【質問】「前庭神経炎」という病気を知りました


「前庭神経炎」という病気を知りました。
激しいめまい、めまいによる吐き気がある、とのこと。
原因はなんですか?
予防策と対処法はありますか?
メニエール病との違いはなんですか?
回答
前庭神経炎は、突然の激しい回転性めまい発作 ( 動いたり回転したりしているような感覚 ) を特徴とする病気です。
前庭神経 ( 平衡感覚のコントロールを助けている第8脳神経の分枝 ) の炎症によって引き起こされます。
年間10万人当たり、3.5人から15人程度が発症し、30~50代が多い傾向がありますが、全年齢で発症する可能性があります。
まだ十分に解明されていない前庭神経炎ですが、今考えられている原因、症状、診断法、治療法、予後、予防法など詳しくお話ししていきます。
原因
前庭神経炎は、主に前庭神経の炎症によって発症します。
その原因として、以下が今のところ有力だと考えられます。
前庭神経炎:原因 | |
ウイルス感染 | 単純ヘルペスウイルス1型 ( HSV-1 ) 、インフルエンザウイルス、エプスタイン・バーウイルス ( EBV ) など。 |
自己免疫反応 | 感染後の免疫異常による神経炎症。 |
虚血性障害 | 内耳や前庭神経の血流障害。 |
- ウイルス感染:単純ヘルペスウイルス1型 ( HSV-1 ) 、インフルエンザウイルス、エプスタイン・バーウイルス ( EBV ) など。
- 自己免疫反応:感染後の免疫異常による神経炎症。
- 虚血性障害:内耳や前庭神経の血流障害。
ウイルス感染による**神経炎症性サイトカイン ( IL-1β, TNF-α ) **の過剰産生が、前庭神経の脱髄や神経伝達の障害を引き起こすと考えられています。
症状
前庭神経炎は、主に片側の前庭神経に急性の炎症が生じることで発症します。
主要な症状は以下の通りです。
前庭神経炎:症状 | |
持続性の激しいめまい ( 回転性めまい ) | 数時間から数日続く。 |
平衡障害 | 立ったり歩いたりするのが困難。 |
悪心・嘔吐 | めまいに伴う自律神経症状。 |
眼振 ( がんしん ) | 不随意な眼球の動き、通常は水平性。 |
聴力障害や耳鳴りは無し | ( ※聴覚症状が無いのが特徴 ) |
- 持続性の激しいめまい ( 回転性めまい ) :数時間から数日続く。
- 平衡障害:立ったり歩いたりするのが困難。
- 悪心・嘔吐:めまいに伴う自律神経症状。
- 眼振 ( がんしん ) :不随意な眼球の動き、通常は水平性。
- 聴力障害や耳鳴りは無し ( ※聴覚症状が無いのが特徴 )
診断基準 ( 診断法 )
前庭神経炎は除外診断として行われ、他の中枢性疾患 ( 脳卒中など ) を除外することが重要です。
臨床症状の確認 | |
急性の持続性回転性めまい | |
聴覚症状がない | |
急激なバランス障害 |
身体診察 | |
Head Impulse Test ( HIT ) | 頭を素早く左右に回した際、目の固定がずれる ( 前庭神経障害の証拠 ) |
眼振の観察 | 視線方向と無関係に一定方向へ持続する水平性眼振 |
神経学的検査 | |
HINTS検査 ( Head Impulse, Nystagmus, Test of Skew ) | 中枢性障害との鑑別に有用 |
画像診断 | |
MRI ( 拡散強調画像 ) | 脳卒中や腫瘍の除外 |
CT | 急性期に脳出血を除外する場合 |
- 臨床症状の確認
- 急性の持続性回転性めまい
- 聴覚症状がない
- 急激なバランス障害
- 身体診察
- Head Impulse Test ( HIT ) :頭を素早く左右に回した際、目の固定がずれる ( 前庭神経障害の証拠 )
- 眼振の観察:視線方向と無関係に一定方向へ持続する水平性眼振
- 神経学的検査
- HINTS検査 ( Head Impulse, Nystagmus, Test of Skew ) :中枢性障害との鑑別に有用
- 画像診断
- MRI ( 拡散強調画像 ) :脳卒中や腫瘍の除外
- CT:急性期に脳出血を除外する場合
治療法
前庭神経炎は自然治癒傾向がありますが、症状の緩和と回復促進のための治療が行われます。
急性期 ( 症状が強い期間 ) | |
制吐薬 | ( メトクロプラミド、プロクロルペラジン ) |
抗めまい薬 | ( ジメンヒドリナート、ベタヒスチン ) |
ステロイド療法 | プレドニゾロンが前庭機能回復を早める可能性 |
安静 |
回復期 | |
前庭リハビリテーション | バランス訓練、眼球運動、頭部の動きに慣れる訓練 |
活動再開 | できるだけ早く日常生活に戻ることで神経可塑性を促進 |
- 急性期 ( 症状が強い期間 )
- 制吐薬 ( メトクロプラミド、プロクロルペラジン )
- 抗めまい薬 ( ジメンヒドリナート、ベタヒスチン )
- ステロイド療法:プレドニゾロンが前庭機能回復を早める可能性
- 安静
- 回復期
- 前庭リハビリテーション:バランス訓練、眼球運動、頭部の動きに慣れる訓練
- 活動再開:できるだけ早く日常生活に戻ることで神経可塑性を促進
予後
予後 | |
良好 | ほとんどの患者は、数週間から数か月で完全回復する。 |
慢性化の可能性 | 一部の患者では、持続的な不安定感や軽度の平衡障害が残る場合あり。 |
- 良好:ほとんどの患者は、数週間から数か月で完全回復します。
- 慢性化の可能性:一部の患者では、持続的な不安定感や軽度の平衡障害が残る場合あり。
予防法
予防法 | |
明確な予防法は無い | 前庭神経炎の多くはウイルス感染 ( 特に単純ヘルペスウイルス ) が関与しているとされるため、免疫力維持が重要。 |
ストレス管理、十分な睡眠、バランスの良い食事が予防に寄与する可能性。 |
- 明確な予防法は無い:前庭神経炎の多くはウイルス感染 ( 特に単純ヘルペスウイルス ) が関与しているとされるため、免疫力維持が重要です。
- ストレス管理、十分な睡眠、バランスの良い食事が予防に寄与する可能性。
メニエール病との違い
前庭神経炎 | 特徴 | メニエール病 |
持続的 ( 数時間〜数日 ) | めまいの性質 | 繰り返す発作性 ( 20分〜数時間 ) |
無し | 聴覚症状 | あり ( 耳鳴り、難聴、耳閉感 ) |
ウイルス感染による前庭神経炎症 | 発症機序 | 内リンパ水腫による内耳圧の異常 |
再発は稀 | 再発の有無 | 再発が多い |
ステロイド、対症療法 | 治療法 | 塩分制限、利尿薬、抗めまい薬、場合により手術 |

東洋医学・鍼灸治療からひと言
前庭神経炎を大まかにとらえると
①病態メカニズム | |
ウイルス感染説 | 単純ヘルペスウイルス ( HSV-1 ) による前庭神経節の炎症が主な原因とされる。 |
炎症性サイトカインの関与 | IL-1β、TNF-αなどの炎症性サイトカインが神経の浮腫や伝導障害を引き起こす。 |
②神経可塑性 |
急性期後、中枢神経系 ( 特に小脳前庭核 ) の可塑的変化により、前庭機能が補償される。 |
③再生メカニズム |
前庭神経のシュワン細胞が神経再生を促進することが知られており、これが良好な予後に寄与すると考えられる。 |
- 病態メカニズム
- ウイルス感染説:単純ヘルペスウイルス ( HSV-1 ) による前庭神経節の炎症が主な原因とされる。
- 炎症性サイトカインの関与:IL-1β、TNF-αなどの炎症性サイトカインが神経の浮腫や伝導障害を引き起こす。
- 神経可塑性
- 急性期後、中枢神経系 ( 特に小脳前庭核 ) の可塑的変化により、前庭機能が補償される。
- 再生メカニズム
- 前庭神経のシュワン細胞が神経再生を促進することが知られており、これが良好な予後に寄与すると考えられる。
となります。
鍼灸医学では、気血の滞り、水湿 ( 余分な水分 ) の停滞などが、めまいの原因と考えます。
また、ウイルス感染説から免疫力の調整、炎症体質の改善、また、内耳や脳への血流を促進するために鍼灸治療を施します。
まだまだ西洋医学的に確定されていない病気に関しては、東洋医学、鍼灸治療的に身体を整えていくことが功を奏することが多いと実感しています。
最後に
お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。
