仕事や会社での嫌なことのひとつに、クライアントさんやお客さんからの苦情の電話や対応がありますよね。
クレーマーという言葉が認知されているくらい多い悩みです。
このクレーマー対応法は、トラブルを大きくしないで、うまく収めることが大切だと考えがちです。
早くトラブルを終わらせるように、「よく話を聞きましょう!」って言われるのですが、実はこれ、NGなんです。
ただ単にトラブルを収めるだけでなく、クレーマーから「ありがとう」と言われ、クレーマーがあなたの協力者になる傾聴の5つのスキルとモンスター・クレーマーの4タイプ攻略法をお話しします。
クレーマーは終着点を考えていない!
実は、クレーマーが困るのは、お客さんは怒ることが目的で、解決策や終着点を、実は考えていないのです。
ですから、「話をよく聞きましょう!」ってアドバイスにしたがっていくとダラダラと怒りのはけ口になり、愚痴を聞き続けて1時間・・・なんてことになりかねません。
そこで、覚えておきたいクレーマー対応法、5つの傾聴スキルをご紹介します。
覚えておきたいクレーマー対応法、5つの傾聴スキル
傾聴とは、カウンセリングやコーチングなどで使用される聞く行為の事です。
私たちの通常の会話での聞く行為は、“受け身”的に相手の話を聞く場合が多いと思います。
傾聴とは、話をよく聞く行為とされやすいですが、もう一歩踏みこんで、話し相手に働きかけて、自ら進んで話を聞く行為のことです。
クレーマー対応で必要な傾聴のスキルとは、クレーマーの態度を変え、あなたやあなたの会社の味方やファンなどの協力者になってもらうことを目標とします。
1.傾聴する態度
例え、理不尽な言いがかりとあなたが感じても、十分に恐縮した態度と話を聞く態度を崩さないようにしましょう。
クレームの内容にあなたが納得できれば、自然と恐縮姿勢はできると思います。
反対に、クレーム内容が理不尽なことが多いのがクレーマーのクレーマーたるゆえんです。言いがかりと感じることも多いのではないでしょうか?
そんな時には、もちろんクレーム内容を同意することはありません。
しかし、クレーマーであるお客さんの怒りなどの気持ちは同意できるのではないでしょうか?
気持ちに耳を傾ける態度がポイントになります。
2.うなずきとあいづち
普段よりも大きなジェスチャーを意識して、「聞いていますよ」・・・という意思表示をしましょう。
しかし、クレームを言われているとき、恐縮姿勢をするあまり、下向きになり過ぎてしまう傾向にあります。時々、相手の目を見てうなずいたり、相槌をするようにしましょう。
3.オウム返し
相手の言ったことをそのまま繰り返すことです。
例えば、お客さんに、
「買ったばかりなのに、壊れているのはどういうことなんだ!」
と怒鳴り込まれたとします。それをそのまま、
「買ったばかりで、壊れたんですね。」
って事実を繰り返すことを言います。
4.共感のことば
相手の気持ちを汲み取るようにしましょう。
例えば、お客さんが、
「買ったばかりなのに、壊れているのはどういうことなんだ!」
と強い口調で怒鳴っていたとします。
「買ったばかりで、壊れたんですね。それは、お怒りになって当然ですよね。」
と、オーム返し(事実)に気持ち(感情)をくみ取って、気持ちを分かり合うようにします。
5.解決策を質問する
お客さんのクレーム内容を、まとめて確認するようにしましょう。
その上で、お客さんの望む形を質問形式で提案します。
例えば、
「買ったばかりなのに、壊れているはどういうことなんだ!」
とのトラブルに対して、オーム返し(事実確認)と共感の言葉(気持ちを分かり合う)で、いったんクレーム内容をまとめます。その上で、
「新品の品と交換でよろしいでしょうか?」
や
「一番早く修理するということでよろしいでしょうか?」
などとお客さんに選択してもらえるように改善策を提案します。
繰り返しになりますが、とにかく早く無難に収めようと聞き流すよりも、もう少し踏み込んで、相手の気持ちを理解するように聞きとることを目的にすることで、クレーマーの激しい怒りの気持ちを沈め、解決策を導き出すことが出来ます。
しかし、そう簡単にいかないのが、モンスター・クレーマーの存在です。
そんなモンスター・クレーマーの怒りの裏に隠された気持ちの4タイプをお話しします。
モンスター・クレーマーの4タイプ攻略法
1.ジャッジマン・タイプ(正義の味方)
常に自分の価値観や行為が正しいと信じているタイプです。
物事を善悪で判断しやすく、自分の価値感以外を悪と判断します。そして、それを正すこと、つまり、クレームを言うことが、正義であり、世の中のためになると信じているタイプです。
2.アテンションプリーズ・タイプ(私に注目して)
とにかく話を聞いてほしいタイプです。
自分に注目してほしいために、クレームを言っています。寂しさの裏返しと言えるかもしれません。あたかも幼い子どもがママに注目してほしいために、いたずらをするのに似ています。
3.マイルール・タイプ
自分のルールであるマイルールがすべて正しいと信じているタイプです。
最近はこのマイルール・タイプが増えているようです。
例えば、スーパーなどで、レジ後の商品を置く順番、野菜の上に冷凍食品を置かない、6本入りのビールを縦に置く、横に置く・・・など、マイルールが満たされないと怒りだし、クレームを言うタイプです。
4.クレクレ・タイプ
ちょっとしたミスに乗じて、おまけや金銭を要求するタイプです。
自分のお得だけを考えている自己中心的なタイプです。
モンスター・クレーマーの4タイプ別攻略法
1.ジャッジマン・タイプ(正義の味方)
とにかく自分の言っていることが正義だと信じているので、その信じている正義をオーム返しを使って、承認します。例えば、
お客さん:「買ったばかりなのに、壊れてどういうことなんだ!」
あなた:「買ったばかりで壊れるなんて、許せないですよね?!」
以外にここで、次の言葉を失ってしまうお客さんが多いんですが、強者のジャッジマン・タイプだと、
お客さん:「そうだろ?許せないだろ?どうしてくれるんだ!」
と食い下がってきます。
あなた:「メーカーには、強くクレーム入れておきます。申し訳ありませんでした。○○さんのように、当店を愛して、ご指導頂けると助かります。ありがとうございます。・・・・もしも、よろしければ新しい製品と交換でさせて頂きます。よろしいでしょうか?」
とジャッジマンさんの正義感を満たすような対応を目指しましょう。
2.アテンション・プリーズ・タイプ(私に注目して)
なかなか短時間で処理するのが、難しいタイプです。
なぜなら、クレームを通して話をすること、注目を集めることが目的なのですから。
そこで、「気にかけ」言葉を使います。
例えば、
お客さん:「買ったばかりなのに、壊れてどういうことなんだ!」
あなた:「それは、ご不便だったでしょ?」や「壊れていて、お怪我はなかったですか?」
などなど、お客さんのことにフォーカスして、心遣い、気づかいを表しましょう。
3.マイルール・タイプ
少人数のお客さんを対象にしている場合は、それぞれのお客さんの好みを覚えるのは、プロとして必要な努力だと思いますが、たくさんのお客さんを対象にしている場合は、とても個別対応ができません。
例えば、レジで、
お客さん:「冷凍食品を野菜の上に重ねておくのって、どういうことなの?」
あなた:「申し訳ありません、野菜の上に冷凍食品が重ならないように置くのですね?承知しました。いつもご指導ありがとうございます。次回から、冷凍食品は重ねないように、申しつけ頂けますでしょうか?」
マイルールを先に言ってもらえるように、一言付け加えるようにしましょう。
4.クレクレモンスター・タイプ
ちょっと間違えると犯罪に近いタイプですので、ある程度、こちらのスタンスを厳しくする必要があります。
しかし、要求をオーム返しすることで、跳ね返すことも可能な場合もあります。
例えば、
お客さん:「買ったばかりなのに、壊れてどういうことなんだ!損害を補償しろ!」
あなた:「お怒りの気持ちはごもっともです。申し訳ありませんでした。損害を補償するとは、新しい製品と交換でよろしいでしょうか?それとも賠償金をご請求でしょうか?」
クレーム内容(事実)とお客さんの気持ちをしっかりと受け入れた上で、はっきりと金品を請求しているのか?尋ねてしまいましょう。
お客さんと向き合うな!
もうお気づきかもしれませんが、このクレーマー対応で大切なのは、クレーマーであるお客さんを協力者にすることなんです。
つまり、お客さん対あなたやお店(会社)側と、正面から相対して向き合うのではなく、便利なお店やより良い会社になるように、お客さんとあなたやお店(会社)側が同じ方向を向くように話をすることなんです。
そんな視点を持ちながら、お客さんと話し、クレーマー対応してみて下さいね。
まとめ
「モンスター・クレーマー対応法、5つの傾聴スキルと4タイプ別攻略法 」は、いかがだったでしょうか?
もしも、具体的事例で、どう対応したら、良いのか?疑問などありましたら、下のコメント欄にご記入いただけましたら、一緒に考えさせて頂きます。
また、あなたのコミュニケーションを上げる方法に興味があるようでしたら、こちらもチェックして下さいね。
そして、あなたが、ストレスから解放される方法に興味があるようでしたら、こちらもチェックして下さいね。
うちの会社は車屋さんなのですが、車のエンジン音、子供のはしゃぎ声にも敏感で、ちょっとエンジンをふかしただけ、(車のエンジンが止まりそうだったため、何度かふかし、暖気時間は10分程度)会社に電話してくるクレーマーがいます。しかも日曜日の昼間11:50ごろです。
その男性は10年前からそう音のことで社長とやり合っていて、環境局にクレームをいれたり、嫌がらせのファックスをいれたり、いつか放火されるのではないかと社長も不安でいっぱいみたいです。
私は初めてお会いし、私のことはあなたは初めてだから気にしなくていいと、その方は言ってますが、社長には喧嘩口調で静かにさせろと怒鳴ったり、恐喝に近い口調で話してました。
社長としてはその男性は、謝罪に行っても、ひきこもりで出てこないみたいで、放火されるのではないか、ととても不安です。
このままでは私もクビになりそうです。
逆に言えば、そのクレーマーさえ、攻略すれば、なんとかなるので、どうしたらよいでしょうか?
イソガイさま
コメントありがとうございます。詳細が分からない個別の相談に、安易に回答することは不誠実だと思いますので、あくまでも一般論としてお聞きください。
ご近所さんとの騒音トラブルって、なかなか難しいようです。
≫謝罪に行っても、ひきこもりで出てこないみたいで、
とこのことですが、この男性の事情をもっと詳しくお聞きしてみてはいかがでしょうか?
クレームを入れてくるのが、日曜日の11:50頃ということですので、平日勤務のサラリーマンで、休みの日はゆっくり寝ていたいのかもしれません。
または、夜勤のお仕事で、日中寝ていたいのかもしれません。
まずは、相手の事情を把握して、妥協点を探すようにしてはいかがでしょうか?
というのが、一般的な回答になると思います。
しかしながら、一般的な常識が通用しない方もいらっしゃいます。
例えば、こちら側が、歩み寄っても、妥協点が探せない・・・
クレームを言うこと自体が目的(言い換えると八つ当たり的な相手の怒りが他にある場合など)の場合は、話し合ってもなかなか改善されないことも多いようです。
話し合ってみて、放火など危ないと感じた時には、警察など公的機関への相談もした方がいいかもしれません。
繰り返しますが、少ない情報の中での一般的な回答と受け取って頂けると幸いです。
クレームを入れる男性と和解できる日が早く訪れ、より平穏な生活が送れますようにお祈りして、回答とさせて頂きます。