[メノポハンド] 更年期障害とは

更年期障害について、西洋医学・鍼灸医学・栄養学の3つの観点と、生理学的機序を加えて詳しくお伝えします。
「メノポハンド」も更年期障害の一部として起こりうるので、ここを理解しておくと全体像が見やすくなります。
Contents
更年期障害
- 定義 ( 西洋医学 ) 閉経の前後10年 ( おおよそ45〜55歳 ) に、卵巣機能の低下に伴うエストロゲン ( E2 ) 分泌の急減によって起こる心身のさまざまな不調。 不調の中でも生活の質 ( QOL ) を著しく下げるものを「更年期障害」と呼び、それ以外の軽度な症状は「更年期症状」と区別されます。
- 主な症状
- 血管運動神経症状:ホットフラッシュ ( のぼせ、発汗 ) 、冷え
- 精神症状:不安、抑うつ、集中力低下、易疲労感
- 運動器症状:関節痛、筋肉痛 ( メノポハンド含む )
- 泌尿生殖器症状:性交痛、膣乾燥感、頻尿、尿失禁
- 皮膚・粘膜:皮膚乾燥、抜け毛、シワ増加
生理学的な機序
エストロゲンは、全身の細胞にある**エストロゲン受容体 ( ERα, ERβ ) **に結合して遺伝子発現を調節し、多彩な保護作用を持ちます。
更年期障害は、このシグナル経路の急激な減退によって起こります。
主な影響経路
- 血管・自律神経系
- エストロゲンは血管内皮細胞でNO ( 一酸化窒素 ) 産生を促し、血管拡張と血流改善を行います。
- 減少すると血管の収縮・拡張が不安定 → ホットフラッシュや動悸が起こる。
- 脳神経系
- 視床下部の体温中枢やセロトニン・ドパミン系に影響。
- 体温調節閾値が狭まり、ちょっとした刺激で発汗やのぼせが出る。
- 神経伝達物質バランスが崩れ、抑うつ・不眠・集中力低下が起こる。
- 骨・筋肉
- 骨芽細胞のERを介して骨形成を促進し、破骨細胞の活性を抑制。
- エストロゲン低下 → 骨吸収優位 → 骨粗鬆症や関節痛。
- 免疫・炎症制御
- エストロゲンは抗炎症性サイトカイン ( IL-10等 ) を増やし、炎症性サイトカイン ( IL-6, TNF-α等 ) を抑制。
- 減少により慢性炎症状態となり、関節炎・腱鞘炎・皮膚トラブルが増加。
西洋医学的アプローチ
治療法
- ホルモン補充療法 ( HRT )
- エストロゲン ( + 黄体ホルモン ) を外から補うことで症状改善。
- 骨密度低下予防にも有効。
- 乳がん・血栓症リスクを考慮し、医師判断のもと実施。
- 非ホルモン療法
- 漢方薬 ( 加味逍遙散、当帰芍薬散など )
- SSRI / SNRI ( 抑うつやホットフラッシュに有効 )
- 局所治療
- 膣エストロゲンクリームで性交痛や乾燥改善。
鍼灸医学的解釈
- 更年期障害は「腎虚」「肝鬱」「気血両虚」として説明されることが多い。
- 腎虚:加齢やホルモン低下による精気不足 → 骨・髪・耳・生殖機能の衰え。
- 肝鬱:自律神経失調や精神不安 → のぼせ・イライラ。
- 気血両虚:血行不良 → 冷え・こわばり・疲労。
- 鍼灸での主な効果
- 自律神経調整 ( 交感・副交感のバランス回復 )
- 局所の血流改善
- 免疫・内分泌系の緩やかな調整
栄養学的アプローチ
- 植物性エストロゲン摂取
- 大豆イソフラボン ( エクオール産生者は特に有効 )
- 亜麻仁リグナンなど
- 抗炎症食
- オメガ3脂肪酸 ( 青魚、亜麻仁油 )
- 抗酸化ビタミン ( C, E, βカロテン )
- ポリフェノール ( 緑茶、カカオ )
- 骨と筋肉の維持
- カルシウム、ビタミンD、マグネシウム
- 十分なたんぱく質摂取 ( 体重1kgあたり1.0〜1.2g / 日 )
軽減法・予防法 ( 実践例 )
方法 | 目的 | 分子生物学的裏付け |
---|---|---|
有酸素運動 ( 週150分 ) | 自律神経安定、骨密度維持 | NO産生増加、骨芽細胞活性化 |
大豆製品毎日摂取 | 植物性エストロゲン補充 | ERβへの選択的結合 |
良質な睡眠 | ホルモン分泌・炎症抑制 | メラトニン増加による抗酸化作用 |
鍼灸・温熱療法 | 血流改善、自律神経調整 | 局所HSP ( ヒートショックプロテイン ) 誘導 |
ストレス管理 | コルチゾール過剰抑制 | HPA軸の過負荷軽減 |
予後
- 適切に対応すれば数年〜十数年で自然軽快する例が多い。
- 放置すると骨粗鬆症、動脈硬化、関節変形 ( メノポハンド含む ) など長期的合併症につながる。
最後に
お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。
