1. TOP
  2. 患者さまからの質問
  3. 【質問】多くの人が抱えるアレルギー

【質問】多くの人が抱えるアレルギー

患者さまからの質問 症状・病気
この記事は約 7 分で読めます。
Sponsored Link

患者さまからの質問

蕎麦アレルギーやピーナッツアレルギーは重篤化しやすいと聞きます。

なぜでしょうか?

アレルギーとはなに?

アレルギーになる原因は?

アレルギー体質の対処法は?

アレルギーを持たないひとっているの?

珍しいアレルギーってありますか?

アレルギーとは?

アレルギーは、免疫系が通常無害な物質 ( アレルゲン ) に対して過敏に反応する状態です。

アレルゲンにさらされると、免疫系はこれを有害なものとして認識し、抗体 ( 特にIgE抗体 ) を作り出します。

その後、再びアレルゲンに接触すると、IgE抗体がマスト細胞と結合し、ヒスタミンや他の化学物質が放出され、アレルギー症状が引き起こされます。

アレルギーになる2ステップ

アレルギーと免疫の関係を具体的な例で説明します。

ここでは花粉症を例にとって、そのメカニズムを詳しく見てみましょう。

例:花粉症

ステップ1:初回のアレルゲン曝露

初回のアレルゲン曝露
アレルゲンの侵入春になると花粉が飛散
鼻や目の粘膜に付着する
アレルゲンの認識花粉 ( アレルゲン ) は免疫系に認識される
花粉の特定のタンパク質:免疫細胞の一種である抗原提示細胞 ( APC ) によって捕捉される
免疫反応の開始抗原提示細胞:花粉のタンパク質を分解・その断片を細胞表面に提示する
この断片がヘルパーT細胞 ( Th細胞 ) に認識される
抗体の産生Th細胞はB細胞を活性化させる
B細胞は花粉のタンパク質に対する特異的なIgE抗体を産生する
アレルゲンの侵入

春になると花粉が飛散し、鼻や目の粘膜に付着します。

アレルゲンの認識

花粉 ( アレルゲン ) は免疫系に認識されます。

花粉の特定のタンパク質が、免疫細胞の一種である抗原提示細胞 ( APC ) によって捕捉されます。

免疫反応の開始

抗原提示細胞は、花粉のタンパク質を分解し、その断片を細胞表面に提示します。

この断片がヘルパーT細胞 ( Th細胞 ) に認識されます。

抗体の産生

Th細胞はB細胞を活性化し、B細胞は花粉のタンパク質に対する特異的なIgE抗体を産生します。

これらのIgE抗体は、マスト細胞や好塩基球の表面に結合します。

ステップ2:再曝露

再曝露
アレルゲンの再侵入翌年の春
同じ種類の花粉が再び鼻や目に付着する
IgE抗体との結合花粉のタンパク質
マスト細胞や好塩基球の表面に結合しているIgE抗体と結びつく
マスト細胞の活性化IgE抗体と花粉タンパク質が結合する
マスト細胞が活性化
マスト細胞からヒスタミンや他の化学物質が放出される
アレルギー反応の発生ヒスタミンなどの化学物質が放出される
鼻水・くしゃみ・目のかゆみ・涙目などの花粉症の症状が発生する
アレルゲンの再侵入

翌年の春、同じ種類の花粉が再び鼻や目に付着します。

IgE抗体との結合

花粉のタンパク質が、マスト細胞や好塩基球の表面に結合しているIgE抗体と結びつきます。

マスト細胞の活性化

IgE抗体と花粉タンパク質が結合することで、マスト細胞が活性化されます。

これにより、マスト細胞からヒスタミンや他の化学物質が放出されます。

アレルギー反応の発生

ヒスタミンなどの化学物質が放出されることで、鼻水、くしゃみ、目のかゆみ、涙目などの花粉症の症状が発生します。

アレルギーと免疫の関係

アレルギーは、免疫系が本来無害な物質 ( アレルゲン ) に対して過剰な反応を示す状態です。

この過程で中心的な役割を果たすのがIgE抗体とマスト細胞です。

アレルギーになる原因は?

アレルギーの原因は多岐にわたりますが、以下が一般的な要因です。

環境要因

環境要因
空気中のアレルゲン ( 花粉、ダニ、カビなど ) や食べ物、薬物などに繰り返し曝露されることでアレルギーが発症することがある。

空気中のアレルゲン ( 花粉、ダニ、カビなど ) や食べ物、薬物などに繰り返し曝露されることでアレルギーが発症することがあります。

免疫系の過敏性

免疫系の過敏性
免疫系が過剰に反応しやすい場合、アレルギーが発症しやすくなる。

免疫系が過剰に反応しやすい場合、アレルギーが発症しやすくなります。

蕎麦やピーナッツが重篤化しやすい理由

蕎麦やピーナッツは、特に重篤なアレルギー反応 ( アナフィラキシー ) を引き起こすことが知られています。

これには以下の理由があります。

強力なアレルゲン

強力なアレルゲン
蕎麦やピーナッツ
強力なアレルゲンタンパク質が含まれている
少量でも強い反応を引き起こす

蕎麦やピーナッツには強力なアレルゲンタンパク質が含まれており、少量でも強い反応を引き起こします。

広範な交差反応

広範な交差反応
蕎麦やピーナッツ:他の植物や食品アレルゲンと交差反応を起こしやすい
アレルギー反応が広がることがある

これらの食品アレルゲンは、他の植物や食品アレルゲンと交差反応を起こしやすいため、アレルギー反応が広がることがあります。

頻繁な接触

頻繁な接触
蕎麦やピーナッツは日常的に消費されることが多い
知らずに摂取する機会が多い
リスクが高まる

これらの食品は日常的に消費されることが多く、知らずに摂取する機会が多いため、リスクが高まります。

アレルギー体質の対処法

アレルゲンの回避

アレルゲンの回避
アレルゲンを避けることが最も基本的な対策
食物アレルギーの場合成分表示をよく確認アレルゲンを含む食品を避けることが重要

アレルゲンを避けることが最も基本的な対策です。

食物アレルギーの場合は、成分表示をよく確認し、アレルゲンを含む食品を避けることが重要です。

薬物療法

薬物療法
抗ヒスタミン薬、ステロイド、アドレナリン ( エピペン ) などの薬物
症状の緩和アナフィラキシーの緊急治療に用いられる

抗ヒスタミン薬、ステロイド、アドレナリン ( エピペン ) などの薬物が症状の緩和やアナフィラキシーの緊急治療に用いられます。

免疫療法

免疫療法
アレルゲン免疫療法
( アレルゲンに少量ずつ曝露し、免疫系を鈍感にする治療法 )
一部のアレルギーに対して行われる

アレルゲン免疫療法 ( アレルゲンに少量ずつ曝露し、免疫系を鈍感にする治療法 ) が一部のアレルギーに対して行われます。

アレルギー予防

アレルギー予防
早期のアレルゲン曝露の回避
生活環境の改善 ( ダニやカビの除去など )
アレルギー発症の予防が試みられる

早期のアレルゲン曝露の回避や、生活環境の改善 ( ダニやカビの除去など ) によってアレルギー発症の予防が試みられます。

アレルギーを持たない人はいるのか?

完全にアレルギーを持たない人は非常に稀です。

多くの人は一生のうちに何らかのアレルギーを経験する可能性があります。

ただし、アレルギーの発症リスクは個人差があり、生活習慣や環境要因によって異なります。

珍しいアレルギー

水アレルギー ( Aquagenic Urticaria )

水アレルギー ( Aquagenic Urticaria )
水に触れると蕁麻疹が発生する非常に稀なアレルギー

水に触れると蕁麻疹が発生する非常に稀なアレルギー。

日光アレルギー ( Solar Urticaria )

日光アレルギー ( Solar Urticaria )
日光に曝露されると皮膚に発疹やかゆみが生じるアレルギー

日光に曝露されると皮膚に発疹やかゆみが生じるアレルギー。

コールドアレルギー ( Cold Urticaria )

コールドアレルギー ( Cold Urticaria )
寒さや冷たい物に触れることで皮膚に発疹ができるアレルギー

寒さや冷たい物に触れることで皮膚に発疹ができるアレルギー。

接触性皮膚炎 ( Contact Dermatitis )

接触性皮膚炎 ( Contact Dermatitis )
金属 ( ニッケルなど ) や化学物質に触れることで皮膚に炎症が生じるアレルギー

金属 ( ニッケルなど ) や化学物質に触れることで皮膚に炎症が生じるアレルギー。

まとめ

アレルギーは免疫系の過剰反応が原因であり、そのメカニズムは複雑ですが、主要な要素としてIgE抗体とマスト細胞の関与があります。

アレルギー反応を理解するためには、免疫系の働きやその反応の仕組みを詳しく知ることが重要です。

最後に

お困りのこと、質問や疑問などありましたら、ホリス治療院にお気軽にご相談下さいね。

この記事のタイトルとURLをコピーする
Sponsored Link

\ SNSでシェアしよう! /

元気の羅針盤の注目記事を受け取ろう

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

元気の羅針盤の人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!
Sponsored Link

フォトライター紹介 フォトライター一覧

金井 進

金井 進

元気の羅針盤編集長。
ホリス治療院院長、はり師、灸師 ( 国家資格 )。

1994年よりホリス治療院開業。
鍼灸、カイロプラクティック、フィジカルセラピーを融合した独自の治療体系で日夜、患者さんと向き合っています。

30年以上にわたる鍼灸臨床のなかで培った知識と経験をもとに、あなたの困った問題を解決できるような確かな情報をお届けしたいと思っています。

あなたの喜びの声を聞くことほど、私達の仕事に「情熱」と「やりがい」を与えてくれるものはありません。
いいこと・悪いこと、どんなことでも結構です。
是非、あなたの声をお聞かせ下さい。

この人が書いた記事  記事一覧

  • ぎっくり腰 ( 急性腰痛症 ) とは

  • 脂肪酸 ( 油 ) について

  • 【質問】「美味しくて危険な油の話」を鍼灸師が患者さまに内緒で教える話

  • 【質問】大食いタレントさんはなぜ細身なのか?

関連記事

  • 【質問】耳つぼって何?

  • 東洋医学・鍼灸治療の風邪 ( ふうじゃ ) とは

  • 焦点を合わせるエクササイズ

  • 【質問】絶対音感などの卓越的な感覚、HSP、エンパスなど完全網羅

  • 【質問】どうして「いびき」をかくの?

  • 【質問】寝言をいうメカニズムを睡眠サイクルからひも解く