東洋医学・鍼灸医学独特の概念:心包 ( しんぽう )
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Contents
鍼灸医学的な「心包経絡」の意味
●基本定義
- 臓腑分類:「心包」は“奇恒の腑”ともされ、臓と腑の中間的存在
- 五臓との関係:心の「外衛」、心臓を直接守る“盾”
- 生理機能:
- 心の熱や邪気を代わりに受ける
- 感情 ( 特に喜・憂・悲 ) との関係が深い
- 血脈の流れと意識の調整を補助
鍼灸医学的な 「心包経絡」の意味 | 基本定義 |
---|---|
臓腑分類 | 「心包」は“奇恒の腑”ともされ、臓と腑の中間的存在 |
五臓との関係 | 心の「外衛」、心臓を直接守る“盾” |
生理機能 | 心の熱や邪気を代わりに受ける 感情 ( 特に喜・憂・悲 ) との関係が深い 血脈の流れと意識の調整を補 |
●経絡との関係
- 心包経 ( 手の厥陰経 ) :前腕~胸部~心に達する経絡
- 主な経穴:内関 ( P6 ) 、大陵 ( P7 ) 、天池 ( P1 )
経絡との関係 | |
---|---|
心包経 ( 手の厥陰経 ) | 前腕~胸部~心に達する経絡 |
主な経穴 | 内関 ( P6 ) 、大陵 ( P7 ) 、天池 ( P1 ) |
西洋医学的に「心包」の正体とは?
●対応する解剖学的構造:心膜 ( pericardium )
- 心臓を包む二重膜構造
- 機能:
- 心臓の物理的保護 ( 衝撃・摩擦の軽減 )
- 心拍出量や心拍数の安定化に寄与
- 心臓を異物や感染から守る
対応する解剖学的構造:心膜 ( pericardium ) |
---|
心臓を包む二重膜構造 |
<機能> ・心臓の物理的保護 ( 衝撃・摩擦の軽減 ) ・心拍出量や心拍数の安定化に寄与 ・心臓を異物や感染から守る |
生理学的・神経生理学的観点
東洋の「心包」
- 心を精神的・感情的に守る:HPA軸 ( 視床下部-下垂体-副腎系 ) によるストレス応答
- 血脈を守る:自律神経 ( 交感・副交感 ) による心拍・血圧調整
- 外界からの邪気を受け止める:炎症反応、サイトカインバリア ( IL-6, TNF-αなど )
- 情緒と連動:セロトニン・オキシトシン・ドーパミン系による感情調節機構
東洋の「心包」 | 生理学的機能 |
---|---|
心を精神的・感情的に守る | HPA軸 ( 視床下部-下垂体-副腎系 ) によるストレス応答 |
血脈を守る | 自律神経 ( 交感・副交感 ) による心拍・血圧調整 |
外界からの邪気を受け止める | 炎症反応、サイトカインバリア ( IL-6, TNF-αなど ) |
情緒と連動 | セロトニン・オキシトシン・ドーパミン系による感情調節機構 |
栄養学的にサポートする栄養素
機能 | 必要栄養素 | 例 |
---|---|---|
心電図の安定 | マグネシウム、カリウム、オメガ3 | 魚、ナッツ、バナナ |
ストレス応答制御 | ビタミンB群、アダプトゲン系栄養素 ( Rhodiola、アシュワガンダ ) | レバー、玄米、薬草茶 |
抗炎症 | ビタミンC・E、セレン、ポリフェノール | 緑茶、ブルーベリー、くるみ |
心包の失調:症状・鍼灸・対応疾患
症状 | 東洋的所見 | 西洋的対応 | 鍼灸例 |
---|---|---|---|
胸のつかえ・痛み | 心包絡の気滞・瘀血 | 狭心症、不安障害 | 内関、大陵、膻中 |
不安・不眠・情緒不安 | 心包熱・心神不寧 | 不安神経症、自律神経失調 | 神門、心兪、内関 |
高熱・発汗・発作性症状 | 外感熱邪が心包に侵入 | ウイルス性心膜炎、心因性発熱 | 十宣、曲沢、労宮 |
まとめ:「心包」とは何か?
視点 | 解釈 |
---|---|
鍼灸医学 | 心を守り、感情や熱を調整する“盾” |
解剖学 | 心膜 ( Pericardium ) =物理的保護膜 |
分子生物学 | HPA軸・神経免疫系・サイトカイン防御系 |
栄養学 | ストレス・炎症・自律神経に関わる栄養素でサポート |
最後に
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