食事療法・食養生法の基本法則

私たちは一人として、同じ人間はいません。
当たり前なのですが、体質も違います。
そこで、近年は、個々人に適した食事法を遺伝子解析により、導き出そうとしていますが、まだ一般化されていません。
繰り返しますが、【正しい食事法は無い】のですが【あなたにとって適した食事法】はあります。
一番大切なのは、あなたにとって適しているか?適していないのか?です。
しかし、個々人の問題をお話しする前に、食事療法・食養生法の基本法則はあります。
では、その食事療法・食養生法の基本法則をみていきましょう。
Contents
医食同源
その名の通り、医療 ( 治療 ) と食事は、同じですよってことです。
鍼灸師からのアドバイス
食事療法は「治療」、食養生法は「健康維持増進」というイメージがありますが、同じなのです。
もっと簡単に言いますと「食事は毒にも薬にもなる!」ということです。
せっかく毎日食事するのですから、楽しく、美味しく、そして美しく健康的な身体を手に入れるものにしたいですよね?!
一物全体 ( いちぶつぜんたい )

「食材・食べ物全体・自然のまま・まるごと食べる!」ということです。
例えば、お米でしたら、精白せずに玄米で食べる。
野菜も皮をむかないで食べる。
などなど、自然のまま食べるということを言います。
鍼灸師からのアドバイス
一物全体、自然のまま食べる……とは言いますが、やはり人間が料理する理由もあります。
ジャガイモの芽にあるソラニン、ほうれん草にあるシュウ酸カルシウムなどは、毒性があることが分かっています。
料理するときには、ジャガイモの芽は取り除きますし、ほうれん草はアク抜きすると思います。
食材を美味しく料理することは、食材の持つ毒性を抜くことになることもあります。
玄米のメリット・デメリット
また、よく聞かれることの一つが、「玄米を食べた方が良いのか?」ということです。
玄米に関しては、賛成・反対・どちらとも言えない、のです。
というのも、かなり個人差があり、また玄米以外の食生活が大きく関係します。
- 玄米のメリット:食物繊維が豊富。ナイアシン、カリウム、マグネシウム、リン、鉄などのビタミン、ミネラルが豊富。
- 玄米のデメリット:残留農薬。消化に悪い。
玄米のメリット | 食物繊維が豊富 ビタミン・ミネラルが豊富 ( ナイアシン、カリウム、マグネシウム、リン、鉄など ) |
玄米のデメリット | 残留農薬 消化に悪い |
上記がよく言われる玄米のメリット、デメリットです。
メリットに関しても、玄米しかできないことではないですし、デメリットも解消できないこともありません。
しかし、患者さんのお身体を拝見し、お話しを伺っていると、食事全体のバランス、個々人の体質を考慮して、玄米にするか?しないか?を決めるのが良いように思います。
さて、なんだか【一物全体】の批判みたいになってしまいましたが、可能な限り、自然のままで食べるのが良いようです。
反対の言い方をすれば「食材を精製しすぎないように食べる!」となるかもしれません。
身土不二 ( しんどふに )
現代流に言えば【地産地消】でしょうか?
つまり「環境に適した食事をする!」ということです。
北海道にいれば、北海道でとれるもの。
沖縄にいれば沖縄料理、ってことです。
そして、四季のある日本で、最も大切なのは、季節によって食材、料理法を変えるということだと思うんです。
つまり「旬を食べる!」ということです。
鍼灸師からのアドバイス
その場所・時によって一番美味しいものを食べる!ってことにつながると思うんです。
同物同治 ( どうぶつどうち )
「治療したい部位と同じものを食べる!」ということです。
「目を治療したければ目を食べる、肝臓を治療したければ肝臓を食べる」ということです。
お肌を綺麗にするために不足がちなコラーゲンを補うために、コラーゲンを食べましょう♪というのも、同物同治の現代版みたいなものかもしれませんね。
ちょっと前なら、フカヒレのゼラチン状のプルプル料理を食べて、「明日の朝は、お肌プルプルだよ~~」という感じでしょうか?
今なら「コラーゲンドリンク」となるかもしれませんね?
鍼灸師からのアドバイス
- お肌をきれいにするために、お顔にヒアルロン酸を注射……
- 膝関節症に、ヒアルロン酸を注射……
なども【同物同治】でしょうか?
私は「似て非なるもの!……違います!」と言いたいです。
私たちの身体は、食べたものでてきています。
そのためには、消化と吸収が必要です。 ( 当たり前ですが )
そして、食べたものが吸収され、体内で、異化と同化という過程が必要になります。
- 異化:食べたものを細かく分解する ( 破壊 )
- 同化:分解された食べ物をし身体組織に再合成する ( 再生 )
異化 | 食べたものを細かく分解する | ( 破壊 ) |
同化 | 分解された食べ物をし身体組織に再合成する | ( 再生 ) |
という過程です。
異化と同化、つまり食べたものの破壊と身体組織の再生と言えるかもしれません。
何事も破壊と再生は必要に思いますが、食事法を考えるときには、もっとも必要なことです。
例えば、手術で肝臓を半分摘出したとします。
肝臓の成分をすりつぶして注射しても、肝臓にはなりません。
筋肉に筋肉線維成分を注射しても、筋肉になりません。
ただ異物として、体外に排泄されるだけです。
排泄出来れば、まだ良いかもしれません。
もしも異物として体内に留まってしまったら、大変です。
食べる ⇒ 消化・吸収する ⇒ 異化・同化する ⇒ 身体を創る
当たり前なのですが、とっても大切なことです。
最後に
お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。
