺し、15〜20分間放置。
灸治療腎兪や命門に灸を施し、温熱効果で腎陽を補強。
生活指導温かい食事や適度な運動、ストレス管理のアドバイスを行う。
  1. 診断:脈診、舌診、問診によって腎陽虚と診断。
  2. 鍼治療:上記の経穴に鍼を刺し、15〜20分間放置。
  3. 灸治療:腎兪や命門に灸を施し、温熱効果で腎陽を補強。
  4. 生活指導:温かい食事や適度な運動、ストレス管理のアドバイスを行う。

治療効果

腎陽虚:治療効果
50歳の男性数回の治療後、患者は冷え性が改善され、腰痛や膝の痛みが軽減。
全体的な疲労感も軽くなり、性機能も回復傾向に。

数回の治療後、患者は冷え性が改善され、腰痛や膝の痛みが軽減。

全体的な疲労感も軽くなり、性機能も回復傾向に。

腎虚症のまとめ

腎虚症は東洋医学でよく見られる状態であり、適切な鍼灸治療によって改善が期待できます。

腎陽虚や腎陰虚など、具体的な症状に応じた経穴を選び、継続的な治療と生活習慣の改善を組み合わせることで、患者の健康状態を向上させることができます。

脾虚症とは

東洋医学における脾虚症の定義と特徴

脾虚 ( ひきょ ) は、東洋医学における概念で、脾 ( ひ ) の機能が低下している状態を指します。

脾は、食物から得られる栄養を吸収し、エネルギー ( 気 ) を生成し、全身に供給する役割を担っています。

また、血を統制し、体内の水分バランスを維持する機能もあります。

脾虚になると、これらの機能が低下し、さまざまな症状が現れます。

脾虚の特徴

脾虚の主な症状は以下の通りです。

脾虚の特徴
消化不良食欲不振、腹部膨満感、便秘または下痢。
疲労感全身の倦怠感、疲れやすさ。
顔色不良顔色が黄色っぽい、くすんでいる。
体の冷え特に四肢の冷え。
浮腫 ( むくみ )特に顔や脚がむくむ。
出血傾向歯茎からの出血、鼻血など。
気虚症状息切れ、動悸、声が小さい。
  1. 消化不良:食欲不振、腹部膨満感、便秘または下痢。
  2. 疲労感:全身の倦怠感、疲れやすさ。
  3. 顔色不良:顔色が黄色っぽい、くすんでいる。
  4. 体の冷え:特に四肢の冷え。
  5. 浮腫 ( むくみ ):特に顔や脚がむくむ。
  6. 出血傾向:歯茎からの出血、鼻血など。
  7. 気虚症状:息切れ、動悸、声が小さい。

具体的な例

以下に、脾虚の具体的なケースをいくつか挙げます。

例1:脾虚による消化不良

脾虚による消化不良:30代の女性
主訴食欲不振と腹部膨満感。
症状ここ数ヶ月、食欲がなく、食後に腹部が膨らむ感じがする。
便が軟便または下痢気味である。
治療鍼灸治療によって脾の機能を強化する。
特に「足三里」「中脘」「脾兪」などのツボを用いて、消化機能を改善する。

患者:30代の女性

主訴:食欲不振と腹部膨満感。

症状:ここ数ヶ月、食欲がなく、食後に腹部が膨らむ感じがする。便が軟便または下痢気味である。

治療:鍼灸治療によって脾の機能を強化する。特に「足三里」「中脘」「脾兪」などのツボを用いて、消化機能を改善する。

例2:脾虚による疲労感と浮腫

脾虚による疲労感と浮腫:50代の男性
主訴全身の倦怠感と足のむくみ。
症状最近、非常に疲れやすく、特に夕方になると足がむくむ。
顔色もくすんでおり、寒気を感じることが多い。
治療鍼灸治療によってエネルギー ( 気 ) を補充し、脾の機能を強化する。
特に「脾兪」「気海」「三陰交」などのツボを用いて、体の冷えとむくみを改善する。

患者:50代の男性

主訴:全身の倦怠感と足のむくみ。

症状:最近、非常に疲れやすく、特に夕方になると足がむくむ。顔色もくすんでおり、寒気を感じることが多い。

治療:鍼灸治療によってエネルギー ( 気 ) を補充し、脾の機能を強化する。特に「脾兪」「気海」「三陰交」などのツボを用いて、体の冷えとむくみを改善する。

鍼灸治療の具体的な方法

鍼灸治療は、脾虚症に対して以下のような方法で行われます。

鍼 ( はり )
鍼を用いて特定の経穴 ( ツボ ) を刺激し、脾のエネルギー ( 気 ) を補強し、機能を高める。
以下のツボがよく使われる。
足三里消化機能を改善し、全身のエネルギーを補充する。
中脘胃腸の調子を整える。
脾兪脾の機能を直接補強する。
三陰交脾、肝、腎の機能を総合的に改善する。
( きゅう )
お灸を使って特定のツボを温めることで、脾のエネルギーを補充し、体を温める効果がある。
特に冷えが強い場合には効果的。
足三里消化機能を強化し、全身のエネルギーを補充する。
関元体全体の気を高め、冷えを改善する。
漢方薬
鍼灸治療と併用して漢方薬を処方することがある。
例 ) 脾虚には「四君子湯」や「補中益気湯」などが使われることがある。
  1. :鍼を用いて特定の経穴 ( ツボ ) を刺激し、脾のエネルギー ( 気 ) を補強し、機能を高める。以下のツボがよく使われる。
    • 足三里:消化機能を改善し、全身のエネルギーを補充する。
    • 中脘:胃腸の調子を整える。
    • 脾兪:脾の機能を直接補強する。
    • 三陰交:脾、肝、腎の機能を総合的に改善する。
  2. :お灸を使って特定のツボを温めることで、脾のエネルギーを補充し、体を温める効果がある。特に冷えが強い場合には効果的。
    • 足三里:消化機能を強化し、全身のエネルギーを補充する。
    • 関元:体全体の気を高め、冷えを改善する。
  3. 漢方薬:鍼灸治療と併用して漢方薬を処方することがある。例えば、脾虚には「四君子湯」や「補中益気湯」などが使われることがある。

脾虚症のまとめ

脾虚症は、東洋医学における重要な概念で、消化機能の低下やエネルギー不足、体の冷えやむくみなど、さまざまな症状を引き起こします。

鍼灸治療は、脾の機能を強化し、エネルギーのバランスを整えるための有効な手段です。

患者の具体的な症状に応じて、適切な経穴を選び、鍼やお灸を用いて治療を行います。

また、必要に応じて漢方薬を併用することで、より効果的な治療を目指します。

最後に

お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。

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金井 進

金井 進

元気の羅針盤編集長。
ホリス治療院院長、はり師、灸師 ( 国家資格 )。

1994年よりホリス治療院開業。
鍼灸、カイロプラクティック、フィジカルセラピーを融合した独自の治療体系で日夜、患者さんと向き合っています。

30年以上にわたる鍼灸臨床のなかで培った知識と経験をもとに、あなたの困った問題を解決できるような確かな情報をお届けしたいと思っています。

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