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高齢者の呼吸機能の改善と誤嚥防止<呼吸リハビリ法と誤嚥防止体操>

運動と健康
この記事は約 5 分で読めます。

高齢者の呼吸機能の改善と誤嚥防止のために効果的な、呼吸リハビリ法誤嚥防止体操を、西洋医学・リハビリ学的観点からわかりやすく説明します。

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呼吸リハビリ法

目的

  • 肺をしっかり膨らませる
  • 呼気・吸気の力を高める
  • 痰を出しやすくする
呼吸リハビリ法:目的
肺をしっかり膨らませる
呼気・吸気の力を高める
痰を出しやすくする

腹式呼吸 ( ふくしきこきゅう )

横隔膜をしっかり使って肺の下の方まで空気を入れる方法

やり方

  1. 背筋を伸ばして座る ( 寝ても可 )
  2. 鼻からゆっくり息を吸って、お腹をふくらませる
  3. 口からゆっくり吐いて、お腹をへこませる
  4. 1回5秒かけて吸って、5秒かけて吐く
  5. 1日3回 × 10呼吸ずつ
腹式呼吸:やり方
①背筋を伸ばして座る ( 寝ても可 )
②鼻からゆっくり息を吸って、お腹をふくらませる
③口からゆっくり吐いて、お腹をへこませる
④1回5秒かけて吸って、5秒かけて吐く
⑤1日3回 × 10呼吸ずつ

ポイント

  • 手をお腹に置いて、上下の動きを感じながらやると◎
  • 吐く時間を吸う時間の1.5〜2倍にすると効果的 ( 呼気の筋肉が鍛えられる )
腹式呼吸:ポイント
手をお腹に置いて、上下の動きを感じながらやると◎
吐く時間を吸う時間の1.5〜2倍にすると効果的
( 呼気の筋肉が鍛えられる )

口すぼめ呼吸 ( こうすぼめこきゅう )

呼気をコントロールして気道を開く、COPDの方にも有効

やり方

  1. 鼻から息を吸う ( 3秒 )
  2. 口をすぼめて ( ロウソクの火を消すように ) 、細く長くゆっくり吐く ( 5〜6秒 )
  3. これを5〜10回、1日3セット
口すぼめ呼吸:やり方
①鼻から息を吸う ( 3秒 )
②口をすぼめて ( ロウソクの火を消すように )
 細く長くゆっくり吐く ( 5〜6秒 )
③これを5〜10回、1日3セット

咳嗽 ( がいそう ) 訓練:有効咳嗽 ( ゆうこうがいそう )

痰をしっかり出す「強い咳」を練習

やり方

  1. 背筋を伸ばして座る
  2. 深く息を吸い、少し止める ( 3秒 )
  3. 「ハッ、ハッ、ハッ!」と短く連続で咳を出す ( 勢いよく )
有効咳嗽:やり方
①背筋を伸ばして座る
②深く息を吸い、少し止める ( 3秒 )
③「ハッ、ハッ、ハッ!」と短く連続で咳を出す ( 勢いよく )

ポイント

  • 「一気に大きく咳き込む」のではなく、「数回に分けてしっかり痰を出す」のがコツ
有効咳嗽:ポイント
「一気に大きく咳き込む」のではなく、「数回に分けてしっかり痰を出す」のがコツ

誤嚥防止体操

目的

  • のど・舌・首・咽頭の筋肉を鍛える
  • 飲み込みをスムーズにして誤嚥を防ぐ
誤嚥防止体操:目的
のど・舌・首・咽頭の筋肉を鍛える
飲み込みをスムーズにして誤嚥を防ぐ

パタカラ体操 ( 口腔・咽頭の筋肉を鍛える )

誤嚥性肺炎の予防に全国で推奨されている発声体操

やり方

  1. 「パ・パ・パ・パ…」×10回
  2. 「タ・タ・タ・タ…」×10回
  3. 「カ・カ・カ・カ…」×10回
  4. 「ラ・ラ・ラ・ラ…」×10回
パタカラ体操:やり方
①「パ・パ・パ・パ…」×10回
②「タ・タ・タ・タ…」×10回
③「カ・カ・カ・カ…」×10回
④「ラ・ラ・ラ・ラ…」×10回

意味

  • パ → 唇の力
  • タ → 舌の先 ( 前方 )
  • カ → 舌の奥 ( 咽頭 )
  • ラ → 舌の柔軟性・流れの最終調整
有効咳嗽:意味
パ → 唇の力
タ → 舌の先 ( 前方 )
カ → 舌の奥 ( 咽頭 )
ラ → 舌の柔軟性・流れの最終調整

嚥下 ( えんげ ) 体操:のど周りを温めて動かす

食事前に行うと誤嚥リスクが減る

やり方

  1. 首を左右にゆっくり回す ( 5回ずつ )
  2. 肩をすくめる→下ろす ( 10回 )
  3. 首を前後に倒す ( 5回ずつ )
  4. のどぼとけを上下にゆっくり動かす ( 舌を出したり引っ込めたりする )
パタカラ体操:やり方
①首を左右にゆっくり回す ( 5回ずつ )
②肩をすくめる→下ろす ( 10回 )
③首を前後に倒す ( 5回ずつ )
④のどぼとけを上下にゆっくり動かす
 ( 舌を出したり引っ込めたりする )

シャキア訓練 ( Shaker exercise )

嚥下反射・咽頭挙上の筋肉を強化

やり方 ( 寝て行う )

  1. 仰向けで寝て、肩を床につけたまま顎を引いて自分のつま先を見る
  2. その状態を10秒間キープ × 3回
  3. 次に、上げ下げを15回繰り返す ( 疲れない程度に )

注意点

  • 無理にやると疲れるので、「食前・入浴前」に軽く行うのが最適
  • 食事中にむせる場合は、専門の嚥下リハビリへの相談も必要です

まとめ:おすすめセット ( 毎日3分 )

時間帯内容
腹式呼吸 × 10回 + パタカラ体操
食前嚥下体操 + 口すぼめ呼吸
有効咳嗽 + シャキア訓練 ( または深呼吸 )

最後に

お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。

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金井 進

金井 進

元気の羅針盤編集長。
ホリス治療院院長、はり師、灸師 ( 国家資格 )。

1994年よりホリス治療院開業。
鍼灸、カイロプラクティック、フィジカルセラピーを融合した独自の治療体系で日夜、患者さんと向き合っています。

30年以上にわたる鍼灸臨床のなかで培った知識と経験をもとに、あなたの困った問題を解決できるような確かな情報をお届けしたいと思っています。

あなたの喜びの声を聞くことほど、私達の仕事に「情熱」と「やりがい」を与えてくれるものはありません。
いいこと・悪いこと、どんなことでも結構です。
是非、あなたの声をお聞かせ下さい。

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