心房細動と診断されたら<知ってほしい症状・治療法や予後・予防法・そして鍼灸治療の現場から大切と思うこと>
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心房細動とは ( 定義・概要 )
心房細動は、心房 ( 心臓の上の部屋 ) が非常に速く・不規則に震える不整脈です。
心臓の正常な電気刺激が乱れて、効率的な拍動ができなくなる状態です。
心房細動の主な症状
| 主症状 | 補足 |
|---|---|
| 動悸 | 突然の心拍数上昇、バラバラのリズム |
| めまい・ふらつき | 脳血流が低下 |
| 疲労感・息切れ | 心拍出量の低下 |
| 胸部不快感 | 胸が重い、痛む感じ |
| 無症状のこともある | 健康診断で初めて見つかることも多い |
西洋医学的解釈と治療法
◼️原因と機序
| 因子 | 分子生物学的メカニズム |
|---|---|
| 高血圧・心不全 | 心房の線維化、拡張による電気信号の乱れ |
| 加齢 | Ca2+チャネルの感受性低下、酸化ストレス上昇 |
| 甲状腺機能亢進 | β受容体活性↑ → 自律神経の異常興奮 |
| 遺伝素因 | イオンチャネル ( SCN5A, KCNQ1など ) 変異 |
◼️治療法
| 治療薬 | 種類例 |
|---|---|
| 抗不整脈薬 ( リズムコントロール ) | アミオダロン、フレカイニドなど |
| 心拍数制御薬 ( レートコントロール ) | β遮断薬 ( メトプロロール ) Ca拮抗薬 ( ジルチアゼム ) など |
| 抗凝固療法 ( 脳梗塞予防 ) | ワルファリン DOAC ( エリキュースなど ) |
| カテーテルアブレーション | 肺静脈の異常伝導を焼灼し、異常リズムを断つ治療 |
- 抗不整脈薬 ( リズムコントロール ) 例:アミオダロン、フレカイニド
- 心拍数制御薬 ( レートコントロール ) 例:β遮断薬 ( メトプロロール ) 、Ca拮抗薬 ( ジルチアゼム )
- 抗凝固療法 ( 脳梗塞予防 ) 例:ワルファリン、DOAC ( エリキュースなど )
- カテーテルアブレーション 肺静脈の異常伝導を焼灼し、異常リズムを断つ治療。
栄養学的解釈と対策
◼️栄養の関与 ( 分子レベル )
| 栄養素 | 関与メカニズム |
|---|---|
| マグネシウム | Ca2+チャネル調整 → 心筋安定化 |
| カリウム | 静止膜電位の安定化、QT延長の予防 |
| オメガ3脂肪酸 | 炎症性サイトカイン ( IL-6、TNF-α ) 抑制 |
| 抗酸化物質 ( ビタミンE/C ) | 酸化ストレスによる電気リモデリング抑制 |
◼️控えるべき食品
| 控えるべき食品 |
|---|
| カフェイン過剰 ( 交感神経刺激 ) |
| アルコール ( 特に「ホリデーハート症候群」 ) |
| 高脂肪・高糖質食 ( 炎症・電解質バランス乱れ ) |
- カフェイン過剰 ( 交感神経刺激 )
- アルコール ( 特に「ホリデーハート症候群」 )
- 高脂肪・高糖質食 ( 炎症・電解質バランス乱れ )
心房細動の予後と予防法
◼️予後
- 心不全や脳梗塞のリスクあり
- 抗凝固療法と脈拍管理で長期的に安定する可能性あり
◼️予防法
| アプローチ | 方法 |
|---|---|
| 生活習慣管理 | 禁煙、節酒、定期的な運動 ( 有酸素系 ) |
| 食事療法 | マグネシウム・カリウム・抗酸化物質を多く含む |
| 自律神経ケア | 呼吸法、瞑想、鍼灸 |
| 定期検診 | 心電図チェック、バイタル管理 |
鍼灸医学的解釈と対応
◼️東洋医学的解釈
| 東洋医学名 | 病因病理 |
|---|---|
| 心悸 ( しんき ) | 心気虚・心血虚・痰湿・肝気鬱結 |
| 驚悸 ( きょうき ) | 急な驚きや情緒変化による気血の乱れ |
◼️主な弁証と治療穴
| 証型 | 治療方針 | 主なツボ |
|---|---|---|
| 心気虚 | 補心健脾 | 神門、心兪、脾兪 |
| 心血虚 | 補血養心 | 三陰交、血海 |
| 痰湿困心 | 化痰通絡 | 中脘、豊隆、膻中 |
| 肝気鬱結 | 疏肝理気 | 太衝、肝兪、内関 |
◼️鍼灸の目的
| 鍼灸の目的 |
|---|
| 自律神経の調整 ( 迷走神経優位に ) |
| 気血循環の改善 |
| 精神安定 ( 情志ストレスの緩和 ) |
- 自律神経の調整 ( 迷走神経優位に )
- 気血循環の改善
- 精神安定 ( 情志ストレスの緩和 )
東洋医学・鍼灸治療の現場からひと言
心房細動の患者さまだけでなく、西洋医学だけでは心配な病気はたくさんあります。
また、西洋医学が得意とする疾患もたくさんありますが、それでも100%保証できる病気だけではありません。
そんな時に、セカンドオピニオン的に鍼灸治療を併用することで、成績を上げる可能性があると考えています。
くれぐれも鍼灸治療で治る!や、これで治る!的な無資格者もいらっしゃるようですが、危険だと思います。
やはり、現代の標準的な医療を逸脱するよりも、そのサポートをすることで、可能性が拡がると考えています。
病気の患者さまに言うのも変ですが、健康な身体、整った身体と乱れた身体ではどちらが治りやすいでしょうか?
また整った身体と乱れた身体では、どちらが薬の効きがよいでしょうか?
もちろん、身体を整えるために、食事や運動などの生活習慣も整えることが大切ですが、その中に鍼灸治療で身体を整えるということが、もっともっと認知されると成績が上がるように思いますし、鍼灸治療の現場から痛感することです。
最後に
お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。
