1. TOP
  2. 女性の健康
  3. [メノポハンド] 更年期障害とは

[メノポハンド] 更年期障害とは

更年期障害について、西洋医学・鍼灸医学・栄養学の3つの観点と、生理学的機序を加えて詳しくお伝えします。

「メノポハンド」も更年期障害の一部として起こりうるので、ここを理解しておくと全体像が見やすくなります。

Sponsored Link

更年期障害

  • 定義 ( 西洋医学 ) 閉経の前後10年 ( おおよそ45〜55歳 ) に、卵巣機能の低下に伴うエストロゲン ( E2 ) 分泌の急減によって起こる心身のさまざまな不調。 不調の中でも生活の質 ( QOL ) を著しく下げるものを「更年期障害」と呼び、それ以外の軽度な症状は「更年期症状」と区別されます。
  • 主な症状
    • 血管運動神経症状:ホットフラッシュ ( のぼせ、発汗 ) 、冷え
    • 精神症状:不安、抑うつ、集中力低下、易疲労感
    • 運動器症状:関節痛、筋肉痛 ( メノポハンド含む )
    • 泌尿生殖器症状:性交痛、膣乾燥感、頻尿、尿失禁
    • 皮膚・粘膜:皮膚乾燥、抜け毛、シワ増加

生理学的な機序

エストロゲンは、全身の細胞にある**エストロゲン受容体 ( ERα, ERβ ) **に結合して遺伝子発現を調節し、多彩な保護作用を持ちます。

更年期障害は、このシグナル経路の急激な減退によって起こります。

主な影響経路

  1. 血管・自律神経系
    1. エストロゲンは血管内皮細胞でNO ( 一酸化窒素 ) 産生を促し、血管拡張と血流改善を行います。
    2. 減少すると血管の収縮・拡張が不安定 → ホットフラッシュや動悸が起こる。
  2. 脳神経系
    1. 視床下部の体温中枢やセロトニン・ドパミン系に影響。
    2. 体温調節閾値が狭まり、ちょっとした刺激で発汗やのぼせが出る。
    3. 神経伝達物質バランスが崩れ、抑うつ・不眠・集中力低下が起こる。
  3. 骨・筋肉
    1. 骨芽細胞のERを介して骨形成を促進し、破骨細胞の活性を抑制。
    2. エストロゲン低下 → 骨吸収優位 → 骨粗鬆症や関節痛
  4. 免疫・炎症制御
    1. エストロゲンは抗炎症性サイトカイン ( IL-10等 ) を増やし、炎症性サイトカイン ( IL-6, TNF-α等 ) を抑制。
    2. 減少により慢性炎症状態となり、関節炎・腱鞘炎・皮膚トラブルが増加。

西洋医学的アプローチ

治療法

  1. ホルモン補充療法 ( HRT )
    1. エストロゲン ( + 黄体ホルモン ) を外から補うことで症状改善。
    2. 骨密度低下予防にも有効。
    3. 乳がん・血栓症リスクを考慮し、医師判断のもと実施。
  2. 非ホルモン療法
    1. 漢方薬 ( 加味逍遙散、当帰芍薬散など )
    2. SSRI / SNRI ( 抑うつやホットフラッシュに有効 )
  3. 局所治療
    1. 膣エストロゲンクリームで性交痛や乾燥改善。

鍼灸医学的解釈

  • 更年期障害は「腎虚」「肝鬱」「気血両虚」として説明されることが多い。
    • 腎虚:加齢やホルモン低下による精気不足 → 骨・髪・耳・生殖機能の衰え。
    • 肝鬱:自律神経失調や精神不安 → のぼせ・イライラ。
    • 気血両虚:血行不良 → 冷え・こわばり・疲労。
  • 鍼灸での主な効果
    • 自律神経調整 ( 交感・副交感のバランス回復 )
    • 局所の血流改善
    • 免疫・内分泌系の緩やかな調整

栄養学的アプローチ

  1. 植物性エストロゲン摂取
    1. 大豆イソフラボン ( エクオール産生者は特に有効 )
    2. 亜麻仁リグナンなど
  2. 抗炎症食
    1. オメガ3脂肪酸 ( 青魚、亜麻仁油 )
    2. 抗酸化ビタミン ( C, E, βカロテン )
    3. ポリフェノール ( 緑茶、カカオ )
  3. 骨と筋肉の維持
    1. カルシウム、ビタミンD、マグネシウム
    2. 十分なたんぱく質摂取 ( 体重1kgあたり1.0〜1.2g / 日 )

軽減法・予防法 ( 実践例 )

方法目的分子生物学的裏付け
有酸素運動 ( 週150分 ) 自律神経安定、骨密度維持NO産生増加、骨芽細胞活性化
大豆製品毎日摂取植物性エストロゲン補充ERβへの選択的結合
良質な睡眠ホルモン分泌・炎症抑制メラトニン増加による抗酸化作用
鍼灸・温熱療法血流改善、自律神経調整局所HSP ( ヒートショックプロテイン ) 誘導
ストレス管理コルチゾール過剰抑制HPA軸の過負荷軽減

予後

  • 適切に対応すれば数年〜十数年で自然軽快する例が多い。
  • 放置すると骨粗鬆症、動脈硬化、関節変形 ( メノポハンド含む ) など長期的合併症につながる。

最後に

お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。

この記事のタイトルとURLをコピーする
Sponsored Link

\ SNSでシェアしよう! /

元気の羅針盤の注目記事を受け取ろう

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

元気の羅針盤の人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!
Sponsored Link

フォトライター紹介 フォトライター一覧

金井 進

金井 進

元気の羅針盤編集長。
ホリス治療院院長、はり師、灸師 ( 国家資格 )。

1994年よりホリス治療院開業。
鍼灸、カイロプラクティック、フィジカルセラピーを融合した独自の治療体系で日夜、患者さんと向き合っています。

30年以上にわたる鍼灸臨床のなかで培った知識と経験をもとに、あなたの困った問題を解決できるような確かな情報をお届けしたいと思っています。

あなたの喜びの声を聞くことほど、私達の仕事に「情熱」と「やりがい」を与えてくれるものはありません。
いいこと・悪いこと、どんなことでも結構です。
是非、あなたの声をお聞かせ下さい。

この人が書いた記事  記事一覧

  • 【質問】メノポハンドとは?<更年期障害の症状別セルフケア&食事プラン表:ツボ押し・運動・予防法まで完全ガイド>

  • [メノポハンド] 更年期障害とは

  • [メノポハンド] 更年期障害<症状別セルフケア&食事プラン表>

  • 【質問】舌下神経電気刺激療法後に必須!<舌・喉の筋トレ&鍼灸セルフケアで再発を防ぐ方法>

関連記事

  • 【質問】急性硬膜下血腫と慢性硬膜下血腫の違い<症状・原因・治療・予防を西洋医学・鍼灸・栄養学から解説>

  • 【鍼灸院お墨付き】俄然、差がつく運動!「もも上げ歩き」の動画紹介

  • 背骨や骨盤の歪みチェック方法 & 超簡単!骨盤の歪みを取り除く「膝立て運動」

  • 開業32年目を迎えた【臨床鍼灸師】の本音を語っちゃいます

  • Vegetarianはマイノリティー?ソーシャルミックスという生き方

  • おこしやす in 春の京都「おばんざい」とVegan カフェ