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麻疹 ( はしか ) 関空でアウトブレイク<2回予防接種の真実>

妊活・子育て・介護 特集と症状・病気
この記事は約 8 分で読めます。

2016年9月4日、大阪府から「関西国際空港の麻疹アウトブレイク ( 集団感 ) 」の発表がありました。

新たに3人の感染が確認され、患者さんの中に、ドクターや救急隊員さんも含まれていて、従業員以外の感染は初めてとなります。

8月以降、麻疹アウトブレイク ( 集団感染 ) 患者さんは、34人になっています。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/hassei/6865-measles-kankuu-20161102.html

そこで、麻疹 ( はしか ) の原因や症状、ワクチンの予防接種についてお話します。

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麻疹 ( はしか )

麻疹 ( はしか )
生後5~6ヶ月以降から6歳までの子どもが罹りやすい
ウイルス性疾患

生後5~6ヶ月以降から6歳までの子どもが罹りやすいウイルス性疾患です。

麻疹 ( はしか ) の原因は?

原因
麻疹ウイルス
空気感染:咳、くしゃみなどの飛沫感染
1m以上離れていても感染することもあるので注意が必要

麻疹ウイルスに感染することが原因です。

咳やくしゃみによってうつる空気感染 ( 飛沫感染 ) で広がります。

しかし、1m以上離れていても感染することもありますから、注意が必要です。

麻疹 ( はしか ) の症状は?

症状
感染後10~12日間の潜伏期間がある。
風邪と同じような症状:発熱・倦怠感が出る。
その後、咳、くしゃみ、鼻水が出る。
進行目の充血、目やに、そしてまぶしがるようになる。
発熱発熱後2日くらいで、口の中に「コプリック斑」という白い斑点が現れる。
発熱中発熱は3日間くらい続き、そして一度、熱は下がり、また発熱し、同時に発疹が出る。
発疹発疹は盛り上がり、鮮やかな赤い色で、かゆみは無い。
耳の後ろから始まり、首、顔、胸、手足の順番で全身に広がる。
麻疹の症状だいたい7~10日で症状は治まる。

感染後、10~12日間の潜伏期間があります。

この間、風邪と同じような症状、発熱、倦怠感があり、その後、咳、くしゃみ、鼻水が出ます。

症状が進行すると、目の充血、目やに、そしてまぶしがるようになります。

発熱後2日くらいで、口の中に、コプリック斑という白い斑点が現れます。

発熱は3日間くらい続き、そして一度、熱は下がり、また発熱し、同時に発疹が出ます。

発疹は盛り上がり、鮮やかな赤い色で、かゆみはありません。

耳の後ろから始まり、首、顔、胸、手足の順番で全身に広がります。

だいたい7~10日で症状は治まります。

発熱100%
92.9%
鼻水と発疹57.1%
コプリック斑50%
目の充血21.4%
  • 発熱:100%
  • 咳:92.9%
  • 鼻水と発疹:57.1%
  • コプリック斑:50%
  • 目の充血:21.4%

と千葉県が2016年の第1週から第34週までの統計を出しています。

麻疹 ( はしか ) の合併症

合併症
気管支炎
肺炎
中耳炎
脳炎

気管支炎、肺炎、中耳炎、脳炎があります。

中耳炎100人中:7~9人
肺炎100人中:1~6人
脳炎1,000人中:2人
亜急性硬化性全脳炎
( SSPE )
5万人:1人
死亡数千人:1人
  • 中耳炎:100人中に7~9人
  • 肺炎:100人中に1~6人
  • 脳炎:1,000人中に2人
  • 亜急性硬化性全脳炎 ( SSPE ) :5万人に1人
  • 死亡:数千人に1人

が発症すると言われています。

麻疹 ( はしか ) の治療は?

治療法
根本的な治療薬・治療法は無い。
対処療法として、解熱剤や鎮咳剤などがある。

麻疹ウイルスの感染症である麻疹には、根本的な治療薬、治療法はありません。

対処療法として、解熱剤や鎮咳剤などがあります。

風疹 ( 3日はしか ) って何?

風疹 ( 3日はしか )
風疹ウイルスによる感染症
小学校から思春期までの子どもが罹りやすい病気
麻疹 ( はしか ) :風疹 ( 3日はしか )
別のウイルス疾患
軽い風邪のような症状
潜伏期間:2~3週間
発症後3日~5日くらいの安静で自然治癒する

風疹は、風疹ウイルスによる感染症で、小学校から思春期までの子どもが罹りやすい病気です。

麻疹と風疹は、はしかと3日はしかと言われるため、混同しやすいですが、違うウイルス感染です。

通常は、軽い風邪のような症状で、2~3週間の潜伏期間を経て、発症し、3日~5日くらいの安静で自然治癒します。

麻疹・風疹 ( MR ) ワクチンの予防接種を2回する?

1988年まで「ジフテリア・百日咳・破傷風」を予防する目的
三種混合 ( DPT ) ワクチンが接種した
1989年~「麻疹 ( はしか ) 、おたふくかぜ、風疹」を予防する目的
新三種混合 ( MMR ) ワクチンが接種されるようになった
1993年新三種混合 ( MMR ) ワクチンの接種が中止
中止の理由法律で1~6歳の間に受けるように義務付けられていた。
おたふくかぜワクチンで「無菌性髄膜炎」が発生する頻度が高いことが分かったから。

1988年までは「ジフテリア・百日咳・破傷風」を予防する目的で、三種混合 ( DPT ) ワクチンが接種されてきました。

その後、1989年から「麻疹 ( はしか ) 、おたふくかぜ、風疹」を予防する目的で、新三種混合 ( MMR ) ワクチンが接種されるようになりました。

新三種混合 ( MMR ) ワクチンは、法律で、1~6歳の間に受けるように義務付けられましたが、おたふくかぜのワクチンで、無菌性髄膜炎が発生する頻度が高いことが分かり、日本では1993年に、新三種混合 ( MMR ) ワクチンの接種が中止されました。

現在は、麻疹・風疹 ( MR ) ワクチンを2回、定期接種することになりました。

麻疹・風疹 ( MR ) ワクチンの定期接種
1回目生後12ヶ月~23ヶ月
2回目小学校入学前、中学1年生、高校3年生の1年間

1回目:生後12ヶ月~23ヶ月

2回目:小学校入学前、中学1年生、高校3年生の1年間

麻疹 ( はしか ) の予防接種の問題点

ウイルスに罹ると、そのウイルスに対する抗体ができる免疫力 ( 身体の防衛機能 ) がある。
子どものころに麻疹ウイルスに罹ると、自然感染による免疫がつく
現在は発症人数も少なく、発症するとすぐに隔離されることから、麻疹ウイルスに自然感染する機会が無くなる
昔は、お母さんが自然感染による免疫を持っていた
生まれた赤ちゃんは、へその緒から十分な免疫を持って生まれてくるので、1歳児未満で麻疹ウイルスに感染することはほとんど無かった。
お母さんが麻疹ワクチン ( 予防接種 ) を受けた世代になり、自然に感染した免疫のような強い免疫が無い
赤ちゃんは十分な免疫を持って生まれてくることができないためか、近年は1歳児未満でも麻疹ウイルスに罹ることがある。

私たちは、ウイルスに罹ると、そのウイルスに対する抗体ができる免疫力 ( 身体の防衛機能 ) があります。

子どものころに、麻疹ウイルスに罹ると、自然感染による免疫がつく訳です。

しかし、現在は、発症人数も少なく、発症するとすぐに隔離されることから、麻疹ウイルスに自然感染する機会が無くなりました

その結果、以前はお母さんが自然感染による免疫を持っていました

生まれた赤ちゃんは、へその緒から十分な免疫を持って生まれてくるので、1歳児未満で麻疹ウイルスに感染することはほとんどありませんでした。

お母さんが麻疹ワクチン ( 予防接種 ) を受けた世代になり、自然に感染した免疫のように、強い免疫が無いため、赤ちゃんは十分な免疫を持って生まれてくることができないためか、近年は1歳児未満でも麻疹ウイルスに罹ることがありますので、注意が必要です。

麻疹 ( はしか ) の予防接種の真実:その1

終戦直後の1947年には、年間約2万1,000人の子どもが麻疹で亡くなっています。

これは、食糧不足と衛生環境の悪さによると考えられます。

その後、1955年ころから、1,000人より少なくなり、1970年ころには100人より少なくなります。

麻疹の予防接種が行われる前から、麻疹によって亡くなる方は減っているため、麻疹の患者さんが減っているのは、麻疹の予防接種の効果でないことが分かります。

しかし、1995年を境にわずかばかり増加傾向にあります。

引用元:国立感染症研究所HP
引用元:国立感染症研究所HP
引用元:国立感染症研究所HP
引用元:国立感染症研究所HP

上記の表を見ると、麻疹ワクチンの予防接種によって、麻疹が減少したと考えるよりも、日本人の栄養と衛生状態が改善され、減少したと考えられます。

麻疹 ( はしか ) の予防接種の真実:その2

1998年に、沖縄で麻疹が流行したことがります。

実は、その時に、麻疹ワクチンの予防接種率が高い米軍でも流行がありました。

このことは、麻疹ワクチンの効果について疑問を示唆しています。

また、2016年の関西国際空港での麻疹アウトブレイク ( 集団感染 ) の事例でも2回の予防接種をしている人も感染していることから、麻疹ワクチンの予防接種を2回すると感染予防になるとは言いきれないようです。

つまり、健康な人は「自然感染による免疫獲得」と「予防接種での免疫獲得」では大きな違いがあると考えられます。

まとめ

麻疹 ( はしか ) 関西でアウトブレイク<2回予防接種の真実>」は、いかがだったでしょうか?

今回の記事は麻疹の恐怖を訴える傾向がありますが、今の日本においては、さほど怖い病気ではありません。

乳幼児、高齢者や抗ガン剤や免疫抑制剤を服用しているなどのハイリスク患者さん、また妊娠中の方は注意が必要ですが、冷静な判断で、麻疹の予防接種を考えたいものです。

最後に

お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。

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金井 進

金井 進

元気の羅針盤編集長。
ホリス治療院院長、はり師、灸師 ( 国家資格 )。

1994年よりホリス治療院開業。
鍼灸、カイロプラクティック、フィジカルセラピーを融合した独自の治療体系で日夜、患者さんと向き合っています。

30年以上にわたる鍼灸臨床のなかで培った知識と経験をもとに、あなたの困った問題を解決できるような確かな情報をお届けしたいと思っています。

あなたの喜びの声を聞くことほど、私達の仕事に「情熱」と「やりがい」を与えてくれるものはありません。
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