海の宝石と砂漠
エメラルドグリーンに身を包まれると贅沢な雰囲気に包まれる。
極上の時間。
でも
潜ったら珊瑚の白化に驚いた。
10年前はこんなだった….?
「海のオアシス」
サンゴ礁は、地球上の生物がつくる最大の構造物であり、一見、植物に見えますが生物学的にはクラゲやイソギンチャクと同じ刺胞動物に分類される動物でオスとメスの区別はなく雌雄同体(しゆうどうたい)という不思議な生き物です。
そのサンゴを住処としている可愛いニモなどのコーラルフィッシュをはじめ、世界の海に生息する50万種の動物のうち4分の1はサンゴ礁域に暮らしているといわれています。
サンゴのメカニズムと白化現象
サンゴは森林と同じように二酸化炭素を取り込み、酸素を作り出すメカニズムを持ち、その体内には褐虫藻と呼ばれる単細胞の藻類が共生し、どちらかに負荷がかかれば両者は生きていくことはできません。
サンゴは酸素を吸収し二酸化炭素を排出し、サンゴが出した二酸化炭素を褐虫藻は吸収し光合成を行い酸素を放出します。
そのサンゴと褐虫藻の必要不可欠な関係のお陰で「CO2は吸収、そしてO2が放出」され、褐虫藻の色素がサンゴを美しく見せています。
この酸素を作り出すメカニズムを失った状態が白化状態となります。
お互いのバランスが崩れると色褪せてしまう。。
人間のpH値やストレスも崩れたら体調を崩しちゃう。
海のなかでも同じ。
出典:NO SEA NO LIFE
サンゴの役割
主なサンゴの役割として
・コーラルフィッシュの住処、産卵や稚魚の育つ場所。
・海岸を高波などから守る役割(バリアリーフとも呼ばれているように、強い海流や高波を和らげる防波堤として、海岸を守っています。)
・海水のCO2濃度調節(サンゴおよびサンゴ礁がなければ、CO2濃度のバランスが崩れ、海洋生物すべてに大きな影響があるといわれています。)
白化現象の主な要因
南半球のサンゴ礁では97年頃から、観察されていたそうですが米国海洋大気庁が発表したデータによると、白化現象の発端は人類史上最も暑い夏を経験することとなった、2015年頃からの強烈な「エルニーニョ現象」と見ている。
他にも海水温度の高低がありすぎたり、紫外線が強すぎたり弱すぎたりすると、「褐虫藻」がいられなくなり、サンゴが死んでいきます。
記録的な海水温の上昇により、現在もなお、世界的にサンゴの死滅による白化が過去最悪のペースで進行中だといわれています。
地球規模で考えると台風は無くてはならない存在
「サンゴの色がないですね。。」と船長さんに話すと
「去年の沖縄は例年に比べて台風が少なく、海水温が上昇し、その結果、多くのサンゴが白化した」と話す。
台風の影響で水中の酸素も少なくなって珊瑚に負荷を与えたのだそうだ。
海水をかき混ぜ、海水温を下げて、海中に酸素をおくるのが台風の役割。
気温を調整する扇風機みたいな役割で、台風は私たちに被害を及ぼすけど地球にとっては必要な存在なんだ。。
沖縄に住むダンテさんという知人のかたがいます。
環境を考え、定期的にダイビングをして、海の掃除をしているのですが、大きなタンクを背負い、ゴミを拾うのは簡単なものじゃないと思います。
しかし、人間同様、地球にも健康診断が必要です。
海の健康診断。。。例えばリーフチェック。
レジャーダイバーと海の科学者による世界最大の国際的なサンゴ礁調査のことで、1997年にアメリカを拠点に始まりました。
出典*自然体験学習支援センター
人間の快適な生活が重要視されていけばいくほど、家庭で使っている電気やガスを消費するCO2、放射能物質、農薬。
こうした地球の声を聞こうと1997年の第一回目のリーフチェックでは31カ国750人以上のボランティアダイバー、他、科学者たちがサンゴ礁の健全調査を行い、以降、現在までも毎年行われています。
美しかった沖縄の海。
夢なら覚めないでほしいと思うほど地球の体調は確実に傾きかけていた。
健康も身体もこの自然があってこそ成り立っている。
生きていくための地球とのバランスの大切さを教えてくれた。