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【質問】手や足がパンパンに貼れる!実は怖い感染症:蜂窩織炎

 2025/03/16 ライフスタイルと健康 患者さまからの質問 症状・病気
この記事は約 5 分で読めます。
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患者さまからの質問

母が蜂窩織炎になりました。

高熱が出て、片足が異常にむくみました。

蜂窩織炎を検索すると、皮膚の炎症により四肢が腫れるとのこと。

なにが原因で皮膚が炎症を起こすのでしょうか?

完治しますか?

一度掛かると、再発しやすいですか?

異常に腫れるのなぜ?

対処法ある?

普段の生活で気をつけることはある?

蜂窩織炎とは

誰にでも発症する可能性がある蜂窩織炎 ( ほうかしきえん ) 。

早期の対処・治療が重要です。

放置しても治りません。

治療が遅れると、合併症を引き起こす可能性があります。

実は怖い感染症:蜂窩織炎について解説します。

症状

蜂窩織炎は、感染した部位の赤み・腫れ・痛み・発熱を伴うのが一般的です。

症状が進行すると、患部が熱を持ち、触れると圧痛が感じられることが多いです。

重症化すると、リンパ節の腫れや全身性の発熱・寒気・疲労感が出現することもあります。

発生機序

蜂窩織炎は、皮膚の小さな切り傷・裂傷・虫刺されなどから細菌が侵入することにより発生します。

代表的な原因菌としては、黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌 ( 特にグループA連鎖球菌 ) が挙げられます。

これらの細菌は感染部位で以下のような分子レベルでの作用を引き起こします。

細菌の侵入と増殖

細菌は傷口から侵入し、皮下組織に到達すると、自己複製を開始して急速に増殖します。

炎症反応

細菌が産生する毒素や細胞壁成分 ( リポ多糖、ペプチドグリカンなど ) が免疫系に認識され、免疫細胞 (好中球、マクロファージなど ) が動員されます。

この過程で炎症性サイトカイン ( IL-1β、TNF-αなど ) が放出され、炎症反応を促進します。

組織破壊と広がり

細菌が産生する酵素 ( 例えば、ヒアルロニダーゼ、ストレプトキナーゼなど ) が細胞外マトリクスや結合組織を分解し、感染の拡大を助長します。

治療法

蜂窩織炎は早期の治療が重要です。

主な治療法は以下のとおりです。

抗生物質治療

細菌感染であるため、一般的に経口または静脈内投与で抗生物質 ( ペニシリン、セファロスポリン系、もしくは細菌の薬剤耐性を考慮した抗生物質 ) を使用します。

近年は抗生物質耐性菌も増加しているため、薬剤選択は細菌の感受性に応じて行われます。

鎮痛剤の使用

痛みや発熱の緩和にNSAIDs ( 非ステロイド性抗炎症薬 ) を使用することもあります。

局所ケア

患部の清潔を保ち、感染の拡大を防ぐために、ガーゼや包帯で保護することが推奨されます。

また、患部の腫れを抑えるために、患部を高くすることも効果的です。

予後

蜂窩織炎の予後は早期に適切な治療を行えば良好です。

しかし、治療が遅れると次のような合併症を引き起こす可能性があります。

敗血症

感染が血流に広がると、全身性の重篤な炎症反応 ( 敗血症 ) を引き起こし、命に関わる場合があります。

壊死性筋膜炎

蜂窩織炎が重篤化し、深部組織 ( 筋膜 ) にまで感染が拡大すると、組織の壊死を伴う壊死性筋膜炎になることがあり、外科的な切除が必要になります。

リンパ系の障害

蜂窩織炎が再発するとリンパ管の損傷が進行し、慢性的なリンパ浮腫を引き起こすことがあります。

予防法

蜂窩織炎の予防には、日常的なケアが重要です。

皮膚の衛生管理

小さな傷や切り傷でもしっかりと清潔に保ち、消毒することが大切です。

特に糖尿病患者など、免疫が低下している人は感染リスクが高いため、注意が必要です。

皮膚の保湿

乾燥した皮膚はヒビ割れや傷ができやすいため、皮膚を保湿しバリア機能を保つことで、細菌の侵入リスクを下げます。

免疫力の強化

栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動などで免疫力を維持することが、感染症予防に寄与します。

まとめ

蜂窩織炎は早期発見と治療で多くの場合、重症化を防げますが、糖尿病や免疫不全などの基礎疾患がある場合、感染リスクが高まるため、予防ケアを徹底することが重要です。

東洋医学・鍼灸治療からひと言

ホリス治療院の鍼灸治療では、皮膚 ( 観察 ) 医学と言い換えてもよいくらい皮膚を重要視します。

それは、経絡を整えることを重要視していて、皮膚から微小な情報を得て、皮膚にある種の信号を送るというのが、鍼灸治療の神髄だと考えるからです。

今回の蜂窩織炎は、現代では抗生物質で簡単に治るため軽視されがちですが、原因になる黄色ブドウ球菌などの常在菌が繁殖して発症します。

常在菌には、病原菌となる悪玉菌も存在しますが、その繁殖を抑える表皮ブドウ球菌などの善玉菌もいます。

この常在菌のバランスの役割として、常在菌の鍼灸を防ぐバリア機能や免疫系の調節があります。

そして、常在菌のバランスが崩れる原因として、抗菌薬や殺菌剤の乱用、ホルモンの変化、ストレスや栄養不良、基礎疾患 ( 糖尿病や免疫不全など ) があります。

このように、鍼灸医学だけでなく、西洋医学的にも皮膚は大切は臓器ですので、皮膚を健全に保っていきましょうね。

最後に

お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。

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金井 進

金井 進

元気の羅針盤編集長。
ホリス治療院院長、はり師、灸師 ( 国家資格 )。

1994年よりホリス治療院開業。
鍼灸、カイロプラクティック、フィジカルセラピーを融合した独自の治療体系で日夜、患者さんと向き合っています。

30年以上にわたる鍼灸臨床のなかで培った知識と経験をもとに、あなたの困った問題を解決できるような確かな情報をお届けしたいと思っています。

あなたの喜びの声を聞くことほど、私達の仕事に「情熱」と「やりがい」を与えてくれるものはありません。
いいこと・悪いこと、どんなことでも結構です。
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