【質問】サイコパスとは?


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患者さまからの質問
先生の「絶対音感」の記事を見ました。
とても勉強になりました。
その記事の中に「エンパス」という言葉があり、初めて知りました。
これはサイコパスの仲間ですか?
サイコパスって言葉はよく見るし、映画やドラマなどでよく取り上げられるので狂気的・猟奇的・攻撃的なイメージがあります。
サイコパスについて知りたいです。エンパス・サイコパス、これは遺伝しますか?
質問ありがとうございます
「絶対音感」の記事を読んでくださり、ありがとうございます。
そして質問まで、うれしい限りです。
一般的に「サイコパス」って言われているものは、質問者様のイメージ通りだと思いますが、詳しく精神医学的視点で話していきましょう。
サイコパスの定義
サイコパスは、特定の性格特性や行動パターンを持つ人々を指す精神医学の概念です。
これには以下の特徴が含まれます。
サイコパスの定義 |
共感能力の欠如 |
他者への冷淡さ |
良心の欠如 |
反社会的行動 |
慢性的な嘘つき |
衝動的な行動 |
サイコパスの歴史
サイコパスの概念は、19世紀に初めて提唱されました。
初期の研究者は、これを「道徳的な狂気」として理解し、社会の規範や法律を無視する人々の特性を研究しました。
20世紀に入ると、ハーヴェイ・クリーヴリー・クレックリーの『 The Mask of Sanity 』という著書で、サイコパスの詳細な行動パターンと特徴を明確にしました。
この本はサイコパス研究の基礎となり、その後の研究に大きな影響を与えました。
精神医学的解釈
精神医学的には、サイコパスは「反社会性パーソナリティ障害 ( ASPD ) 」の一種とされています。
DSM-5 ( アメリカ精神医学会の診断基準マニュアル ) では、反社会性パーソナリティ障害は以下の基準で診断されます。
反社会性パーソナリティ障害 |
繰り返される違法行為 |
他者の権利を無視するパターン |
慢性的な無責任 |
他者に対する冷淡な操作性 |
サイコパスの要因
近年の研究では、サイコパスの行動や性格特性に関連する分子生物学的な要因が探求されています。
具体的には以下のような要因が考えられています。
脳の構造的異常 | 脳の前頭前皮質や扁桃体における構造的・機能的な異常が、感情制御や共感能力の欠如と関連していることがわかっています。 |
神経伝達物質 | セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の不均衡が、衝動的な行動や攻撃性と関連している可能性があります。 |
具体的な例題
例題1:企業のCEOとしてのサイコパス
ある企業のCEOが「サイコパス的特性を持っている」と仮定。 |
↓ |
このCEOは非常に魅力的でカリスマ性がある。 |
↓ |
社員を巧みに操る能力を持っている。 |
↓ |
しかし、彼は社員の感情や福利を一切考慮しない。 |
↓ |
自己利益のために厳しい労働環境を強制する。 |
↓ |
社員の精神的健康を犠牲にしても業績を上げようとする。 |
ある企業のCEOがサイコパス的特性を持っているとします。
このCEOは非常に魅力的でカリスマ性があり、社員を巧みに操る能力を持っています。
しかし、彼は社員の感情や福利を一切考慮せず、自己利益のために厳しい労働環境を強制し、社員の精神的健康を犠牲にしても業績を上げようとします。
例題2:犯罪者としてのサイコパス
連続殺人犯がサイコパスである場合 |
↓ |
彼は、冷酷で感情のない方法で犯罪を計画し実行する。 |
↓ |
彼には、他者の苦痛や感情に対する共感が欠如している。 |
↓ |
捕まることへの恐怖や罪悪感も感じない。 |
↓ |
捜査官や裁判官に対しても、冷静かつ操作的に振る舞う。 |
↓ |
しばしば嘘をつきながら自己の正当性を主張する。 |
連続殺人犯がサイコパスである場合、彼は冷酷で感情のない方法で犯罪を計画し実行します。
彼には、他者の苦痛や感情に対する共感が欠如しており、捕まることへの恐怖や罪悪感も感じません。
捜査官や裁判官に対しても冷静かつ操作的に振る舞い、しばしば嘘をつきながら自己の正当性を主張します。
サイコパスに対する治療方法
サイコパスに対する治療は非常に困難であり、効果的な治療法はまだ確立されていません。
しかし、いくつかのアプローチが研究されています。
認知行動療法 ( CBT ) | |
概要 | 認知行動療法は、個人の思考や行動パターンを変えることを目指す。 |
サイコパスの場合、特に衝動的な行動や攻撃性を抑えるためのスキルを学ぶ。 | |
効果 | 効果は限定的であり、多くの場合、サイコパスの根本的な特性を変えることは難しいとされている。 |
薬物療法 | |
概要 | 特定の神経伝達物質の不均衡を調整するために、抗うつ薬や抗精神病薬が使用されることがある。 |
効果 | 衝動性や攻撃性を一時的に抑えることができる場合がありますが、長期的な効果は限定的。 |
心理教育およびリハビリテーションプログラム | |
概要 | サイコパスに対して、社会的スキルや倫理的行動を教育するプログラムがある。 |
効果 | これらのプログラムも限定的な成功にとどまることが多い。 |
効果と予後
サイコパスの治療における予後は一般的に悪いとされています。
以下の理由から、治療の効果は限定的であることが多いです。
共感能力の欠如 | サイコパスは他者の感情を理解する能力が欠如しているため、治療に対する動機づけが低いことが多い。 |
治療への抵抗 | サイコパスはしばしば自己の問題を認識せず、治療に対して抵抗を示す。 |
再発率の高さ | 治療を受けたとしても、サイコパス的な行動が再発することが多い。 |
まとめ
サイコパスは、共感能力や良心の欠如を特徴とする反社会的なパーソナリティ障害です。
パーソナリティ障害と言う意味では、エンパスも同じと言えます。
サイコパスの背景には脳の構造的・機能的異常、神経伝達物質の不均衡など、様々な要因が関与しています。
一般社会生活から逸脱し、法に触れるようなサイコパスの患者さまをどうするか?悩ましい問題だと思います。
最後に
お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。
