【質問】虫刺されに刺されやすい体質とは?<体質別対策、原因と改善法、湿熱・瘀血・気虚タイプ分けチェックリスト付>


Contents
患者さまからの質問
春から夏、特に夏は虫刺されが多くなります。
アブやブユに刺されると、患部周辺が広範囲で腫れてカチカチに硬くなります。
虫に刺されると、患部が腫れるのはなぜですか?
ハチはアナフィラキシーショックを起こすけど、ハチ以外にもショック症状を起こす虫はいますか?
虫に刺されないためにどうしたらいいですか?
虫に刺されやすい人、刺されにくい人の違いは? 刺されたらどうしたらいい?
回答
ご質問、ありがとうございます。
虫刺されは春から夏にかけてとても多く、特にアブやブユ ( ブヨ ) などの刺咬による症状は強く出やすいため、理解と対策が重要です。
今回はご質問に沿って、西洋医学・鍼灸医学・栄養学・生理学的解釈を交えて以下の順で詳しく説明します。
虫刺されの全体像
なぜ腫れるのか? ( 生理学的メカニズム )
① 虫の唾液や毒素による免疫反応
- 虫 ( ブユ、アブ、蚊など ) は皮膚に唾液成分・毒素・消化酵素を注入する
- これらの成分は**異物 ( 抗原 ) **として認識される
- 肥満細胞 ( mast cell ) からヒスタミンや**サイトカイン ( IL-4, IL-5, IL-6, TNF-αなど ) **が放出される
- 血管透過性が亢進 → **浮腫 ( 腫れ ) **が起きる
- 好酸球・好中球などの白血球が局所に集まり、発赤・疼痛・硬結が生じる
- ブユやアブは皮膚を噛み切る ( 咬刺 ) ため傷が大きく、炎症反応が強くなる傾向がある
①虫の唾液や毒素による免疫反応 |
---|
虫 ( ブユ、アブ、蚊など ) は皮膚に唾液成分・毒素・消化酵素を注入する |
これらの成分は**異物 ( 抗原 ) **として認識される |
肥満細胞 ( mast cell ) からヒスタミンや**サイトカイン ( IL-4, IL-5, IL-6, TNF-αなど ) **が放出される |
血管透過性が亢進 → **浮腫 ( 腫れ ) **が起きる |
好酸球・好中球などの白血球が局所に集まり、発赤・疼痛・硬結が生じる |
ブユやアブは皮膚を噛み切る ( 咬刺 ) ため傷が大きく、炎症反応が強くなる傾向がある |
② 硬くなる理由
- 強い局所炎症により、組織の線維芽細胞が活性化し、一時的に膠原線維 ( コラーゲン ) や細胞間マトリクスの沈着が増加 → 触ると「カチカチ」に感じる
- 血管の漏れで組織内にフィブリンが沈着することも硬結の一因
② 硬くなる理由 |
---|
強い局所炎症により、組織の線維芽細胞が活性化し、一時的に膠原線維 ( コラーゲン ) や細胞間マトリクスの沈着が増加 → 触ると「カチカチ」に感じる |
血管の漏れで組織内にフィブリンが沈着することも硬結の一因 |
ハチ以外でショック症状を起こす虫は?
① アナフィラキシーショック
- ハチ ( スズメバチ、アシナガバチなど ) が典型
- アナフィラキシーショックは即時型I型アレルギー反応による全身性血管透過性亢進と血圧低下が原因
① アナフィラキシーショック |
---|
ハチ ( スズメバチ、アシナガバチなど ) が典型 |
アナフィラキシーショックは即時型I型アレルギー反応による全身性血管透過性亢進と血圧低下が原因 |
② その他の例
虫の種類 | ショック症状の報告例 |
---|---|
ブユ ( ブヨ ) | まれに全身蕁麻疹や血圧低下あり |
アブ | アナフィラキシー報告例あり |
ダニ ( マダニ ) | まれにアナフィラキシー ( 特にα-gal アレルギーなど特殊例 ) |
毛虫 ( チャドクガ ) | アナフィラキシー様症状報告あり |
蚊 | 極めてまれ ( 高感作例にてアナフィラキシーの報告あり ) |
※アブ・ブユは油断禁物、過去に重度に腫れた経験がある人は注意。
虫に刺されないために
① 生活上の工夫
- 長袖長ズボン、帽子、靴下着用 → 特に山間部や渓流周辺では有効
- **虫除けスプレー ( ディート・イカリジン ) **の適切な使用
- 明るい色の服装を着る(黒色は虫が好む )
- 汗・皮脂はこまめに拭く ( 乳酸、アンモニア臭を嫌う虫も多い )
虫に刺されないために:生活上の工夫 |
---|
長袖長ズボン、帽子、靴下着用 → 特に山間部や渓流周辺では有効 |
**虫除けスプレー ( ディート・イカリジン ) **の適切な使用 |
明るい色の服装を着る(黒色は虫が好む ) |
汗・皮脂はこまめに拭く ( 乳酸、アンモニア臭を嫌う虫も多い ) |
② 鍼灸医学的アプローチ ( 体質改善的観点 )
- 湿熱・瘀血 ( おけつ ) 体質の人は虫刺されや腫れが重くなりやすい
- 予防的に健脾利湿・活血化瘀の治療 ( 鍼灸+漢方 ) が有効
- 例)陰陵泉、曲池、血海などへの施灸や鍼治療
虫に刺されないために:鍼灸医学的アプローチ |
---|
湿熱・瘀血 ( おけつ ) 体質の人は虫刺されや腫れが重くなりやすい |
予防的に健脾利湿・活血化瘀の治療 ( 鍼灸+漢方 ) が有効 |
虫に刺されやすい人・刺されにくい人の違い
① 生理学的な違い
刺されやすい人 | 刺されにくい人 |
---|---|
体温が高い ( 基礎代謝が高い ) | 体温が低め |
汗をかきやすい | 乾燥肌・汗が少ない |
呼気の二酸化炭素が多い ( 運動直後など ) | 呼気中CO2が低め |
皮膚常在菌のバランスが悪い | 常在菌バランスが良い |
O型血液型 ( 蚊に特に好まれる ) | A型血液型はやや刺されにくい |
② 栄養学的観点
- 亜鉛不足、ビタミンC不足 → 皮膚バリア機能が低下 → 虫が好む
- 高糖質食 → 皮脂分泌↑ → 虫にとって魅力的な皮膚環境に
- 抗酸化物質が豊富な食事 → 虫に刺されにくくなる報告あり ( ビタミンC、E、ポリフェノールなど )
栄養学的観点 |
---|
亜鉛不足、ビタミンC不足 → 皮膚バリア機能が低下 → 虫が好む |
高糖質食 → 皮脂分泌↑ → 虫にとって魅力的な皮膚環境に |
抗酸化物質が豊富な食事 → 虫に刺されにくくなる報告あり ( ビタミンC、E、ポリフェノールなど ) |
刺されたらどうしたらいい?
① 西洋医学的処置
- すぐ冷やす ( 血管収縮 → 腫れ軽減 )
- 抗ヒスタミン薬の内服・外用
- ステロイド外用薬 ( 中等度以上の腫れやかゆみ )
- 感染の兆候 ( 熱感・化膿 ) があれば抗生物質
西洋医学的処置 |
---|
すぐ冷やす ( 血管収縮 → 腫れ軽減 ) |
抗ヒスタミン薬の内服・外用 |
ステロイド外用薬 ( 中等度以上の腫れやかゆみ ) |
感染の兆候 ( 熱感・化膿 ) があれば抗生物質 |
② 鍼灸医学的処置
- 急性期 → 清熱解毒、利湿、止痒の治療
- 穴例 ) 曲池、合谷、委中
- 硬結が残った場合 → 活血化瘀治療
- 穴例 ) 血海、膈兪
鍼灸医学的処置 |
---|
急性期 → 清熱解毒、利湿、止痒の治療 ↓ 穴例 ) 曲池、合谷、委中 |
硬結が残った場合 → 活血化瘀治療 ↓ 穴例 ) 血海、膈兪 |
③ 栄養学的対応
- ビタミンC・ビタミンE → 炎症抑制と皮膚回復
- 亜鉛 → 皮膚修復促進
- オメガ3脂肪酸 → 炎症抑制
- 刺された直後から糖質を控えめにすると腫れが早く引く ( 高血糖は炎症促進 )
栄養学的対応 |
---|
ビタミンC・ビタミンE → 炎症抑制と皮膚回復 |
亜鉛 → 皮膚修復促進 |
オメガ3脂肪酸 → 炎症抑制 |
刺された直後から糖質を控えめにすると腫れが早く引く ( 高血糖は炎症促進 ) |
予後
- 通常は数日~1週間程度で軽快
- ブユやアブは2〜3週間以上硬結や色素沈着が残ることも
- アナフィラキシーを起こした場合は今後も厳重な虫刺され予防と緊急用エピペンの準備が必要
予後 |
---|
通常は数日~1週間程度で軽快 |
ブユやアブは2〜3週間以上硬結や色素沈着が残ることも |
アナフィラキシーを起こした場合は今後も厳重な虫刺され予防と緊急用エピペンの準備が必要 |
虫刺されのまとめ
✅ 腫れは免疫反応+組織反応 ( 分子生物学的 )
✅ ハチ以外にもアナフィラキシーを起こす虫あり ( アブ、ブユなど )
✅ 予防が非常に重要 ( 服装・虫除け・汗拭き )
✅ 体質・栄養状態が影響 ( 亜鉛、ビタミンC、糖質摂取量など )
✅ 刺されたらすぐ冷却+適切な薬物療法+栄養補助が有効
虫に刺されやすい体質&チェックリスト、改善の基本方針、鍼灸プラン、食事 ( 栄養 ) プラン
頂いた質問を深堀していきます。
**「虫に刺されやすい体質改善」**には、皮膚のバリア強化+免疫バランス調整+発汗・皮脂コントロールがカギになります。
ここでは 鍼灸+食事 ( 栄養 ) プラン を実践しやすい形で詳しくみてみましょう。
東洋医学・鍼灸治療の現場からひと言
今回の「虫刺されに刺されやすい体質とは?<体質別対策、原因と改善法 湿熱・瘀血・気虚タイプ分けチェックリスト付>」は、いかがでしたか?
夏は、自然の中で思いっきり遊びたいですよね。
または、草刈りが大変💦なんて方もいらっしゃるからもですね。
どちらも虫刺されには注意が必要ですね。
健康になるため目の大切な3ステップとして
1.入れない ( 健康を害するものを摂取しない )
2.出す ( 身体に不要なものを出す )
3.入れる ( 身体に必要なものを摂取する )
ということを常々お話しさせていただいていますが、1番目の「入れない」というのは、食品添加物などを食べないことも大切なのですが、経皮吸収する毒 ( 経費毒 ) も忘れてはいけません。
虫刺され対策として、殺虫剤や虫よけスプレーは、この経皮毒にあたります。
市販品を使用される場合は、内容成分をよく吟味したいものです。
天然のアロマオイルや、薬草をうまく使うと安心安全な虫よけスプレーが簡単に作れますので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございます。
あなたの感想、質問が私たちのやりがいにつながります。
お気軽にコメントを残していただけますと幸いです。
最後に
お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。
