【質問】慢性腰痛の原因“椎間板変性”を止める!<再教育×姿勢×栄養の統合がカギ!>


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患者さまからの質問
「腰椎椎間板症慢性腰痛」と診断された俳優さんの金子賢 ( 48 ) さんの記事を読みました。
記事の中に以下のことが書いてありました。
【加齢で一生治りません】
【骨と骨が今くっ付き始めてていくつか固まるそうです】
【腰は動きにくくなりますが痛みは無くなるそうです】
本当ですか?
やはり、一生我慢して付き合っていくしかないですか?
回答
「腰椎椎間板症による慢性腰痛が一生治らない」と言われた俳優さんの診断に関してですが、慢性腰痛の多くは“完治”ではなく“コントロール”が目標であり、一生痛みが続くとは限りません。
実際には、適切な治療・生活習慣・栄養管理・心身ケアにより、痛みの軽減や生活の質の改善は大いに可能です。
というのが、アカデミックな回答になると思いますが、鍼灸院を訪れる患者さまからも聞かれることが多い内容ですので、今回はアカデミックな回答だけでなく、私見を多く書いていきますね。
つまり、本音モードです。 ( 笑 )
では「腰椎椎間板症慢性腰痛は、加齢で痛みを一生付き合う」という考え方をみていきましょう。
腰椎椎間板症とは ( 西洋医学的解釈 )
定義
椎間板 ( 背骨のクッション ) が老化や過度な負荷で変性し、腰痛を引き起こす状態です。
椎間板ヘルニアほど神経圧迫は顕著でないことが多いです。
主な症状
症状 | 備考 |
---|---|
鈍い腰痛 | 座位・立位で悪化することが多い |
動作開始時の痛み | 朝や長時間座った後に多い |
下肢の重だるさ ( 稀 ) | 軽度の神経症状が出る場合も |
慢性化しやすい | 3ヶ月以上続くと「慢性腰痛」とされる |
診断基準 ( 西洋医学 )
- 問診・身体診察 → 腰の可動域制限や圧痛、神経症状の有無
- 画像検査 ( MRI, CT, X線 ) → 椎間板の変性 ( 脱水、変形 ) や脊柱の狭小化を確認
- 除外診断 → がん、感染、骨折などの“危険な腰痛”との鑑別が重要
治療法 ( 西洋医学 )
アプローチ | 内容・特徴 |
---|---|
薬物療法 | NSAIDs ( ロキソニンなど ) 、筋弛緩剤、プレガバリンなど |
理学療法 ( リハビリ ) | ストレッチ、体幹筋トレーニング ( 例:マッケンジー法 ) |
神経ブロック療法 | 硬膜外ブロックやトリガーポイント注射 |
手術 ( まれ ) | 椎間板置換や脊椎固定術など ( 重度のみ ) |
鍼灸医学的解釈
東洋医学の病名・病因
- 腰痛の多くは「腎虚 ( じんきょ ) 」「寒湿」「瘀血」による
- 気血水の停滞によって痛みが固定化
治療の方針
- 腎を補う ( 腎精を補充 )
- 気血を巡らせる
- 寒湿を除く
よく使われるツボ例(症状・体質により調整 )
ツボ名 | 効果 |
---|---|
腎兪 | 腰痛、腎虚の改善 |
委中 | 慢性腰痛に広く使用 |
命門 | 精力低下・冷えにも |
腰眼 | 局所の痛み緩和 |
鍼灸治療の利点
- 筋緊張の緩和
- 自律神経の調整
- 血流改善と疼痛緩和
栄養学的解釈・栄養学的視点
炎症・酸化ストレスの制御
- 慢性腰痛には軽度の炎症性サイトカイン ( IL-6, TNF-α ) 関与
- 抗炎症食品や抗酸化栄養素が有効
有用な栄養素・食品
栄養素 | 働き・例 |
---|---|
オメガ3脂肪酸 | EPA / DHA ( 青魚 ) で炎症を抑える |
ビタミンD | 骨代謝と炎症抑制 ( 欠乏に注意 ) |
マグネシウム | 筋緊張の緩和 |
ポリフェノール | 抗酸化 ( 緑茶、ベリー、ターメリックなど ) |
コラーゲン・プロリン | 椎間板軟骨の栄養サポート |
予後 ( 今後の見通し )
- 放置すれば慢性化・悪化しやすい
- しかし、多くのケースで日常生活レベルの回復は可能
- 重要なのは「腰を支える筋力維持」「再発予防の姿勢・生活習慣」
予防法
項目 | 内容 |
---|---|
姿勢改善 | 猫背や反り腰を修正、腰椎の負担を軽減 |
コアトレーニング | 腹横筋・多裂筋の強化 ( 例:プランク ) |
栄養管理 | 抗炎症・抗酸化に配慮した食事 |
ストレス対策 | 心因性疼痛の予防 ( 脳-痛覚の感受性 ) |
睡眠改善 | 修復ホルモン ( 成長ホルモンなど ) の分泌促進 |
補足:「一生治らない」と言われても… ( 私見です )
- 椎間板変性は加齢とともに進行する自然な現象ですが、同程度の椎間板変性でも症状が必ず出るとは限りません。椎間板変性以外の要素が症状を引き起こしていると考えています。
- 痛み=構造異常 ではなく「神経の過敏化や生活要因」が大きい。繰り返しますが、構造的 ( 椎間板変性 ) でななく、機能性の要素が大きいと考えます。
- 脳の「痛み記憶」や不安・抑うつも関与するため、包括的なケアが必要であると考えます。
椎間板変性を引き起こす機能的要素 ( 神経の過敏化、生活要因 ) について
補足:椎間板変性で大切なこと
- 神経回路に「安心」と「正常な刺激」をインプットし直す
- 痛みに対する「意味づけ」そのものを変えていく
- “治る可能性を体感”する成功体験が痛み抑制を後押し
全体方針 ( 鍼灸 × 動き・食事・睡眠・思考 )
領域 | 役割 |
---|---|
鍼灸治療 | 神経の鎮静化、血流改善、自律神経調整、局所筋緊張の緩和 |
動き | 腰椎の安定性回復と恐怖回避運動の克服 |
食事 | 炎症・酸化ストレスを減らし、神経の修復・鎮静 |
睡眠・思考 | 中枢感作を悪化させる脳の誤作動パターンをリセット |
東洋医学・鍼灸医学の現場からひと言
今回の「慢性腰痛の原因“椎間板変性”を止める!<再教育×姿勢×栄養の統合がカギ!>」は、いかがでしたか?
私は、ヤブ医者が言う3つの言葉というのをお話ししています。
特に、腰痛や膝痛のような筋骨格系の痛みで言われる人が多いようです。
それは、この3つの言葉。
- 太りすぎ
- 運動不足
- 加齢
これ、医療者側が治せないのをただ言い訳しているだけだと思うんです。
どれも医療者側が治せないのが悪いのではなく、患者さまの自己努力が足りないみたいに感じさせるトリックだと思っています。
もしも、本当に、太りすぎ、運動不足、加齢が原因であれば、以下のような処方がひつようではないでしょうか?
①太りすぎ
処方:もしも、本当に太りすぎで、症状が出ているのであれば、ダイエットプログラムを行うべきですが、殆どが放置ではないでしょうか?
原因 | 太りすぎ |
処方 | もしも、本当に太りすぎで、症状が出ているのであれば、 ダイエットプログラムを行うべきですが、 殆どが放置ではないでしょうか? |
②運動不足
処方:太りすぎと同じで、運動プログラムを行うことで改善すると思いますが、私の周りで改善した人は少ないようです。
原因 | 運動不足 |
処方 | 太りすぎと同じで、 運動プログラムを行うことで改善すると思いますが、 私の周りで改善した人は少ないようです。 |
というよりも、患者さま自身が工夫をして、歩いたり、水泳したりしている人は改善しているのですが、医療機関での改善はあまり聞かないです。
もちろん、運動療法に特化している医療機関もありますが、少ないように感じますが、皆様はどう感じますか?
③加齢
処方:加齢→老衰→病気になるというイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか?
原因 | 加齢 |
処方 | 「加齢 → 老衰 → 病気になる」 というイメージを持たれている方が 多いのではないでしょうか? |
私は、これは間違いだと考えています。
70歳で、病気になる方もいらっしゃるし、80歳を超えても元気の方もいらっしゃいますからね。
ですから、加齢 → 老衰 → 病気となる必要性はないと思います。
言い換えると、どうしたら、若々しく、元気で、長生きでいるか?ということを考えて治療法を選びたいですし、生活習慣に取り入れたいと思う今日この頃です。
最後に
お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。
