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[ 腎臓がん ] 分子標的薬の種類とメカニズム ( 西洋医学 + 生理学的解釈 )

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この記事は約 7 分で読めます。

腎細胞がんは化学療法や放射線療法に耐性を持つため、分子標的薬が重要な役割を担います。

主に「血管新生阻害」と「細胞増殖抑制」の2方向で作用します。

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主な分子標的薬

薬剤名分類標的メカニズム ( 分子生物学的 )
スニチニブ
( Sunitinib )
チロシンキナーゼ阻害薬 ( TKI ) VEGFR, PDGFR, c-KIT腫瘍血管新生を阻害し、腫瘍への栄養供給を断つ。
細胞増殖シグナルも遮断。
パゾパニブ
( Pazopanib )
TKIVEGFR, PDGFR, c-KITVEGF経路抑制 → 腫瘍内血流低下 → 増殖抑制。
アキシチニブ
( Axitinib )
TKIVEGFRVEGFシグナルを高選択的に阻害し、腫瘍の血管を縮小。
カボザンチニブ
( Cabozantinib )
TKIVEGFR, MET, AXL血管新生阻害 + 転移に関わるMET / AXL経路の抑制。
レンバチニブ
( Lenvatinib )
TKIVEGFR, FGFR, PDGFR血管新生阻害 + 線維芽細胞成長因子経路も抑制。
ベバシズマブ
( Bevacizumab )
抗VEGF抗体VEGFVEGF分子を直接中和 → 新規血管形成を阻止。
免疫チェックポイント阻害薬
( ニボルマブなど )
抗PD-1抗体PD-1T細胞の免疫抑制を解除し、がん細胞攻撃を活性化。

分子生物学的背景 腎細胞がんの多くで VHL遺伝子変異 が起き、HIF ( 低酸素誘導因子 ) が異常に安定化 → VEGFやPDGFなど血管新生因子が過剰発現 → 腫瘍血管が異常に発達。

このループを断ち切るのが分子標的薬です。

鍼灸の具体的アプローチ ( 症状緩和・QOL改善 )

目的

  • 疼痛・倦怠感・食欲不振・不眠・免疫低下の改善
  • 治療副作用 ( 吐き気、末梢神経障害など ) の緩和
  • 精神的安定と全身調整

よく使われる経穴例

症状経穴例理由 ( 鍼灸理論 )
腰背部痛腎兪 ( BL23 ) 、志室 ( BL52 ) 腎気を補い、局所循環改善
倦怠感足三里 ( ST36 ) 、気海 ( CV6 ) 気血を補い、消化吸収力を高める
吐き気内関 ( PC6 ) 、中脘 ( CV12 ) 胃の気を整え、悪心を抑える
不眠神門 ( HT7 ) 、安眠 ( EX-HN22 ) 心腎を調和し、精神安定
免疫低下大椎 ( GV14 ) 、百会 ( GV20 ) 陽気を高め、免疫機能調整

栄養学的食事プラン ( 予防・治療後の再発抑制 )

基本方針

  • 腎機能を守りつつ、がん再発リスクを下げる抗酸化・抗炎症食
  • 高血圧・肥満を防ぐ
  • 水分補給を適正に行う ( 医師の指示範囲 )

推奨食品

  • 抗酸化食品:緑黄色野菜 ( ブロッコリー、ほうれん草 ) 、ベリー類、トマト ( リコピン )
  • オメガ3脂肪酸:青魚 ( サバ、イワシ ) 、亜麻仁油
  • 良質タンパク質:豆腐、納豆、鶏胸肉、白身魚 ( 腎機能低下時は量調整 )
  • 食物繊維:大麦、海藻、きのこ類 ( 腸内環境改善 )

避けたい食品

  • 過剰な塩分 ( 加工食品、漬物 )
  • 高脂肪肉、揚げ物
  • 過剰な動物性たんぱく ( 腎機能低下時 )
  • 清涼飲料水・糖質過多食品

もうちょっと深堀りして、がん全般に共通する 免疫を中心にした考え方 を、西洋医学・鍼灸医学・栄養学・生理学的観点から整理します。

がんを「免疫の視点」から見ると、発生・進行・治療・予防のすべてに深く関わります。

がんと免疫の基本的関係 ( 西洋医学 + 生理学 )

私たちの体では、日々数千〜数万個もの異常細胞が生まれますが、免疫システムがこれを監視し排除しています。

この働きを がん免疫監視機構 と呼びます。

がん免疫の3段階 ( 免疫編集 )

  1. 排除期 ( Elimination )
    1. NK細胞、キラーT細胞、マクロファージなどが異常細胞を殺傷。
    2. 分子生物学的には、がん抗原v例:変異p53、RAS変異など ) を提示した細胞をT細胞が認識し、パーフォリンやグランザイムで破壊。
  2. 平衡期 ( Equilibrium )
    1. 生き残ったがん細胞と免疫が拮抗し、増殖が抑えられた状態。数年〜数十年続くことも。
  3. 逃避期 ( Escape )
    1. がん細胞が免疫回避機構 ( PD-L1発現増加、MHC消失、免疫抑制サイトカイン分泌など ) を獲得し、免疫の監視から逃れ増殖。

免疫低下とがん発生リスク

免疫が弱まると、異常細胞の排除力が落ち、がん化の可能性が高まります。

主な免疫低下要因

  • 加齢 ( 免疫老化:T細胞数・機能低下 )
  • 慢性炎症 ( 生活習慣病、喫煙、過食 )
  • 栄養不足 ( 特にタンパク質・亜鉛・ビタミンD欠乏 )
  • ストレス・睡眠不足
  • 過度な紫外線、化学物質、放射線曝露
  • ウイルス感染 ( HBV、HCV、HPV、EBVなど )

治療における免疫活用 ( 西洋医学 )

がん治療では近年、「免疫療法」が急速に進歩しています。

主な免疫療法

治療作用機序
免疫チェックポイント阻害薬
( 抗PD-1、抗CTLA-4 )
がんが発現するPD-L1などによる免疫抑制を解除し、T細胞を再活性化。
CAR-T細胞療法患者T細胞を遺伝子改変し、がん抗原を特異的に攻撃。
がんワクチンがん抗原を投与し、特異的免疫応答を誘導。
サイトカイン療法
( IL-2, IFN-α )
免疫細胞全体の活性化。

鍼灸医学的免疫アプローチ

鍼灸では「正気 ( せいき ) 」=体を守るエネルギーを高めることが免疫強化につながると考えます。

免疫活性化のポイント

  • 補気:脾胃を整え栄養吸収を高める ( 例:足三里、気海、中脘 )
  • 扶陽:腎陽を温めて生命力を支える ( 例:腎兪、関元、大椎 )
  • 疏肝:ストレスによる気滞を解消し免疫抑制を防ぐ ( 例:太衝、内関 )
  • 調和陰陽:自律神経と内分泌系のバランスを取る

研究では、鍼灸刺激がNK細胞活性やサイトカイン分泌 ( IL-2, IFN-γ ) を増やす可能性が示唆されています。

栄養学的免疫強化

免疫細胞は、タンパク質や特定のビタミン・ミネラルを原料にして作られ、機能します。

免疫に重要な栄養素

  • タンパク質:免疫細胞・抗体の材料 ( 魚、鶏胸肉、大豆 )
  • オメガ3脂肪酸:炎症制御 ( 青魚、亜麻仁油 )
  • ビタミンD:免疫調整 ( 鮭、卵黄、日光浴 )
  • ビタミンC / E:抗酸化・免疫細胞保護 ( 柑橘、ナッツ )
  • 亜鉛:T細胞成熟 ( 牡蠣、レバー )
  • 食物繊維:腸内細菌バランス改善 → 腸管免疫強化 ( 海藻、きのこ、雑穀 )

免疫中心の予防戦略 ( がん全般 )

  1. 日常生活
    1. 十分な睡眠 ( 7時間前後、深夜0時前に入眠 )
    2. 定期的な運動 ( ウォーキング+筋トレ )
    3. ストレスコントロール ( 呼吸法、瞑想 )
  2. 定期健診
    1. 血液検査、画像検査で早期発見
  3. 炎症負荷の軽減
    1. 禁煙、節酒
    2. 抗酸化・抗炎症食品の摂取
  4. 腸内環境の最適化
    1. 発酵食品 ( 納豆・みそ ) 、食物繊維で腸免疫を強化

例題:免疫を中心としたがん予防プラン

50歳女性・家族にがん既往あり

  • 栄養:朝に味噌汁 + 焼き魚、昼に野菜たっぷり玄米弁当、間食にナッツとみかん
  • 運動:週3回30分ウォーキング + 軽い筋トレ
  • 鍼灸:月2回、足三里・腎兪・太衝で免疫・ストレス調整
  • 習慣:就寝23時、週1回ヨガで副交感神経優位化

→ NK細胞活性・自律神経バランスが改善し、免疫力維持に寄与。

付随記事

「がん予防・再発予防の免疫強化1か月プログラム」 を、 西洋医学 ( 免疫生理 ) + 鍼灸医学 ( 気血津液の調整 ) + 栄養学 ( 免疫栄養 ) + 生理学的解釈 の統合型で作ります。

最後に

お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。

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金井 進

金井 進

元気の羅針盤編集長。
ホリス治療院院長、はり師、灸師 ( 国家資格 )。

1994年よりホリス治療院開業。
鍼灸、カイロプラクティック、フィジカルセラピーを融合した独自の治療体系で日夜、患者さんと向き合っています。

30年以上にわたる鍼灸臨床のなかで培った知識と経験をもとに、あなたの困った問題を解決できるような確かな情報をお届けしたいと思っています。

あなたの喜びの声を聞くことほど、私達の仕事に「情熱」と「やりがい」を与えてくれるものはありません。
いいこと・悪いこと、どんなことでも結構です。
是非、あなたの声をお聞かせ下さい。

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