子どもを出産するか?
それとも出産しないのか?
何歳で出産するのか?
など、人生において、とても大きな問題だと思います。
特に女性の場合は、結婚、妊娠、出産、子育てとあなたのキャリアや人生設計との関係で悩まれている方も多いのではないでしょうか?
また、結婚すれば簡単に子宝に恵まれると思っていたら、なかなか兆候がなく、私は不妊症なのかな?と不安になっている方もいらっしゃるでしょう。
そんなあなたに、病院に行く前に知っておきたい5つのポイントをご紹介します。
不妊症を知ろう
■あなたが不妊症かどうかチェックしましょう
実は、「不妊症」のハッキリとした基準はないのですが、
- 女性が34歳未満の場合:1年間妊娠しない。
- 女性が35歳以上の場合:半年間妊娠しない。
- 女性が40歳上の場合:妊娠を希望した時。
以上の項目に該当する人は、不妊検査が推奨されています。
■不妊症って、どのくらいの人が悩んでいるの?
あくまでも推計なのですが、7組に1組のご夫婦が不妊で悩んでいると言われています。
2012年の15歳~44歳の女性人口は、約2,300万人ですので、約330万人の女性が子宝に恵まれずに悩んでいることになります。
違うデータ見てみましょう。
2013年、病院で卵子を採る、採卵件数は、23万件弱。
そして、病院の不妊治療の末、授かった赤ちゃんは、3万7,953人で、生まれた赤ちゃんの24人に1人の割合です。
■不妊症の原因って?
WHO(世界保健機関)によると、女性の原因41%、男性の原因24%、男女とも24%、不明11%となっています。
不妊症の原因男女比
女性側の原因
- 卵巣機能不全
- 卵管が狭窄や癒着などしている場合
- 子宮筋腫や奇形、発育不全
- ホルモン異常
- 子宮内膜症
- その他
男性側の原因
- 無精子症
- 精路閉鎖
- 性交障害(EDや射精障害)
- ホルモン異常
- その他
が考えられます。
しかし、上記のようにはっきりした原因の分からない「不妊症」や一般的な不妊治療で成果の出ない「難治性不妊症」でお悩みの方が多くなっています。
それは、2014年の女性の初産年齢は全国平均で、30.6歳、男性の初めての赤ちゃんは、平均32.6歳で、高い年齢となっています。
この晩産化が、不妊症で悩み方が多い理由だと考えらています。
では、晩産化が不妊症の原因とすると出産にタイムリミットはあるのでしょうか?
■卵子の数は決められている!
女性が胎児のときに、一生分の卵子が作られ、その後は作ることができないのです。
胎児期に700万個ほど作られ、初潮を迎える年頃には、30万個ほどまで減っているとされています。
そして、妊娠可能な年齢になり、その後も毎日30個ほど卵子を失っていきます。
だいたい毎月1回で、一生の間に、400~500個ほど排卵することになります。卵子のほとんどは排卵されることなく消失してしまっているのです。
胎児に作られた700万個から400~500個の排卵ですから、ものすごい確率だと言えます。
■卵子が休眠から覚めて、排卵されるまで半年かかる
卵子は、胎児の時に作れられてから、休眠状態にあるのですが、活動し始めてから排卵されるまでの仕組みは、まだまだ解明されていません。
しかし、卵子が活動し始めて、成長し排卵されるのまでの期間は約半年かかることが分かっています。
このように、妊娠の初期段階である排卵までに最低半年かかりますから、妊娠計画は長いスパンで考える必要がありそうです。
■不妊症ってどんな検査があるの?
血液検査
ホルモン量を調べます。
※AMH検査
卵巣年齢検査とも呼ばれますが、卵子の在庫を調べます。
特に重要だと思いますので、詳細を下記に書きます。
検査費用は、4,000円~1万円程度。
超音波検査
子宮や卵巣などの基本的な婦人科の病気を調べます。
検査費用は、保険適用できれば、1,500円~6,000円程度。
卵管造影検査
卵管が通じているか?調べる検査。卵管の詰まりが少しの場合、この検査で卵管が通る場合もあります。
検査費用は、5,000円~15,000円程度。
粘液検査
子宮頚管粘液の量や精子が入りやすい粘液に変化しているか、などを知らべます。
検査費用は、保険適用できれば、400~1,000円程度。
精液検査
精子の数、運動率や奇形率を調べます。
検査費用は、保険適用ができれば、400円~1,000円程度。
などがあります。
あなたの妊娠適齢期を知ろう
■出産にタイムリミットはあるの?
一般的に出産可能年齢は、閉経の10年くらい前と言われています。
閉経年齢は、個人差が大きいのですが、平均的には50歳前後ですので、出産のタイムリミットは、40代前半と考えられます。
結婚年齢別、お子さんを授からない確率統計によると、
- 20代前半は、5.7%
- 30代後半は、29.6%
- 40代前半は、64.5%
です。
人生において、ひとりの女性として、また夫婦2人の生き方を考えたうえで、もちろん計画通りいかないのが、妊娠、出産ですが、いつ頃赤ちゃんを迎えるのか?計画を立てたいですよね。
■あなたの妊娠タイムリミットを決める検査項目:AMH検査
AMH(アンチミューラリアンホルモン)は、休眠している卵子が活動を始め、成長するのに関係しているホルモンです。
排卵誘発剤を使って採卵するときに、AMH検査数値の高い人は、たくさん卵子が採れ、数値の低い人は、採卵数が少ないです。
つまり、AMH検査数値の高い人は、卵子を多く持っている可能性が高く、数値の低い人は、卵子も少ない可能性があります。
同じ卵子であるとすると、若い女性の方が妊娠しやすいです。
しかし、若くてもこのAMH検査数値の低い人は、残っている卵子の数が少ない可能性がありますので、早めに妊娠計画を立てた方が良いと考えられます。
また30歳代に入り、妊娠計画を立てる場合、このAMH検査数値によっては、卵子の凍結保存を考えても良いかもしれません。
妊娠計画を早めるにしろ、卵子の凍結保存をするにしてもこのAMH検査は、あなたに残っている卵子数の目安として価値あるものだと考えられます。
妊娠の5段階を知ろう
■妊娠するまでの5段階
- 排卵
- 卵子が卵管内へ移動
- 受精
- 受精卵が子宮へ移動
- 着床
となります。以下詳しく説明します。
1.排卵
女性の卵巣は、新しい卵子をまったく作っていません。女性の卵子は、女性が胎児だったときに、すべて作られ、卵胞という袋の中で休眠状態に入り、そのままずっとその時を待っています。
長く保存されていた卵胞は、少しずつ目覚め、成長します。
しかし、ドクターが超音波検査で見ることができるまで、大きく成長出来るものはごくわずかで、ほとんどが消失してしまいます。
大きく成長したものは、脳からのホルモンの指令を受けて、毎月1個だけが「排卵」されます。
排卵とは、卵胞が大きくなって内部に液体が多くなり、破裂する勢いで、卵子が卵巣の壁を破って外に飛び出すことです。
2.卵子が卵管内へ移動
風船が破裂するように、卵胞が破裂し、その勢いで押し出された卵子は、卵管の先端部にあるラッパ管と呼ばれる「卵管采」に捉えられて、卵管内へ移動します。
3.受精
卵子が卵管に入ったときに、精子と出会えれば、受精する可能性があります。
しかし、卵子は、いつまでも精子を待っていません。
今までは、排卵してから6~12時間だけ受精できると信じられていましたが、最近になって1日以上たった卵子でも出産例が報告されています。
4.受精卵の子宮への移動
受精卵は、分裂と増殖を繰り返しながら、子宮へ向かって卵管を移動します。受精卵は、自分では動けないので、卵管上皮の繊毛運動によって少しずつ運ばれます。
約5~6日後に子宮に到着し、受精卵は100前後の細胞を持つ「胚盤胞」と呼ばれる状態になります。
5.着床
子宮は、成長した受精卵のために「子宮内膜」を厚くして待ち構えています。
もしも、受精卵が来なければ、これが剥がれて「月経(生理)」となります。
受精卵が到着した場合は、受精卵は子宮内膜に埋没し、組織の中に血管を張り始め、胎盤を作る準備し始めます。これが、「着床」です。
以上が、妊娠の5段階です。
不妊の原因は、この5段階のどこかでつまずいているのです。
不妊治療は、このつまずいている段階をスムーズにサポートすることだと言えます。
※ 男性が原因の不妊症の場合、ED(勃起障害)、射精障害や無精子症などは、別記事にする予定ですので、もう少しお待ちください。
5種類の不妊治療法と費用を知ろう
保険適用でない不妊治療については、病院によって違いがありますので、目安と考えて下さい。
- タイミング法
- 排卵誘発
- 人工授精
- 体外受精
- 顕微授精
1.タイミング法とは
基礎体温をつけたり、月経周期により排卵日を予想する方法ですが、
基礎体温は、乱れている人が多く、病院で粘液検査や超音波検査で卵胞の大きさ、血液検査などで、排卵日を正確にしることができます。
1周期当たり1万~2万円。
2.排卵誘発
排卵がない場合や、状態の良くない場合には、卵胞を成長させたり、排卵を促すために排卵誘発剤を併用することもあります。
3.人工授精
男性の精液を子宮内に注入する方法です。
1周期当たり2万~3万円。
4.体外受精
採卵した卵子と精子を受精させ、受精卵を子宮内に戻す方法です。
一種の顕微授精です。
20万円~80万円。
5.顕微授精
体外受精は、精子の力によって受精させるのですが、顕微授精はガラス管等を使って精子を卵子に注入させる受精方法です。
胚移植は、1周期当たり12万~16万円。
■不妊治療費の助成制度があります
「不妊に悩む方への特定支援事業」という国の助成制度があります。
各自治体によって、詳細に多少の違いがありますので、各自治体で確認して下さい。
概要
- 体外受精や顕微授精の治療が対象です。
- 1年度当たり、1回15万円、2回までとして、通算5年支給されます。
- 夫婦合算の所得ベースで730万円の所得制限額があります。
あなたの妊娠力をアップしましょう
■25%の確率
実は、受精してから出産に至る平均的な確率は、25%と考えられています。
若い健康な男女の場合は、1年以内に約8割が妊娠すると言われています。
もしも、あなたに妊娠計画があるなら・・・
もしも、あなたが、なかなか妊娠できないとお悩みなら・・・
あなたの妊娠する力、つまり妊娠力をアップする生活を送りましょう。
■妊娠力アップの鍵はホルモン・バランス
ホルモンは、あなたの身体の働きをスムーズにする指令を行います。
排卵から着床までの妊娠のステップは、女性ホルモンが指令しています。
この女性ホルモンが、まるで綺麗なハーモニーを奏でるようにバランスが良く働けば、あなたの妊娠力はアップします。
■ホルモンバランスを整える5つのヒント
1.食事&サプリメント
タンパク質、脂質、炭水化物のバランスを取りましょう。
葉酸や鉄分の入ったマルチビタミンも役立ちます。
2.運動
ストレッチなどの軽い運動と、歩くことがホルモンバランスを整えます。
3.睡眠
質の高い睡眠は、ホルモンバランスには必須事項です。
夜0時前には、ベッドに入る習慣を。
4.冷え取り
冷えは、ホルモンバランスを乱します。特に下半身を温めるように心がけましょう。
5.リラックス
精神的なストレスは、ホルモンバランスにとって大敵です。
時には、刺激も大切ですが、好きな音楽や環境でリラックスした時間を過ごしましょう。
ストレッチなどのリラックスした軽い運動と、質の良い睡眠習慣が女性ホルモンのバランスを整えてくれます。
また、忙しいあなたにとって、女性ホルモンバランスを整えるエッセンシャルオイルに包まれたバスタイムでリラックスするなどのリラックスタイムも持ちたいものです。
女性ホルモンのバランスを整える代表的なエッセンシャルオイル
クラリセージ、イランイラン、ゼラニウム、フェンネルなど
まとめ
いかがでしたでしょうか?
もしかして不妊症?病院に行く前に知っておきたい5つのポイントをお伝えさせて頂きました。
妊娠力は、年齢によるところが大きいですが、あなたの身体年齢が決め手になります。
つまり、妊娠力アップは、あなたの身体年齢を若返らせることになります。
不妊治療の専門医の力も有力なアイテムとして取り入れることも大切ですが、いつもまでも元気に、綺麗で、輝いている生活を送ることがやっぱり妊娠力にもつながりますよね。
また、妊娠力をアップさせたい方は、こちらもチェックしてみて下さい。